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触景生情ーー記憶の欠片で作られた、私だけの世界を渡り歩いていく

(608字・この記事を読む所要時間:約2分 ※1分あたり400字で計算)

【触景生情】

ピンイン:chù jǐng shēng qíng
意味:眼前の情景に触れ、感情が動く様。

『記憶の欠片で作られた、私だけの世界を渡り歩いていく』

 ありきたりな風景でもこんなに愛おしいのは、ここで大切な人達と出会ったから。

 そよ風が運んでくる香りが懐かしいのは、かつて同じ空気の中で、思い出が作られてきたから。

 すれ違う人から暖かさを感じたのは、なんとなくその面影が貴方に似ていたから。


 春の暖かさから、頬を伝って流れ落ちたあの涙を感じ、
 夏のキラメキから、はじけるように輝いていた笑顔を見つけた。

 柔らかな秋の空気からは、優しく包み込むような温もり、
 透き通った冬の朝には、澄んだ瞳。


 朝日に、希望。
 夕焼けに、安らぎ。

 真昼の太陽のまぶしさにある、力強さ。
 チラチラと揺れ動く星の輝きが思い出させてくれる、色褪せない夢。


 1月1日、1月2日、1月3日......12月31日。

 毎年、毎月、毎日、365日。


 一日一日が素敵に思えるのは、その全てが愛で満ちあふれていたから。


 見上げれば、空。

 青々としたこの空間は、今も愛していたあの場所へと真っ直ぐ続いている。

 空に心を預ける。

 それが道しるべとなり、また迷わずにたどり着ける為に。


 思い出の中に生きている。

 記憶の欠片で作られた、私だけの世界を渡り歩いていく。


「だれかが、何百万もの星のどれかに咲いている、たった一輪の花がすきだったら、その人は、そのたくさんの星を眺めるだけで、幸せになれるんだ」(『星の王子さま』(サン=テグジュペリ作)より) 


📚大切な貴方へ



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