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あほらしの世界に走るひとびとよ

安部公房よんでると、むかっぱら! 短編集『水中都市・デンドロカカリヤ』の「闖入者」は、本投げすてる寸前の姿勢でよんでた。ある日アパートに知らん大家族がどやどやあがりこんできて部屋と金と生活をへいぜんと乗っ取って家主が首吊るはなし。 怒りや悲しみをむりくりひっぱりだす文字はよむと疲れる。 安部公房はあほらしを書くのがうますぎるんだ。 今回よんだ『飢餓同盟』だって、革命を決心する花井は思想だけつよくて論理や倫理が貧弱な、典型的あほらし。周りの人もかんたんに信じてあほらし。

    • 三島は日本刀んなって時代つきぬけてった

      炎あててみたけど。とおもいかけて包丁だった。銀色包丁。 なんてニューロンのてきとうなはたらき 肌は、包丁あててみたけど肌は、てらり張ってんの。 本気でないんだものね。 本気て、三島由紀夫から吹きだしたなまの血。あれ本気。 1970、ううむからのヤアッ、でひとおもいの切腹。 思いつめればひとは、いいほうにもわるいほうにも走りだして戻ってこんですね、三島は日本刀んなって時代つきぬけてった

      • 土間色のくちびる

        アマゾンでアイシャドウひっとつ買いました。ホリカホリカのストロベリークリーム。カタカナはすごいですよ、strawberry creamと書くよりも嘘くさくて、HOLIKA HOLIKAと書くよりもまぬけです。シングルアイシャドウ。アイシャドウパレットはもうやめました。あの塗る場所よりもひろい容器に詰められた粉。元彼の買ったデイジークのサンセットミューリー。名品でした。表面がぱきりぱきら割れてきたので、もうやめた。ちいさなポーチには入らないからやめやめ。わたしを彩るもんがすこし

        • どこ日日のめくれあがり

          尾崎翠『第七官界彷徨』読む。本のなまえに、さいきんわたしが思いつめている「身体」のさき、日日のさきに行くひらめきがあるようにおもったけれどとんでもない、日日まるごとそのもの。 柱になっているのは「第六感のさきである第七感(第七官)を捜しもとめたい」というねがいで、第七官や、それにちかづくモチーフとしての苔の恋愛、分裂心理、など言葉えらびが1931年にしては前衛的なんだろうけれど。 んだろうけれど泣きたがりの子が泣きつづけたそのうるんだ目で日日が見送られ第七感にめざめず詩は

        あほらしの世界に走るひとびとよ

          わたし毛穴からやさしめの体液がでてきそうだ

          話したい、「ミス・アイスサンドイッチ」がいいってこと。それは川上未映子の『あこがれ』という小説の第一章のことで、第二章もあるけれど、ふたつをとおして読んではじめてふくらむ熱もあるけれど、いま話したいのはミス・アイスサンドイッチ。 ぼくは小学校四年生で、いつもサンドイッチ屋で働いているある人のことをとても気に入っていて、ひそかにミス・アイスサンドイッチとあだ名をつけている。 クラスの子は、おもにその見た目のために、ミス・アイスサンドイッチをわらう。「あんなんなったらさあ、結

          わたし毛穴からやさしめの体液がでてきそうだ