見出し画像

No Future 4 U

初めて未来という言葉を知ったときから、

刹那主義者になることを決めた彼。

No Future 4 U

オレンジジュースのようなもやにダイブする。

その中で、ヤモリと出会う。

そいつは子供の頃、

部屋に迷い込んできたヤモリだった。

「そういえば 君の名前を聞いてなかったね」

「未来がなくても 名前が気になるかい?」

「それもそうだね。でも気になるな。なぜだろうね」

ヤモリはもやに消えた。

そのとき、左腕に、

痺れるような痛みが走った。

高速で、複雑な曲線を描いて。

腕には赤いドラゴンが彫られていた。

彼は心の中でお礼をいった。

そして、

赤いドラゴンと一緒に、

深く、深く、深く、

もやの中を潜りたいと思った。

否定と肯定、終わりと未来、刹那と持続、

死と生、死と生、死と生……

彼は刹那主義者ではなく、カオスとなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?