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働いていない自分を責めてしまうとき

平日の昼下がり、私(30)とイトコ(23)がお茶しながらいつも話していること。

「どういう仕事だったら自分にできそうか」
「人間関係をうまくやるにはどうしたらいいか」

結論は出ないが、こういうことを話せる相手がいるのは心強い。そして、働くのはつくづく「怖さ」を伴うものだと実感する。

私とイトコはともに無職。私は金融窓口を5年→転職して事務員を1年半やって休職して退職。イトコは新卒で入った営業の仕事を3ヶ月で退職。

つまり、2人とも次の仕事が未定なのである。

私はいわゆる「お局様問題」でメンタルを病んだことから年上女性が恐怖の対象となっている。イトコは営業の仕事が自分にあっておらず、文系なのでその他の業種が難しいことに悩んでいる。

悩みこそ違うものの、私たちはお互いに「わかる〜!」となる点が多い。

ミスして怒られるのが怖い。仕事を覚えるのが遅い。自分は社会不適合者なのでは…と不安になる。「働かない=クズ」と自分を責めがち。最近は何か予約の電話をかけるだけでも怖い。なんだかもう働くことそのものが怖い。

世の中の無職って、きっとこんな悩みを抱えてるんじゃないかな…。

私は同棲していて、現在は専業主婦のような生活をしている。一緒に暮らす彼は同じ会社でずっと働き、繁忙期になるとブラック並みに忙しいのに愚痴ひとつ言わない社会人の鏡だ。

彼に「仕事を続けられる秘訣」を聞いたところ「考えないこと」だという。人間関係など最たるものだろう。私はそれができなくて、休職に追い込まれてしまった。

働く人ならみんなが乗り越えている壁を自分は越えられない。限界を迎えるとあっという間にダメで、目の前が真っ暗になってしまう。乗り越えるという選択肢の横に、いつも「辞める」が入っている…。

生きるためには働いて、お金を稼がなくてはいけないのに。30歳にもなって、怖がっている場合ではないのに…。


そんな自分を、最近やっと責めなくなってきた。

むしろ「あんな職場でよく頑張ったよね」と思えるようになってきた。前職のことを思うと漠然と「もっとやりようがあったのでは…」と考えてしまいがちだったけれど、私はやれることをちゃんとやっていた。

面倒くさい仕事すべてを投げられても処理してきたし、私より残業しないで!と言われたから忙しくても定時までに仕上げて帰ったし、先輩の愚痴は笑顔で聞いた。分からないことがあれば、先輩の機嫌が悪くても、キレられても聞いて確認した。

それでどうにもならなくて、メンターに相談したら言われたのだ。「先輩みたいになりたくないなら、幸せになりたいなら、辞めた方がいい」と。

将来のことを考えて、退職はとても悩んだけれど、「先輩みたいになりたくない。幸せになりたい」と思って決断した。

一生懸命働いて、悩んで、考えてやってきた。たとえ勤続年数が1年半でも、理不尽な環境で毎日働いてきた事実に変わりはない。

世間が認めてくれなくても、自分は認めてあげたい。

そして、いつかは気持ちよく働いてみたい。どんな仕事かわからないし、女性の先輩にはトラウマがある(店員さんすら苦手)けど…

働いてないから自分を全否定するようなことは、やめようと思った。

今、休職している人や無職の人は、どうか自分が「頑張ってきた事実」を忘れないでほしい。苦しくても毎日会社に行った自分を、どうか認めてあげてほしい。

それができるのは、他でもない自分だけだから。

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