見出し画像

カレシが結婚してるかも知れません14

悲しくて…

今日のLOVEランキング♡ヒカルくん

上のランキングからアキトくんも三井も消えた。
アタシは複雑な心境で4件のお店をハシゴした。

そして帰って泣いた。
なんだかわからないけど声を出して泣いた。
今日は酔っぱらっていろんなことを忘れたい気分だったのだ。

お店に常連からデザイン仲間になったユウコさんがきた。
その表情が曇っていた。
なにやら少し前、デザインの交流会で知り合ったサナさんから
突然LINEがきたらしい。

「調停の件で聞きたいことがあるから会いたい」

と。
二人とも年上でユウコさんはシングルマザー。
サナさんもシンママで生後6ヶ月になる赤ちゃんを抱えている。

アタシはサナさんとは二回しかあったことがない。

一度目は、ユウコさんに誘われて行ったデザイン系の交流会。
そこにアタシが三井も誘って三人で行った。
その交流会にwebデザイナーのサナさんがいた。

二度目は、サナさんが妊娠中にユウコさんとお店に来てくれた。
なにやらサナさんがアタシの店に来たいと言ってくれたらしい。

その割に、サナさんはミステリアスというか、年下のアタシを相手にしてくれないような近寄りがたいオーラをビシビシ放出してて正直苦手だった。
だから会話をした記憶はほぼない。

妊娠中のサナさんの相手を誰か聞くまでもなく、ただ、何があったかわからないが敢えてシングルマザーの道を進もうと決心したサナさんに敬意を払い女として応援するつもりでいた。

ユウコさんも、深い話を聞いてはいけないような気がするのか
深く問いださなかったように見えた。

帰り間際、来てくれたお礼の気持ちも込めて、丈夫な赤ちゃんが産まれますように…とお腹をさすったらサナさんが少しだけ微笑んでくれたように思う。

今、サナさんがミステリアスで苦手に感じた理由がわかった。

子供のパパは、アタシの予想が当たっていれば、よく知ってる人だった。
プライバシーもあって言えなかったのだろうし、その頃モメてるまっ最中だったのかも知れない。

ことの発端は、ユウコさんに誘われて行ったデザインの交流会で
サナさんが奴に惚れてしまい3~4回関係をもったらしい。

少しして子供ができたことがわかったサナさんは、イイ歳で子供ができにくい体質だからこの事実がなによりも嬉しかった。しかも、相手はイケメンで社長だから相手にとって不足はない。

でも、奴はかなりの遊び人。
まして年下で全く結婚願望はない。
子供の存在がわかった瞬間、自分から気持ちも体も離れていった。

「俺の子か信用できない」

と、こういうときにつきもののこんなベタな言葉を吐いたという。

産む、産ませない。
人前で何回もケンカ越しに話し合ったという。
お腹の子供はすくすくと成長しているのに
現状は平行線のまま時が過ぎていった。

そのうち、奴との連絡がとれにくくなってきた。
妊婦のサナさんは情緒不安定の上、悲しさと不安で少しずつメンタルが崩壊していった。

LINEや電話を毎日何回も繰り返したらしい。

「遊びだったのね…」

子供を認知してくれない奴にDNA鑑定の結果をつきつけた。
そうでもしないと認めてくれない悲しさと不安が次第に憎悪に変わっていった。

行動はどんどんエスカレートしていき
最終的には興信所を使って実家をつきとめ
奴の両親にすべてをぶちまけた。

その最中、奴から夜中ご飯に誘われてアタシは居酒屋にいた。

奴は疲れ果てた顔でご飯を食べて落ち着くと
その事実をカミングアウトしてきた。

「他にはアキトさんしか知らないんだけど…」

「マジ、シャレになんないよ」

と。

ここから先は

2,629字
この記事のみ ¥ 100

よろしければサポートをお願いします♡ いただいたサポートは保護犬、捨て猫のエサ代に使用させてもらいます☆