キーポイントは「専門用語」? 新規プレイヤーを増やすためのコミュニケーション方法
ボードゲームというジャンルを盛り上げたい。
やるべきことは大きく分けて二種類あると思っています。
・新規プレイヤー候補にボードゲームの魅力を伝えて引き込む
・既存プレイヤーがもっとボードゲームで遊びやすいようにする
まずやるべきことは、前者かと思います。ほとんどのボードゲームが複数人で遊ぶものであるため、前者ができれば後者も自然と達成されやすくなるからです。
しかしなぜ、なかなか簡単ではありません。なぜか。それは既存プレイヤーからの新規プレイヤー候補に対するコミュニケーションが、うまくいっていないからではないか、と思いました。
キーポイントは、「専門用語」?
新規プレイヤー候補が脱落する瞬間ってどこかな、と今まで自分が失敗してきた勧誘を振り返ってみました。
するとどんな人でも、「わからない」と思った瞬間にサーッと引いているな、と気づきました。
人はなにかを理解できたときに快感を感じる生き物ですが、反対に「こりゃ分かりそうにもないな」と思ってしまうと、学習するモチベーションが大きく下がります。仕方ありません。
さらに深堀りして、どういうときに新規プレイヤー候補が「わからない」と思ってしまうのかを考えました。そこで思い至ったのが、「専門用語の登場」でした。
ボードゲームには専門用語が結構あります。ゲームを紹介・説明する際、そんな専門用語(=わからない言葉)が出てくると、はじめての人はやる気を失うのです。
「このゲームはよくあるトリック・テイキングなんだけど…」とか「カウンティングができると有利です…」とか。もしかしたら「インストするねー!」という時点でアウトかもしれません。
専門用語は、それを知っている人と情報密度の高いコミュニケーションをとるのに役立ちますが、知らない人にとってはむしろ理解を妨げる要素になってしまいます。
だから僕らは初めてボードゲームに触れる人と遊ぶ時や話す時、専門用語を使ってしまっていないかを気にしたほうがいいのかなーと思います。
そしてどこまでが専門用語にあたるのかの判断が、既存プレイヤーの腕の見せ所かと。
入りで「できそう」「楽しそう」と思ってもらうのが、一番大事です。そうすればきっと、初めての人はボードゲームプレイヤーになってくれます。
ちなみに念のためですが、専門用語を使ったコミュニケーションそのものを否定しているわけではありません。僕もサウナサロンのオフ会では、下記みたいな話のしかたをするものです。
「レスタ(注 1)の水風呂は16℃(注 2)だから、ちょっと冷たいんですよね〜」
(注 1)レスタ… 正式名称は「タイムズスパレスタ」。カーシェアで有名なタイムズが運営する池袋の温浴施設。ご飯もおいしい。
(注 2)16℃… 僕は18℃程度の水風呂を好みます。2℃の差はデカい。
こうした専門用語を駆使してハイテンポで進む会話は楽しいものです。互いに「こいつはわかってる…」という一体感も生まれ、どんどん盛り上がっていきます。超気持ちいいです。
ですがサウナを知らない人が聞いたら、レスタをレタスかと思うかもしれませんし、16℃がどういう温度なのかもわかりません。冷たいのか? 熱いのか?
こういう話をいきなりされて、サウナに興味をもつのは無理ですよね。僕が上記のような話をしていいのは、サウナー(注 サウナを愛する人々)だらけのサウナサロンだからなのです…!(PR)
ボードゲームもきっと同じです。
というわけで初めての人に魅力を伝えたいとき、専門用語はなるべく、誰でもわかるような言葉に言い換えたり、使わない方法を考えられるといいですね。
ナイスプレー!