トポロ3

ボードゲームってどうやって作るの? ゼロから販売まで、全部解説。【2020/08追記】

ボードゲーム作りは楽しいです。少ない人数、あるいは一人で作り上げることができるからです。

大抵の仕事やプロジェクトは、多くの複数人の分業で行います。各人の専門性を組み合わせると、少人数でやるより大きなことができるし、効率的だからです。

でもたまには、自分や仲間の思い通りにモノを作るのもいいものです。ボードゲーム作りは、普段の分業体制で抑圧されているモノヅクリ欲を開放するいい機会になります。

本noteでは、そんなボードゲーム作りのプロセスを、ゼロから販売するところまでざっくり解説します。

①企画…ソフトとしてのゲームを考える

何事も、企画しなければ始まりません。ゲームも同じです。企画にあたって決めなければいけないのは、下記の3つです。

1.テーマ
2.体験
3.ルール

1.テーマ
このゲームを遊んだ人(プレイヤー)に、何を伝えたいのか、知ってほしいのか。それがテーマです。なにか自分がワクワクしたもの、感情を動かされたものを選ぶといいでしょう。

テーマはゲームの中心であり、出発点です。一度決めたら最後までブラさないように注意しましょう。テーマが変わるなら、それは違うゲームです。

また、テーマは具体的であるほうが望ましいです。例えば、お菓子に関するゲームをつくるなら、「お菓子の美味しさ」よりも、「ドーナツの美味しさ」の方がいいし、「美味しいドーナツの作り方」のほうがもっといいでしょう。

2.体験
プレイヤーは、どんなことをするのか、できるのか。それが体験です。剣と魔法でドラゴンを倒すような勇者的体験ができるのか、はたまた、迫りくるゾンビから逃げるような恐怖体験なのか。なんでもアリです。

体験はかならず、テーマとセットになります。プレイヤーにテーマを伝えるためにしてもらうのが体験だからです。だから優先順位は「テーマ > 体験」となります。つまり、テーマにそぐわないと思ったら、体験はどんどん変更してかまいません。

「美味しいドーナツの作り方」を伝えたいなら、プレイヤーにドーナツの調理をしてもらってもいいし、ドーナツに関するクイズを出してもいいかもしれません。美味しくないドーナツのキャラクターを倒す…なんてのもアリかも。

3.ルール
テーマと体験を再現するためのシステム。それがルールです。ルールを考えるのは、企画段階で最も時間がかかる工程になると思います。

テーマと体験が決まることと、それを再現するシステムを構築することは全然違うからです。WEBサイトをつくるときの、デザインとコーディングくらい違います。

美味しいドーナツの作り方を伝えるためにドーナツを調理するゲームをつくるとするなら、そのルールに手札にいろいろなドーナツの材料カードを集めていく要素を加えるみたいな感じです。

ともあれルールらしきものができたら、紙とペンでモックをつくって他の人と一緒に遊んでみます(「テストプレイ」と言います)。

遊んでみると穴や改善点がどっさり見つかるので、それを直す→テストプレイ→直す…を繰り返して完成に近づけていきます。この段階で完成したルールをテキスト化しておくと、あとでルールブックを作る時に楽です。

画像1

↑ テストプレイ用ゲームはこんなもんです。不格好でも、遊べればOK

テストプレイについては、こちらのnoteにもまとめました。参考にぜひ。

②制作…ハードとしてのゲームを作る

何事も、作らなくては形になりません。ゲームも同じです。ゲームの企画ができたら、次は制作に入ります。作るのは下記の3つです。

1.コンポーネント
2.ルールブック
3.パッケージ

1.コンポーネント
ボード、カード、コマ、タイル、チップなど、ゲームを形づくる全てがコンポーネントです。ゲームそのものと言えるでしょう。テーマがきちんと伝わるよう、またルールが直観的に理解できるよう、注意深くデザインしましょう。

形にするときは印刷会社にお願いしましょう。何を、どんなサイズや材質で、何個つくりたいか決めて相談します。納期も忘れず聞いておきましょう。だいたいの場合はイラストレーターで製作したデータを入稿することになると思います。

2.ルールブック
プレイヤーにルールを伝えるためにあるのがルールブックです。ボードゲームには電子ゲームのような自動進行するチュートリアルがありません。ルールブックがプレイヤーたちに楽しく遊んでもらうための生命線になります。ルールが理解できなければ、コンポーネントはただの紙切れや木片です。

「どんなゲームなのか」「どうすれば勝ちなのか」「どういう流れで進行するのか」など押さえるべき要素をしっかり押さえましょう。こちらのnoteが参考になると思います。

テストプレイと同じく、作ったら他の人に読んでもらって理解できるか確かめるといいと思います。先入観がないほうがいいので、可能であればテストプレイに参加しなかった人にお願いしましょう。

これも印刷は印刷会社にお願いするといいでしょう。コンポーネントなどをお願いするなら、ついでに頼んだ方が結局楽です。

3.パッケージ
コンポーネントとルールブックを入れる箱です。一番最初に目に触れる部分になるので、がんばって魅力的なデザインにしましょう。お店に並べるなら、裏面も大事です。気になった人が手に取ったときにどんなゲームか理解できるように説明をいれておくのがよいです。

ゲームマーケットでの手売りやマーケットプレイスでの販売なら気にしなくてもいいですが、店舗に委託する場合はバーコードを入れるとよいでしょう。

これもやはり、印刷会社に発注するのがベターです。また、発注前にコンポーネントと説明書がきちんと入るサイズになるかどうかも確認しましょう。展開図のデータをつくって、組んでみるのがよいです。

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結論、製造はボードゲーム印刷を得意とする印刷会社に頼むのがいいです。ただ、そうすると最低500個くらいは作らないといけないので、結構費用がかさみます(数十万円くらい)。少ない数で作りたい、金銭的負担を抑えたいなら、既製品のコマを個別に買って組み合わせる方法もあります。僕も、初めてデザインしたゲームは12部しか作りませんでした。

ただ、ルールブックの折り込み以外にも、各パッケージ内に入れるコンポーネントの帳合(数を数えて入れていくこと)なども大変です。可能ならお金で解決しましょう。

③販売…ゲームを売る

何事も、世に出さなければ知られません。ゲームも同じです。

ゲームができたら売りましょう。せっかく作ったなら、沢山の人に遊んでもらいたいものです。販売方法は大きく分けて下記の3種類になると思います。

1.個人での販売
2.委託・卸販売
3.クラウドファンディング

1.個人での販売
毎年春・秋に開催されているゲームマーケットをはじめとする各種即売会での販売、メルカリやBOOTHといったマーケットプレイスでの販売がこれにあたります。お客さんに直接販売するような形になるので、直接フィードバックをもらうこともできるでしょう。

比較的少数・低コストで販売することができるので、最初はここから始めましょう。

2.委託販売
ボドゲーマのような通販サイトや、イエローサブマリンのようなゲームショップなどに作ったゲームを委託や卸して販売します。定価の何割かでゲームを販売店に卸すかたちになります。

うまくいけば、個人の力では届けられないような人にまでゲームを楽しんでもらえるかもしれません。ただ、審査があるなどクオリティ面で販売までのハードルが高くなります。手数料もかかります。

3.クラウドファンディング

ボードゲームをつくるプロジェクトを立ち上げて、支援者にリターンとしてゲームを渡す、というのも一種の販売かと思います。

モノができる前に販売の見込みがたつ、印刷費を支払う前に入金があるかもしれない、などのメリットがありますが、しっかりと取り組まないと失敗してむしろ「盛り上がってないゲーム」というイメージがつくリスクもあるでしょう。各プラットフォームの状況(2019/8時点)もまとめたので、考えている方は参考にしてください。

どの方法を取るにしても、PR策は必須です。特に最近はイベントなども少なめ&小規模化しているので、お客様に発見してもらうチャンスは少なくなっています。各種SNSやnoteでの情報発信は積極的にしていきましょう。

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以上、ざっくりではありますが、ゼロからゲームを企画、製造、販売するまでの流れでした。初めての時は大変だと思いますが、一度やりきるとやみつきになりますよ。

そして、ボードゲーム作りたい!けど、手伝ってもらいたい…という方や企業様は、ミヤザキまでご連絡ください。miyazaki@banso.tokyo にメールいただくか、下記のフォームへどうぞ。

ちなみに、ミヤザキが所属するバンソウのWEBサイトはこちら。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 いただいたサポートは新作ボードゲームの開発費用や、テストプレイ会で振舞うお菓子代に使います。

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ボードゲームを作る仕事してます。株式会社バンソウ取締役 https://banso.tokyo/ 『DEATH NOTE人狼』やGoogleさんのボードゲームの制作。自社で『トポロメモリー』『コトバグラム』『サバンナテリトリー』など。 お仕事のご相談は、仕事依頼noteへ。