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肃然起敬ーー「頭が上がらない」って、気持ち良い

(972字・この記事を読む所要時間:約3分 ※1分あたり400字で計算)

【肃然起敬】

ピンイン:sù rán qǐ jìng
意味:尊敬の念が湧く様。

『「頭が上がらない」って、気持ち良い』

 皆さんにとって、「頭が上がらない」というのは、どういうことだろうか。

 肩書や能力が遥かに自分を超えている人を前にし、打ちのめされそうな気分になること?
 権力で押さえつけられ、身動き出来ないこと?
 社交辞令で、仕方が無くヘコヘコしていなければならないこと?

 どっちにしろ、多くの場合「頭が上がらない」は良いイメージが無い。
 弱弱しい、相手に負けている、情けない。
 そんなネガティブな意味合いがほとんどだーー

 と、私はずっとそう思ってきた。
 恩師と出会うまでは。


 私の恩師は教会の指導教師先生だ。

 痩せてて背も低く小柄な女性であるが、優しさと威厳を兼ね備えた強い方だ。
 先生の教育の時間はいつもエネルギーに溢れていて、短い内容でもたくさん元気をもらえた。
 普段はとにかく笑顔でニコニコしていた。
 みんなから慕われていて、先生の周りにはいつも人がたくさんいた。

 彼女を「恩師」と呼ぶようになったのは、どん底にいた私を助けてくれたから。
 話すと長くなるのでここでは割愛するが、とにかくとてもとても可愛がってくれた。

 私達一人一人を愛し、尊重してくれた。
 決して誰かを贔屓することはなく、平等に接してくれた。
 事件が起こると、真っ先に前に立って皆を守ってくれた。
 あの小さな背中で、たくさんのことを背負ってきた。

 先生の前では、私は本当に頭が上がらない。彼女が通り過ぎただけでも、自然と深々とお辞儀してしまう程だ。

 自分がちっぽけに感じる。

 けど、不思議な事にこれっぽちも不愉快は無い。


 私がつい頭を下げてしまうのは、先生を怖がっている訳でもなく、媚びている訳でもない。
 彼女の心の広さ、強さと優しさに圧倒された故、その気持ちが行動となって自然と出てきただけだ。

 それはとても心地よい感情で、ただ単純に相手を愛し、憧れている故に出て来るものだ。
 嫉みも妬みも全くない。
 だから心を込めて頭を下げていられる。

 心から湧き溢れる「敬意」というものは、実にスッキリとして暖かいものだとこれを通して知った。
 更に嬉しい事に、その背中を見続けることで自然と自分も相手に似せられ、徐々に憧れに近づいていけるようにもなる。


 人生において一人や二人、こういった存在が傍にいるのも幸せなことだ。
 頭を下げても、心地良さを感じられる憧れの人が。


📚心から尊敬できる人、いますか?


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