リオンのこと

リオンは本当に、突然にやってきた。
パパ（夫）が、酔っぱらって衝動買いしちゃったのだ。

「酔っぱらって命を買っちゃうなんて、本当に、何考えてるの！」
と、私は相当怒った。どうせ世話なんか満足にできないくせに！

パパは2、3か月の間は、かいがいしくお世話した。
お名前も「リオン」だなんて、フランス人みたい！！

それでもリオンったら私ばっかりなつくもんだから、
パパはすっかり拗ねちゃって、
「ママのほうが、子育てうまいからな」なんて、ちゃっかり押し付けて。

13年。リオンも子供たちと一緒に大きくなって。
でもリオンだけは、ずいぶん早くおじいちゃんネコになっちゃって。

病院から箱に入ったリオンを連れて帰った時は、
もうどうしていいか、わからなかった。
パパが、「最後だから、ちゃんとしてあげようね」と言っても、
ぜんぜんわからなかった。
毎日毎日、気が付いたらリオンの寝ていた座布団を干していた。

でも、最近、ずいぶん立ち直ったみたい。
貴方のことを忘れたわけじゃなく、
「私がしっかり立ち直って、幸せになるのが、貴方への最高の供養」
だと、気づかされたから。

私は頑張るから、幸せになるからね。

ありがとうリオン、今まで本当に、ありがとう。

（20211027課題の一部）