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カレシが結婚してるかも知れません17

定期連絡

少し前、LOVEバロメーターからある男の名前がなくなったのは
その男が裏クリエイティ部会ではあってはならぬ過ちを犯したからだ。
しかもアタシの知っている女性とである。

大事な存在だった三井はアタシに複雑な思いをさせた。
それから、波が引くようにお互いに距離をあけた。
だからといって、一生お別れするようなことはない。

何故なら身内同然の関係だと思っているから。
従兄弟や弟というところだろうか。
身内であっても顔を合わせたくないときもある。

夜中の2時すぎに、三井から電話があった。
寝ていたアタシはコールに気づきながら放置。
カレの電話にすぐ出るには頭の整理が必要だった。

7秒でコールが終わった。

内容はだいたい想像できる。

その過ちについて、ユウコさんが三井の子供のママであるサナさんから相談を持ちかけられた事後報告が欲しいのが一番。
次に、それに対してアタシの心中を伺いたいこと。

しかし、以前よくあったがアキトくんと飲んでるから来ない?的な誘いも数%の確率である。いずれにしても、頭の整理が着いたのでアタシから電話をしてみた。

「おつかれ~」
「あ、寝てた?」

「うん」
寝起きの声を察する男である。
「ゴメン。そうだと思ってさっき1コールで切ったんだよね」※1

「7秒だったよ」※2
「じゃ、2コールだ。へへ。ミスった」※3

「ふふふ。どした?」
「いや、意味はないんだけどー最近どうしてるかなと思って」※4

「あ、そ~う。ふ~ん」
「イヒヒ。定期連絡的なです。なにも変わりない?」※5

「プハッ。至ってフツー。三井は?」
「エヘッ。至ってフツー」※6

「そかそか」
「うん。んじゃ。」

「うん」
「あ、あの二人スバルちゃんになんか言ってた?」※7

「ううん。詳しいことは何も聞いてないよ。なにか問題発生?」
「ううん。何も。ならいいんだ」

「んじゃ、またね」
「うん。おやすみ」


※7を聞きたかったとは思うものの
他にもこの会話の中に重要な要素が含まれている。

まず、簡単なツカミ、ボケ、ツッコミ連鎖※123
それによって開いていた距離をお互いに縮め安堵することができる。

この関係は大きい。

三井は機転が利くというか頭のイイ男だから相手に合わせられるのだ。※6
そして※45
普通を装って女心をくすぐる術を知っている。
最後に思慮深い。

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