冬の太陽。
春の太陽は、どこか待ち遠しい。
冬の寒さや冷たさから暖かさを感じられるからか、
どこか心待ちにしている。
春の太陽が高くなると、ちょうど衣替えのタイミングになる。
冬服から春服は、どうも色合いが変わる。
重さだけでなく、どこから気持ちがはしゃいでいる。
色だけでなく、素材の組み合わせを考えるのが楽しい。
夏の太陽は、できれば避けたい。
若い頃は「夏っ!」と叫びながら、両手を拡げて太陽を受け止めていた。
しかし今は、つい日陰を探してしまう。
太陽が寄ってくると、後ずさりする。
そして、年をつい感じてしまう。
熱い太陽を浴びて、汗をかくことが、夏だと思っていた。
今は、汗をできるだけかかずに、日陰を途中に挟みながら歩いてしまう。
秋の太陽は、どこかほっとする。
夏の太陽のぎらつくような輝きから、解放されたような気になる。
朝夕の寒さを少し感じ、一枚シャツを羽織って出掛ける。
日中はまだまだ暑いので、シャツを脱ぐ。
ある意味、春以上に服選びが楽しい。
冬の太陽は、どこか懐かしく温かい。
日に日に、寒さや冷たさを感じていく。
空には灰色が増えていく。
時には青い空もあるが、その青さは神々しい青色にみえる。
空の青、川の青。
自然にある青の四季彩で、一番好きかもしれない。
太陽を見つけると、手をかざしたくなる。
手から温もりを受け取ろうとしているかのように。
いや、手だけではない。
全身で、太陽を受け止めようとしている。
20代までは、夏の太陽が好きだった。
30代から40代前半は、春と秋の太陽が好きになった。
40代後半になってから、冬の太陽が好きに変わった。
まるで、人生を歩んでいるかのように、好きが移ろいでゆく。
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