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早川文庫SFは2020年代の必修科目テキストだ(1)

仮面ライダーもAI時代に突入
20年にも渡る平成シリーズの総決算という大仕事を見事に完遂した『仮面ライダージオウ』からバトンを受け継いだ、令和元年ライダー『仮面ライダー01(ゼロワン)』の初回放送をあなたは観ただろうか?

本作におけるライダーのテーマはずばり人工知能(AI)であり、「ヒューマギア 」というAI搭載のアンドロイドが人間に従事している近未来が舞台となっている。主人公の設定がお笑い芸人志望の若者ということもあり、物語のトーンは一見明るそうだが、技術発展の陰には色々な負の側面が隠れているようで、どことなくサイバーパンクの要素もあるように思える。台詞の中には「シンギュラリティ」(技術的特異点)というワードも飛び出したが、これはガンダムシリーズの最新作でも登場したワードだ。

このように、毎年代替わりをする仮面ライダーや戦隊ヒーローのモチーフや作品テーマは、その時々のトレンドや社会情勢、または子供や親世代からの注目を浴びているものが採用されることが多い。すなわち人工知能(AI)というワードが、ようやくお茶の間レベルにまで浸透してきたことを意味している。

元ネタは色々ありそうだけど…
放送時のTwitterをのぞいてみると、本作「仮面ライダー01』にはヒューマギアのビジュアルから、海外産ゲームの『デトロイト』やドラマ『オールモスト・ヒューマン」を連想させられた人が少なからずいたようだ。いずれも人間とAI=アンドロイドが共存している未来を描いたSFドラマであるわけだが、そのいずれも、遡れば何を連想するかといえば、やはり映画「ブレードランナー』が頭に浮かぶ人が多数ではないかと思う。その原作となる小説が、フィリップ・K・ディックが1968年に発表したSF小説のクラシックとされる『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』である。

(2)に続く…

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