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【圧倒的に育っている「協力」】
基地づくり。
ロープを木々に結び付け、ロープ同士を編み込んで、ハンモックのような基地を作成する活動。
この活動は、もう4年1組らしさがぐんっと出た時間だった。
まずは、丈夫かつ解きやすい「ひばり結び」のレクチャー。
練習用のロープで、全員が「ひばり結び」ができるように練習。
すると、やっぱり自然に生まれるのだ。学び合いが。
「ここどうやるの?」「ちょっと教えて??」
自ら聴いて、学び取る姿勢が身についている。困ったときに、困ったと言えること。教えて欲しいときに、教えてと言えること。3年生の時から授業を通して磨いてきた力がしっかりと育っている。
また、快く力を貸す文化も当たり前にある。それぞれに、「得意で貢献する」「困っている仲間に手を差し伸べる」という感覚が育っているのだ。
「そうそう!」「いい感じ!」
そんなポジティブな言葉が飛び交う。
そういった励ましのこど場が飛び交う安心できる場でこそ、力が最大限に発揮される。
グループもあってないようなもの。
困っている人がいるなら、どんどん混ざり合って、教えていく。
上手な人のところに進んで聴きにいく。
できるようになった仲間は、さらに上を目指す。
そんな前向きさも育っているのかと嬉しく思う。
できるようになったから終わりではない。「何秒で結べたら達人ですか?」と質問をして、挑戦していく。
これも子どもたちが毎時間の授業で高めてきた力だ。
限界をつくらず、伸び続けようとする力。
かけ算九九チャレンジでも、漢字ドリル音読でも「何秒以内に」と自ら目標を設定し、挑み続けていた。
そんな毎時間の積み重ねにより、粘り強くさらに上を目指す力が明らかに育っていた。
ちなみに「ひばり結び」の達人レベルは3秒。
挑戦し続ける子どもたち。上達する腕。
「やっぱり練習って大切だな〜」と呟く子どもたち。
練習を終え、いざ基地づくりへ。
ここで子どもたちは、これまでの積み重ねと、協働的な活動のかけ算で、ものすごい力を発揮。
「協力」と言ったらそれまでなんだけれど、「協力」という言葉だけでは伝えきれないものがたっくさん詰まった活動であった。
キーワードは「誰とでも」「言葉がけ」「分業制」の3つ。
これまでも手を貸し合う力が磨かれているなとは思っていたが、それを遥かに超える姿であった。
まず、「誰とでも」。ランダムで決めた班でこんなにも上手に手を貸し合えるのかという驚き。
「ちょっとここ切ってもらってもいい?」
「ここ押さえておくよ!」
「ロープある?ありがと!」
「いくよ、せーのっ、前〜!後ろ!」など。
声を掛け合いながら、活動を進めていく。
そこには、仲が良いとか悪いとか、これまでケンカをしたことがあるとかないとか、男子がとか女子だとか。そういったものが一切ない。一切ないのである。
もう「仲間」。
お互いを認め合って、感謝し合って、力を貸し合って。
「新しいつながりを」という目標の1番目はこうして達成されていくのかという景色が目の前に広がっていた。
2つ目は、「言葉がけ」。
マイナスな言葉が一切ない。もうこれが本当にすごくて。子どもたちの心の育ちを感じずにはいられない。
本当に嬉しい成長である。
本当に全員が手を貸し合わないと、完成しないのが基地づくり。
コツを掴むまではすぐ解けてしまったり、絡まってしまったり。腕に力を入れるので疲れてしまったり。
ややもすれば「疲れた〜」「もうやだ〜」といった言葉が出てしまってもおかしくない。
けれど、マイナスな言葉はこの学級には生まれなかった。
むしろ、ポジティブな言葉で溢れていた。
「もう少しだよ!がんばろ〜!」「いい感じ!うまいうまい!」本当にこういった言葉がものすごく飛び交うのだ。本当にあったかいクラスだなってつくづく思う。
「言葉は世界をつくる」という意味をこれまでの生活経験で学んできたことが分かる。
言葉一つで、心は変化する。そして、プラスの言葉をたくさんもらったら、心は満たされ、その分相手に届けることができる。そんな好循環がクラスに生まれているのだ。
最後は「分業制」。各班によって協力の仕方が絶妙に異なるところがおもしろい。ただ、共通点がある。それは「得意で貢献する」ということ。
ひばり結びが得意なメンバーが、「どんどん先にロープをつけていくね!」と付けていく。そして、「じゃあそれを僕たち3人でどんどん編んでいくよ!」と編んでいく。「じゃあ、私はその間にロープを切っていくね!」と切っていく。
結ぶのが苦手な仲間は、「ごめん、ここ誰かお願いしていい??」と力を借りる。
自分が活躍できる場所をぞれぞれが発見し、「得意」で貢献しているのだ。
そして、そこにはお互いの活躍へのリスペクトがある。
「長所で貢献し、短所で愛される。」
4年1組らしさ、前回の基地づくりだった。
基地は、見事に全班完成!!!
予定時間よりもだいぶと早く。それはまさに「協力」の腕そのものである。
完成した基地に登る子どもたちの表情は、まさに宝物。そんな煌く眩しい笑顔。
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