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【大切なことは全てものづくりが教えてくれた】#3


こんにちは!アニメ好き女性向けのバッグを作る大学生チーム・ZippacTです!

今回の投稿を綴る前に、まず、1点触れておきたい事があります。
去る9月4日の台風21号・6日の北海道地震と、立て続けに発生した大規模災害の影響で、近畿地方・北海道に大きな被害が発生しています。
ここに謹んで、皆様のご無事をお祈りいたします。

実は、関西・北海道共に私たちZippacTとは非常に関係性の強い地です。
関西は、Deco-cheerを商品化して下さった協和チャック工業株式会社がある地。工場は無事だったそうですが、実はDeco-cheerの部品の一部が関西国際空港でストップしてしまい納入できそうにないという事態に、東京に住む私たちも他人事とは思えない無念さがあります。
また、北海道は私たちZippacTメンバーの1人が生まれ育った故郷。実家は無事だったそうですが、インフラの復旧は目途が立っておらず、メンバー本人は不安が拭い切れません。

前回の投稿では、私たちの結成秘話と苦悩の3か月間について書かせて頂きました。こんな時だからこそ、私たちが当初取り組もうとしていた「防災」という課題の重要さと難しさを改めて実感するのです。

災害は、いつやってくるかわからない。
でも、発生してからじゃ遅い。

だからこそ、なかなか解決は難しいけれども、絶対に改善していかないといけない社会問題なんだと、改めて感じました。

さて、前置きが長くなりましたが、今回は「想い」を持って取り組む事の大切さに気付かされ、「子育て」という新しい社会問題に目を向けてからのお話です。

「社会問題を解決しなきゃ!」という自分達都合のゴールばかりを見てしまい、ものづくり自体に込める「想い」を見落としてしまっていた事に気付いたのが、ちょうど去年の夏休みでした。
「自分達が、強い想いを持って語れる事ってなんだろう…?」
そう考えていく中で辿り着いたのが、自分達の親の姿でした。
キッカケは、とあるニュース。

最近、「育児疲れ」っていう言葉が顕在化してきてるんだって。
待機児童問題もあるし、ずっと自分達だけの力で子どもの面倒を
見ていないといけないって事を考えると…分からなくもない気がする。
自分達の両親も、相当な苦労の中で私たちを育ててくれたのかな…

こうして私たちは、育児問題に注目する事を決めました。
自分達が間近で見てきた「親」の事だからこそ、少しでも楽になってほしいという想いでした。

その想いは、間違いなく私たちの原動力でした。
何度もユーザーインタビューを重ね、幼稚園・保育園の先生など子育ての「プロ」から、「リードユーザー」と呼ばれる既に自ら課題解決に取り組んでいる方にまで、連日現場に足を運んでは当事者たちの声を拾っていました。

しかし、こうして声を拾ってみると、私たちの予想していた声とは異なる反応が見えてきたのです。
まさにそれは、モンテッソーリ教育という子どもの知性を伸ばす教育方針を取り入れた日本でも有数の保育園に足を運ばせて頂いた時の事。
現地の園長先生から、こう言われたのでした。

教育は、倫理と道徳という重要な視点がある事を忘れてはいけない。
ビジネス的な視点で短絡に物事を判断すると、つい
「こっちの方がメリットがある!楽になってもらえる!」
という視点だけで判断しがちになるけど、
倫理的に「残さなきゃいけない事」もあるっていう事を忘れないようにね。

この言葉を聞いた時、私たちはハッとさせられたのです。
確かに私たちも、皆さんに喜んでもらいたいという想いで、熱い想いを持って取り組むことはできていたけど、それの良し悪しを判断するのは私たちではなく、他でもない「当事者」の方々。
彼ら/彼女らの私たちの想いに対する受け取り方・感情の機微は、当事者にしか分からない複雑なもの。
そこを見落としたままの、「ありがた迷惑」にはなっていないだろうか…

気付いたのです。ただ単に「想いを語れれば良い」という訳ではなく、自分達が当事者意識を持って「本当にユーザーが求めているもの・価値観を代弁できるかどうか」が重要だという事に。

さぁ、気づいた時には既に9月も半ば、夏休みが終わろうとしていました。
中間報告会「秋カン」まで残り1か月での、振り出しに戻るという事態。
まさに、大ピンチでした。

つづく

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