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わたし毛穴からやさしめの体液がでてきそうだ
話したい、「ミス・アイスサンドイッチ」がいいってこと。それは川上未映子の『あこがれ』という小説の第一章のことで、第二章もあるけれど、ふたつをとおして読んではじめてふくらむ熱もあるけれど、いま話したいのはミス・アイスサンドイッチ。
ぼくは小学校四年生で、いつもサンドイッチ屋で働いているある人のことをとても気に入っていて、ひそかにミス・アイスサンドイッチとあだ名をつけている。
ミス・アイスサンドイッチのまぶたはいつもおんなじ水色がべったりと塗られていて、それは去年の夏からずっと家の冷蔵庫に入っていて誰も食べなかったかちかちのアイスキャンディーの色にそっくりで、
クラスの子は、おもにその見た目のために、ミス・アイスサンドイッチをわらう。「あんなんなったらさあ、結婚もできないし、何もできないじゃんねえ。もう人生終わりって感じ」でもぼくはとても気に入ってるのだ。
それは見た目とかただしい振る舞いとか世で人の価値とされているものと結びつかない、もっとずっと根っこ的な愛、わたし毛穴からやさしめの体液がでてきそうだ
そして、川上未映子は啓蒙しない。
「人って見た目じゃないでしょ」とこちらをちらちら見ながら大声で言うかんじがない。ただあの人のことをいつも考えてしまう、それだけ。他人があの人の容姿や振る舞いをおかしいとわらってもどうしてそう思うのか理解らない、それだけ。
かっこいい目の、堂々とした、すごいミス・アイスサンドイッチだよ
それだけのことがはてしなく根を張って太くてつよくてぐんぐん伸びていけそうでわたし胸のひろがりすぎるような、毛穴からやさしめの液体がでてきそうな、いい寝相でねむれそうな、そういう夜をむかえるんでした。
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米:サムネイルは画像生成AI「Stable Diffusion」による
米:画像生成のための英文プロンプト(指示文)は「Chat GPT」による
Stable Diffusionは著作権フリー、注釈いらんのだけど、わたしnoteのサムネイルに画像生成AIを使用するのはじめてのこころみだったので米
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