人生観を変えたネパールでの経験と、私がZIPAIRの客室乗務員を目指した理由。~#スタッフストーリーズ #06~
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
「スタッフストーリーズ」連載第6回は客室乗務員の河野 茜さんのエピソード。海外留学やボランティア活動を通じて学んだ彼女の「生き方」とは。
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こんにちは。客室乗務員の河野です。新卒でZIPAIRに入社し、現在はフライト業務のほかに地上勤務で機内販売品を考案するマーケティング業務に携わっています。
大学時代は1年間オーストラリアのメルボルンに留学をしました。オーストラリアは多民族国家で文化の違いに苦労した記憶があります。
私はもともと、自分の考えや意見を伝えることが苦手でした。留学中に経験したインターンシップでは、意見をはっきり伝え合い、互いに分かち合う外国の方々とうまくコミュニケーションを取ることができませんでした。
「せっかく違う国で生活をしているのに、自分の殻を破らずに帰国はできない」と思い、私自身も積極的に意見を伝えることを意識し、同時に相手への理解を深めることに努力した結果、仲間からの信頼を得て、仕事の効率性も上がりました。
多種多様な仲間が働くチームでは、一人一人性格や価値観が異なります。その異なる部分を尊重し受容することによって新たな価値を生み出すことができる可能性があるので、互いに意見を交わし、認め合う姿勢が大切であると感じました。
それと同時に、もっといろいろな価値観や世界を知りたくなったんです。また、海外へ行くことはもともと好きでさまざまな国に訪れていましたが、発展途上国へは行ったことがないことに気が付き「この目でいろいろと見てみたい!」と思いました。
そんな想いを抱えながら日本に帰国した後、すぐにネパールへ行きました。先進国は災害が発生した際に機械を活用して復旧作業をするなど災害への対応力があると思いますが、ネパールのような発展途上国では災害への対応力は先進国と比べるとあまりありません。今回ネパールへ行くことを決めた理由に、2015年の「ネパール地震」発生後の発展途上国の復旧活動の様子を実際に目にしてみたいという想いがありました。そこで1人で10日間ボランティアをすることにしたんです。
行動力だけは昔からある方だと自負しており、怖いもの知らずという性格もあいまって心配性の父にはギリギリまで反対されていました。海外も含めた一人旅はよく行っていましたが、ネパールというあまり想像ができない国に行くこと自体私も不安はありました。
いざネパールへ訪れてみると、今まで当たり前だった生活が覆され、驚くことばかりでした。
舗装されていない道路、水不足でシャワーは1週間に1回しか使用できず、理髪店へ行き髪の毛を洗ってもらいました。理髪店では井戸から水を汲んでバケツで泡を流しました。また、バスタオルは1枚しかなく皆で使い回し……。日本で生活しているとあまり経験することがないですね。
「ネパール地震」の震災復興支援ボランティアの主な作業は、崩れた寺院のレンガを1つずつ運んで組み立てていく作業です。もちろん日本のように機械もないのでコンクリート作りもすべて手作業でした。
私がレンガを地道に拾い運んでいたら、その姿を見た現地の青年が「一緒に僕も手伝うよ」と声をかけてくれて、またその姿を見た別の現地の人が手伝いに来てくれました。最終的には20人くらいでバケツリレーのようにレンガを運んで一緒に作業をしました。とても心の温かい素敵な国だなと思ったことを覚えています。
作業が終わった後、現地のおばあちゃんが涙を浮かべながら私の手をぎゅっと握ってくれました。そこには会話はありませんでしたが「ありがとう」という強い想いが伝わってきました。
この瞬間「私は誰かのために何かをし、笑顔に、そして幸せにすることこそが自分の幸せにつながる」と感じ、それを仕事にできたらいいなと強く感じたのです。
いろいろな世界を見ることが好き、そして多くの人を笑顔にしたいという想いから客室乗務員を目指すことにしました。
では、なぜZIPAIRの客室乗務員を目指したのかというと「“空”で多くの人を笑顔にするだけでなく、発展途上国の子どもたちの未来も救いたい」という想いが今でも強くあるからです。
ネパールへ訪れて一番衝撃を受けたのは、子どもたちが学校にも通えず働いている姿を目の当たりにしたことでした。彼らは“子ども”でいられる時間が少なく、夢は追うことではなく諦めること。これが当たり前になっていたのです。
ZIPAIRでは客室乗務員の仕事だけではなく「企画発表会」という、自分が会社で挑戦したいことを発表できる場があります。企画が通る確率はほんの僅か。この僅かな確率でも「ZIPAIRで世界の子どもたちを救いたい」という強い想いがあり、いつか実現できるといいなと思っています。行動し続けるのみですね。これが今の私の目標です。
最後に、私がもう一つネパールに教わったこと、それは「幸せの見つけ上手になること」。
よく発展途上国などは私たちが当たり前に受けてきた教育がなかったり、1日3食のご飯が出なかったりと、私たちにとっての当たり前がなく、そのような生活は苦しいと思ってしまうかもしれません。しかし、ネパールでは皆が日々の何気ないことでもとても幸せそうに笑っていました。
自分のものさしを基準にして「格差」という言葉で一括りにせず、私も彼らのように「小さな幸せを大きな幸せ」にしたい。そんな素敵な生き方をしようと学ばせてもらいました。
状況が落ち着いた際は、またいろいろな国へ足を運びたいと思っています。
そして、ZIPAIRの機内で皆さんにお会いできることを楽しみにしています!