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年末年始にもう一度あそびたい、2019年買ってよかったボードゲームたち

2019年も残りわずか。いい時期なので、今年買ってよかったボードゲームをご紹介します。

ビッグショット

不動産バブルの狂乱に身を投じるゲーム。プレイヤーはブローカーになって土地の権利を奪い合います。

土地の権利をめぐるオークションに参加して勝つためには借金が必須なのですが、それに伴う利子が暴利。借りれば借りるほど上がっていきます。ゲームが終わる頃には借金まみれで初期値よりも持ち金がマイナスになるプレイヤーが出るのも珍しくありません。

場に生まれたほんの少しの歪みがどんどん拡大していって、人の価値判断を狂わせていく様は、まさしくバブル。ゲームが終わる頃にはそこに身を投じる愚かさをバッチリと理解することができるでしょう。

アン・ギャルド

アン・ギャルドはフェンシングをテーマにしたゲームです。実際のフェンシングと同じく2人で遊びます。

プレイヤーたちは同じ山札からカードを引いて手札をもち、そこに書かれた数字を使って前に進んだり相手を攻撃してポイント獲得を目指します。

フェンシングの攻防には優先権という概念があり、それに伴って生じる超高速の駆け引きが見どころなのですが、アン・ギャルドではそれが見事に再現されています。さすが世界のライナー・クニツィアです。

僕はこのゲームをフェンシング代表選手の三宅卓さん・宮脇花綸さんと遊ぶのをきっかけに購入したのですが、それ以外のシーンでもバンバン遊んでます。

ちなみにそうしたご縁もあったので、この前、国内で開催されているフェンシング世界大会の高円宮杯を観に行っちゃいました。まさか自分がフェンシングに興味をもつとは思ってなかったのですが、本物のフェンシングもまた燃えるルールですごく楽しいので、そちらもおすすめです。体験に伴って興味範囲が自然と広がるのもボードゲームのいいところですね。

セネターズ

ゲームマーケット2019秋で手に入れました。安心と信頼のニューゲームズオーダーさんです。僕は毎回、事前調査を一切せず、ルール説明も全く聞かずに購入してます。

共和制末期のローマにて元老院の支持をあつめて指導者になれば勝ちというゲーム。支持数トップになるためには、元老院を買収しながら他プレイヤーを蹴落としていく必要があります。

プレイヤーは自分のターンになったら、競売・強請・清算という3つのコマンドの中から1つ選んで実行します。

競売はオークション。支持を得るのに必要な金を稼ぐ資源を取りあいます。強請は他人が手に入れた資源を金額を提示して奪い取れます。清算は競売や強請で得た資源の換金や元老院の買収です。

僕が好きなのは強請。「交渉してはならない」という縛りがとてもいい。強請る側は、相手がどのくらいの金額なら我慢できるかを見極めて仕掛けるのですが、お互いの葛藤が毎回ドラマチックです。

ニューゲームズオーダーさんが翻訳出版されるゲームはそんなジレンマが豊富で、「ルールは簡単だけどプレイは難しい」ものばかり。目利き力に驚嘆するばかりです。

クリプティッド

未確認動物学者チームの一員になって、マップの中から未確認動物の居場所を突き止めた人が勝者になるゲーム。

プレイヤーはチームの一員(という建前)なので、自分がもっている情報を少しずつ全員共通のマップ上に開示していきます。しかし裏では「あいつがもっている情報は〇〇では…?」という推理をはたらかせ、ここだ!という場所をいち早く特定して他プレイヤーを出し抜かなければなりません。

嘘の情報を出してはいけませんが、すっとぼけた推理を見せつけて何もわかってないフリをするのはアリなので、場はほどよい混乱に包まれます。そんななかで、見事正解を当てた時の快感はけっこうすごいものがありますよ。

日本語版はゲームマーケット2019秋が先行販売だったようで、まだ流通していないっぽいです(2019/12/18時点)が、販売元のJELLY JELLY CAFEの店舗では手に入るかもしれません。

約束の場所へ

「もう一度遊びたい」というタイトルのnoteですが、残念ながら僕はもう二度と遊べないゲームです。

こちらはマーダーミステリーというジャンルのゲームで、ざっくり言うと「シナリオがある人狼ゲーム」です。プレイヤー全員が各自のシナリオを受け取って読み込み、その後、制限時間内で誰がその事件の犯人なのかを考えるという遊び。犯人になったプレイヤーは逆に、制限時間内に特定されないように立ち振る舞います。既に被害者が出ている時点から話が始まるので、殺されてゲームに参加できない人は出ません。

一度遊ぶと犯人が分かってしまうので、同じシナリオで遊べないのが特徴です。ちなみに『約束の場所へ』は、旅行にきた大学生グループの中で起こった殺人の真相を追求するシナリオ。それ以上はネタバレになるので語れません…!記憶を消してもう一回遊びたい。

こちらはパッケージ版ですが、多くのマーダーミステリーは店舗にて脱出ゲームのように「公演」というかたちでおこなわれています。2020年はドッカンと流行る気配があるので、今のうちにぜひ。

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以上です。上記はあくまで僕が今年買ってよかったボードゲームであり、すべてが2019年に発売されたものではありません。ボードゲームは新作・旧作はあるものの、面白さが陳腐化しないのがいいところですね。

あ、ちなみに僕らが2019年に出した新作『コトバグラム』も大変好評なのでぜひ。先日はVTuberの方に遊んでもらっていて、幅広いシーン・メンバーで楽しめるゲームにできたなと新たな確信を得ました。

ちなみに去年(2018年)の買ってよかったボードゲームたちはこちら


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