見出し画像

サスティナブルな英語学習サービスを目指したい

こんにちは、ちゃんです。

10月末で長く勤めた会社を退職し、束の間のフリーランス生活を送っていましたが、明日からとある英語学習サービスの会社に週4勤務でジョインすることになりました。

と、その前に所信表明を兼ねて。

私はこれまで、外国語大学で第二言語習得論をかじって卒業し、「留学カウンセラー」と書かれた名刺を持って4年(実態はゴリッゴリのカウンター営業)、オンライン英会話スクールで8年半働いてきました。

多くの英語学習者と向き合ってきた私が、この先関わるサービスを通してやりたいことを記しておこうと思います

「かしこい学習者」を増やしたい

これは英語に限らず教育産業全般に言えることだと思うのですが、学ぶ側が大金を費やして「受講すればどうにかなる」と考えているところに付け入るスクールが多すぎると思っています。

もちろん、効果の高いコンテンツ、能力の高い講師、整った学習環境・サポート体制への対価は払って然るべきなので、高額であることすなわち悪、ではないのですが、教育サービスを受けようとする人にはぜひ「それ、コスパ合う?」という視点を持って、サービス選びをしてほしいです。

何を学ぶのであっても、どんなに優れたコンテンツであっても、最後は自分でやらなくちゃだめ。そのプロセスが効率化されることはあっても、なくなることはありません。よって何かを学ぼうとする時には、その対象について自分でできるところまで調べた上で、この部分については人の力を借りよう、スクールやメンタリングサービスのお世話になろう、というステップを踏むのがよいのではないでしょうか。

どんな専門性を持った人からどういうサービスが受けられる?という視点を持つと、「とりあえず行って、朝から晩まで英語漬けになれば話せるようになるらしい格安留学」や、「週2回、宿題チェックされるためだけに通うコーチングスクール」は、多くの場合コスパがいまいちなことに気づきます。前者は月額6000円くらいの格安オンライン英会話スクールで代替できてしまうし(格安スクールの課題については後述)、後者については同じ費用でもパーソナルな指導のできる力量のある人に週1回見てもらう方が効果的なケースも多いと思います。

個人的な考えを言うと、「3ヶ月でペラペラに!」みたいなJA○Oもびっくりの誇大広告を出しちゃうようなスクールには大反対です。語学を学ぶ道のりを知っている人はこういうことは言えなくて、この文言を出すということは「分かっていない」人が運営しているか、情弱を引っかけようとしているかだなぁと思って見ています。
(ただ、「3ヶ月でその後を変える取っかかりを作る」であれば、本人がちゃんとがんばれさえすればイケると思っています。経験則上。) 

力量のある講師が報われるサービスにしたい

私はこれまで、月額6000円ほどで受講できる格安オンライン英会話のサービスに関わってきました。フィリピンをはじめとする途上国の講師と在宅勤務・出来高払いの業務委託契約を結び、Web上のプラットフォームを通じて日本の受講生とマッチングします(同価格帯のスクールの多くが同様のシステムになっているはずです)。途上国の賃金相場が日本のそれよりも低いことを利用して、日本人学習者が英語で会話する機会を安価にたくさん持てる仕組みです。

在宅勤務の講師にとっては面接もトレーニングもオンライン完結、英語力とインターネット環境さえあれば自宅で手軽に始められるメリットがあることは否定しません。ただ「予約が埋まってたくさんの時間を教えられる」以外に、熟練した講師、専門性のある講師に対するインセンティブや教育研修制度が充実していかないと、いい人材がこの業界で長く働き続けられないのではないかと感じています(ここの仕組みを整えることは、前職でやり残したことの一つです)。

そもそもオンラインで英語を教えるということは、ネイティブスピーカーを含めた自分の国以外からの講師もライバルになりうるということ。競争相手ではなく自分のレッスンを予約してもらう上での優位性の一つに「価格」はあって然るべきかもしれません。ですが理想を言ってしまえば、同等の品質のレッスンが提供できるなら、講師の国籍や居住地を問わず同等の報酬を受け取れたらいいなと思っています。現実には、学習者から見ての講師の商品価値、ネイティブ/ノンネイティブの壁は厚く、そうはいかないのは百も承知ですが、腕のいい先生が好待遇で働けて、よりよい暮らしが叶えられる環境になっていってほしいと願っています。

また日本国内にいるネイティブ講師、日本人講師についても、高いスキルを持つ講師が一般の事務職と大して変わりない報酬で働いている場面が散見されます。あと、よくあるのがレッスン準備にかかる手間を考慮されないパターン。準備にレッスン時間の倍以上の時間がかかることなんてザラにあり、特にグループレッスンや、教材を受講生の専門分野に合わせてフルカスタマイズするケース、講師が使い慣れない教材を使って教える場合などはさらに準備の手間がかかります。

身につけてきた技能がリスペクトされない、講師としての責任を持って職務に当たろうとすればするほどジリ貧になる、なんてことが極力起こらないよう、自分の立場からできる働きかけをしていきたいと思っています。

働く人にとっても優しい環境をつくりたい

塾・スクール業界って、一般的な会社や学校が閉まる日時に営業のコアタイムが来るので夜が遅いんです。土日も思うように休めないことも。私自身は平日休み大好き、一人ぼっちで遊ぶのも苦にならないタイプなのでまだいいのですが、これまでに家族環境の変化で土日休みが必要になってしまい離職された方を見てきたり、また社会人向けの勉強会に時間の都合で行けずにスキルアップの機会を逃したりといった経験をすると、このあたりをもう少し柔軟にできると働きやすさが改善すると思っています。

前職ではよく、22時頃までオフィスで顧客対応をしていました。そこから荷物を整理して会社を出て、自宅に帰り着くのは0時近く、でも朝はパートナーと一緒に6時半起床という万年睡眠不足の生活でした。それがコロナ禍をきっかけにテレワークになり、夜の顧客面談をオンラインでやるようになったところ、常識的な時間に夕食が食べられるようになり感激したことを覚えています。

業務をリモートでもできるように整え、夜や土日の勤務は自宅からメンバーが持ち回りでやる、みたいにできればこの業界特有の負担感が減るのではないでしょうか。

サスティナブルな英語学習サービスを目指したい

要するに。

高品質で、適切な価格設定のサービスを作り
サービスの魅力を正しく伝え
サービスを購入してご満足いただき
サービス提供に関わる人たちに適切に還元する

って、流れを目指したいだけなんですけどね。
変なことを言っていないですよね!

ただ私の周囲でこれがうまく噛み合わないことが続き、今回9月半ばに前職の有給消化に突入してからしばらくは、英語学習サービスのことを考えないようにしてきました。長くいた業界なので、きっとまたどこかで縁はあるだろうと思っていたものの、自分の中でほとぼりが冷めるまでは当分いいかな、と。

それでも。

身近な友達から、英語学習に関する相談を受けるとついついたくさん語ってしまうこと。

自分の関わったサービスによって「旅行を楽しめた!」「海外出張で役に立った」と、受講生の世界を広げるお手伝いができること。

そして、

今度関わるチームの人たちが、なんだか優しそうだったので(完全に直感)。

このタイミングでのジョインを決めました。

楽しく働けますように。
さぁ、腕まくりです。

(フリー最終日は熱海にいます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?