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愛するということ


去年の10月。
夫がずっと大切にしていた猫のペーターちゃんが、天国に旅立った。
14年と11ヶ月だった。

10月の半ば。
義母から夫に「もう危ないかもしれない」と連絡があり、次の週の土日に2人で京都に向かった。
幸い、その頃には感染者数が今(2022年4月)よりも格段に少なく、比較的安心して出かけることが出来た。
(まあそれでも、もしものこと考えると不安ですが)

金曜日、半休をいただいて新幹線でまっすぐ義実家に。
コロナ禍で全く旅行できず、2年振りの京都だった。

義実家に着くと義母があたたかく迎えてくれて「いらっしゃーい!!会いたかったよ2人ともー!んもー!〇〇ちゃん相変わらずかわいいなあ!!」
↑これ、息継ぎせず言ってたwww関西のおばちゃんってマシンガントークあるある?w

リビングで静かに寝転がっていたペーちゃんは、2年前に会った頃よりも大人しく、歩く時も片足を引きずっていた。
その姿が本当に小さくて、弱弱しくて、もう長くはないんだな…と思い知らされた。
前回は夫が抱っこしたらめちゃくちゃ嫌がって逃げて、私がちょっと触ろうとすると猫パンチしてきたのに、今回は大人しく触らせてくれた。
肉球触ったら「やめろ」と言わんばかりに前足をずらしたり、少しだけでも反応してくれたのが嬉しかった。

夕飯をいただいて、私と夫はホテルに移動。
ある程度覚悟はしていたので、「会えてよかったね。」と話していた。

次の日の朝、義母から
「昨日より格段にペーターが弱まってる。心配だから病院連れてくね。」
と連絡があり、夕方もう一度会いに行った。
ペーちゃんはぐったりしていて、意識はあるけど、ほんとにもうダメそうだった。何とか頑張って命を繋いでいた。
昨日はトイレも何とかひとりで行っていたのに、もう歩けないし、水も飲めなくて。
多分もう、2-3日の命なんだろうな…と私たちは悟って、最後のお別れをしてきた。
「ペーちゃん、今までありがとう。」
って、いつもなら絶対にさせてくれない抱っこをして、キスをした。


翌日、朝起きてスマホを見たら義母から連絡が来ていた。
私達が帰った数時間後の深夜に、ペーちゃんは天国に旅立った。

お医者さんには、今年持つか持たないかって言われていたのにな。
まさか私たちが会いに行ってすぐに死んじゃうなんて。
でも、きっと、きっと、1番ペーちゃんを可愛がっていた夫のことをずっと待っていたんだと思う。
しんどくてしんどくて辛かったけど、きっと、夫が自分に会いに来るの分かってて、ペーちゃんは待っててくれたんだろうな。

普段、なかなか抱っこもさせてくれないし甘えても来ない猫ちゃんだったけど、夫には一番懐いていたらしい。
夫の愛情はペーちゃんにちゃんと伝わっていたんだなと思うと、涙が出た。
ホテルで、2人で泣いた。


もう亡くなって数ヶ月経つけど、生き返って欲しいとずっと思ってるし、今でも夫にペーちゃんの話をする。昔のペーちゃんの写真見返したりもする。本当に可愛い猫ちゃんだった。


動物は、言葉を持たないから意思疎通が出来ない。しっぽの振り方、耳の立ち方とかである程度どんな感情か想定はできるけど。でも、あなたの事が大好きよとか言っても伝わってるか分からんし、そもそも猫ちゃんの場合「知るかボケ」みたいな態度取ってくる子も沢山いるw
ペーちゃんもそんな感じで、たまに夫のお布団にあたたまりに来たりするくせに、抱っこはなかなかさせてくれなかった子。

それでも、もう呼吸するだけで精一杯なのに、夫を待っていてくれてたペーちゃん。
あれはペーちゃんから夫への最大限の愛情だったんだなと思う。
夫の愛情は伝わっていたし、ペーちゃんも夫のことを愛していたんだろうな。



ペーちゃん、天国でも元気でね。大好きだよ。






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