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妊娠、不思議。


別に子どもを急いでいるわけじゃない。

けど、私は32歳。若くないし、そんなにゆっくりしていられないのかな…と思ってはいた。

夫は超多忙な上に転勤族。
夫婦のタイミングは取りづらいし、そのうえ引っ越しもあるし、しばらく「できたらいいな」くらいの軽い気持ちで妊活していた。

妊活して3ヶ月くらい経ったころ、漠然とした不安が襲ってきた。自分が想像していたより、妊娠ってしないものだな…と。

「妊娠しない」とネットをみれば、出てくるのは不妊治療。30代なら十分不妊になりうるとか、不妊治療は最初の検査が痛いとか、無駄に不安になってしまった(見なきゃいいのに)。

ただでさえ出産の痛みが怖くてたまらず、なんなら婦人科の内診さえ嫌い。まだ決まってもいないのに、絶対ぜったいやりたくない!とまで思い詰める始末。

夫から「そうなったとき考えたらいいのに」という、大変ごもっともなコメントを頂いたが、当時の私は「自分が産まないからって他人事だな」と無駄にイライラ、取りつく島もない状態に。

そんな不安が解消されたのは「私もなかなか、できなかったよ。子どもって案外すぐできないものだよ」という叔母の一言。

私たち女性は身の安全のため、避妊がいかに大切か教育を受ける。そのため、避妊をやめたらすぐ妊娠できるのでは…という勘違いをする。

よく考えたら、可能性が1%でもあるから避妊するのであり、すぐできるとは誰も言っていない。

特に妊活していると「不妊」というワードに敏感になり、自分の体がおかしいのでは?と不安になりやすい。

だから叔母の一言で「あぁ、そんなもんなのか。
気長に待ちますか」とホッとしたのである。

人間の体って不思議なもので、
なんとその月、妊娠した。

ちょうど排卵検査薬を買ってタイミングを取ったり、基礎体温をつけ始めたり(遅い)しはじめたところだった。

私は生理予定日が一切ズレないので、来ない時点で予感。5日くらいしてから夫に報告。変に期待したくないのでフライングせず、1週間してから妊娠検査薬を使って、陽性。

病院に早く行きすぎても妊娠が確認できない(無駄な出費になる)と聞いたので待ちたかったが、翌日少し出血したので心配になり、慌てて受診。

そして、無事妊娠が確認されたというわけだ。

感想としては正直、なかった。
お腹も膨らんでないし、病院でもらった写真にも豆みたいなやつがいるだけ。
不思議な感じ。

しかしその数日後、私は料理の匂いが全部ダメになった。今はクッキーとパンで凌ぐ生活を余儀なくされている。

結局、妊活期間は半年くらいだった。

なんか妊活って婚活と似ていたな。周りの出産やネットの情報で焦って不安になると、なかなかうまくいかない。

まぁなんとかなるさ、と力が抜けると案外すぐ叶う。

人生って不思議だな。

とりあえず私はお腹の子に「豆」と名づけ、話しかけてみたりしている。

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