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ビワイチツーリングをしよう。1stCBTRに台風接近を添えて

琵琶湖。それは滋賀県にある日本最大の面積と貯水量を誇る淡水湖。日本で2番目に大きい霞ヶ浦を知らない人はいても、琵琶湖くらいは知っているだろう。なにせ古代から存在する、歴史ある湖なのだ。

水面に鳥居が建っている。しかし、ここは宮島ではない。琵琶湖だ。

「近畿の水瓶」と呼ばれるほどの貯水量を誇り、京都市民や大阪府民諸兄は、何か滋賀県民をからかえば、「琵琶湖の水止めるで!」という必殺技を返されることも多かったのではなかろうか。淀川水系に住む大阪・京都府民は確かに困る。しかし、この手を滋賀県民は使えない。

琵琶湖の水を止めようとする滋賀県民。

実際に琵琶湖の水を止めることができる水門はある。第一琵琶湖疏水の大津閘門だ。しかもこの閘門、本当に琵琶湖の水を止めた実績がある。京都市にある山科村(当時)を守るために。そう、この大津閘門、管理しているのは国と京都市なのである。大津にあるのに。

第一琵琶湖疏水大津閘門。滋賀県にあるのに、京都市が管理している。(京都新聞記事https://www.kyoto-np.co.jp/articles/amp/595181より画像引用)

万が一、琵琶湖の水を滋賀県が止められたとしても、確かに京都と大阪の各都市は渇水に悩むことになるかもしれないが、滋賀県は一部の山間部を残して水没する。なんとも皮肉なことである。

とまあ、琵琶湖語りは置いておこう。本題じゃないので。

とりあえず関西の人間、特に淀川水系に住む人間にとって重要な場所だと覚えておいてもらえればそれでいい。

自転車やバイク、車で琵琶湖の湖周をひと回りすることを「ビワイチ」と言う。「琵琶」湖を「一」周するから、ビワイチだ。

琵琶湖の湖周は大体200km。そう、僕たち距離ガバ限界ツーリングオタクからしたら、「ちょっとお出かけ程度の距離だが?」と、なろう系チート主人公みたいなことを言いたいところではあるが、普通に200kmは大冒険である。

よく晴れた琵琶湖の北側を走った時、これほどツーリングに良い場所はないと感じた

しかも琵琶湖以外の往復は込めていないので、大阪発だと大体300km前後は走ることになる。

なぜ突然こんなことを話しているのか?

話は少し遡ること2022年9月17日。台風13号が日本列島に接近していた。

その日は本来、僕は岡山にツーリングに行くはずだった。出張がてらではあるが、愛車の400Xオーナーが開催する400Xミーティングに参加するために。

2021年に道志村で開催された400Xオーナーミーティング。54台の400Xが集まったと言われている。

ちょうどその頃、琵琶湖では彦根市が主催する、第1回CBTR2022(セントラル・ビワコ・ツーリング・ラリー)が開催された。

記念すべき第1回となるこのCBTR。彦根港をスタートして彦根城、メタセコイア並木で有名なマキノピックランド、近江神宮を巡り、ゴールの料亭、魚清さんを目指す。

名所、メタセコイア並木。生活道路なので撮影は注意したい。

400Xミーティングが1年ぶりの開催と聞いて、そりゃもう「ワクワクして夜しか眠れねえ」と、零すほどだったのだが、台風接近により中止になってしまった。

400Xミーティング2022の開催ポスター。オフミとは思えないくらい本格的。行きたかったなぁ

400Xミーティングの中止が確定した時、たまたまフォロワーの一人がCBTRのエントリーをしているのを発見した。元々開催されるという情報は、7月ごろには知っていた。しかし、ミーティングとスタート日が重なっていたため、参加を諦めていた。

しかし、調べてみれば、スタート日の9月17日以外であればまだ参加できるではないか。ということで、急遽エントリーして、出走することにした。

さて、台風が九州に上陸した9月18日。関西の天気は曇りのち雨。しかしまだ降る様子はない。

行くしかないだろ。いざ琵琶湖。

台風対策をしていたはずなのにどうして......

台風接近がわかっているからか、大通りは車通りも少ない。晴れることはないが、雨も降らない。スイスイと快適に走ることができる。

京都府に入った。八幡市から城陽市付近に入ると、田園地帯が広がる。周囲がひらけていることもあり、横風が大変強い。バイクと僕を合わせた重量は300kg近くになると思われるが、重心が高いこともあってたまに煽られる。

こんなところで転んだらCBTR参加どころではない。気をつけて走ろう。

遠くに近鉄電車を望みながら、久御山町から京都市へ抜けると、途端に都会になる。烏丸通を走り、京都駅の高架下をくぐると、転勤前まで職場だったビルの真横を通る。寄り道も考えたが、京都市は交通量がすごいのでスルーして、清水方面に向かう。大阪市内中心部ほどではないにせよ、台風が接近しているというのに府外から来た車の多さよ。これが清水寺・祇園の力か。

関西名物、突然現れる二輪通行禁止エリアの横を抜ける。あれ最近ではあまり意味ないと思うんだよな。

疾走する東海道新幹線を眺めながら、大津を目指す。ふと、明日は出張のために広島に向かわねばならないことを思い出して、若干憂鬱になった。台風が来てるのに、そのど真ん中に向かって出張とか論外では?しかし一介のヒラ社員にはどうすることもできないのである。泣き寝入りするしかない。

そんなこんなで大津まで来た。まずはチェックポイントである近江神宮。行程上ここでチェックインしておくと後でそのまま帰ることができるので、多少寄り道してきたのだが、なぜかその時の写真がない。しかもこの後もう一度戻ってくることになる。

ここからは南から迫ってくる雨雲とレースをしながら彦根を目指すのだが、草津まで来たところでお腹が空いたのもあり、2りんかんで休憩することに。

草津2りんかんで少し休憩。店内にいる間に雨が降って止んだ。

途中で買った昼食を食べ、輸入バイクやら中古バイクを眺める。やはり各メーカーのバイクを一度に見ることのできるお店は楽しい。以前から欲しかったギアレバーのカバーを購入し、外に出る。今度こそ彦根に行くぞ。

滋賀県は案外道がまっすぐだ。交差点も多いが、主要道路に出なければ、スイスイ走ることができる。写真を撮りたかったが、残念ながら止まってられるほど時間に余裕もないので、泣く泣く諦めた。もう少し時間があれば、豊郷町の有名な小学校(廃校)でも見に行こうかと思ったのだが。

アニメの聖地にもなっている旧豊郷小学校。これが小学校だと......?2021年冬訪問

気持ちよく走っているうちに、気がつけば彦根を越えて米原の長浜寄りまで来てしまった。米原は米原で、戦時中に掘られた列車を避難させるための防空壕があり、実に興味深いので見てみたかったが、時間がないので諦める。とはいえ、前にも一度訪れたことはあるし、またそのうち行ってみよう。

列車を避難させるために掘られたという防空壕。細くない?と思ったが、どうやら元々走っていたのは軽便鉄道らしい。だとしても細くない?

慌てて引き返してチェックポイントである彦根港に向かう。彦根港からは竹生島に行くフェリーが出ているらしい。行ってみたい。もちろん今日はそんな余裕などないが。

彦根港。ここがCBTR本来のスタート地点。今日はスタート日ではないため、当然ながら誰もいない。

誰もいない彦根港から彦根城に向かっている時、どうやらもう一つのチェックポイント、本来はゴール地点である料亭魚清も、更に戻ったところにあるらしいと気づいてしまった。近江神宮からスタートする場合は、まずは湖西方面から回るのが正解だったのかもしれない。しかし、どうにも言ってられないので、諦めて彦根城と魚清を目指す。

交差点の信号待ちで撮影した彦根城らしき場所。残念ながら木で見えないが、確かに城はそこにあったんだ。いや本当に。

彦根城の城下町を走ると、さっきまでのスイスイとした流れはなく、渋滞に捕まってしまった。道を離れて別の道を走りたいが、進んでは止まってを小刻みに繰り返すうちにタイミングを失ってしまい、失敗した。ヤキモキしていると腹が減ってくる。そういえばクーポンをエントリー時に貰っていたな。あれを使って腹ごしらえでもしようか。

到着。

ということで、本来はゴール地点の魚清さん。台風の影響もあってお客さんがあまり来なかったらしく、15時を過ぎたところではあるが、早仕舞いするところだったらしいのをギリギリで到着した。まだ間に合うとのことで、店の入り口目の前に愛車を止めさせてもらうことに。ヤカラ極まってんな。

店の前に堂々のヤカラ止めスタイル。お店の方に言われなかったら流石にやらない。

なんと個室に通していただいた。なんで上品なお店なんだ。よくわからん個室居酒屋以外では初めて個室に通された。

机が輝きを放っている

注文を済ませて、熱いお茶を飲んで待つこと十数分。たまにお店の人と話しながらソワソワしていると、ついに料理がやってきた。やってきたのはCBTRライダー限定メニューの近江牛ハンバーグ定食。

これだよこれ。こういうのだよ

少し小ぶりだが、もっちりとした肉厚ハンバーグに、とろりとした艶やかなデミグラスソース。ほかほかと湯気が出ていて、冷たくてシャキシャキとした野菜サラダに合うんだこれが。少し濃いめの味付けも、ご飯が進む進む。これで1500円なのだから、全然安いくらいだ。

腹も膨れたところで、ちょうど開催記念のグッズも販売されていたのを発見。いくつか購入してお店を出る。本来ならここがゴール地点のため、フィニッシャーバッジを貰えるのだが、まだもう一つのチェックポイントを残しているため、そちらを回ってから帰るので、またいつか来ますという話をした。いやだって知らなかったんだよそんなの貰えるなんて。やはり北側を先にクリアしておくべきだった......!

「流石にそれは手間だから」と、特別にフィニッシャーバッジと記念ステッカーをいただいてしまった。

フィニッシャーバッジ(左)。右は2022年SSTRのフィニッシャーバッジ。琵琶湖デザインがいいね

お店の人に別れを告げて、来た道を戻りながら、最後のチェックポイント、マキノピックランドを目指す。雨は降らないが、次第に風が強くなってきた。

次第に風が強くなってくる琵琶湖。どうやらこの辺りは雨が降った後らしい。

ずっと前方の道路が濡れている。しかし雨は降らない。風は湖北に向かうほど強くなってきていて、濡れた路面も相まって危険を感じる。ひたすら安全に走ることを意識しながら、少しゆっくりめに最後のチェックポイント、マキノピックランドへと向かった。

暗くなってしまった。

ようやくメタセコイアの並木が見えてきたというのに、すでに街灯が点灯するほどには暗くなってしまっていた。思ってたより時間がやばいぞ。ということで、マキノピックランドは並木手前で写真を撮ったのみで、足早に退散してしまった。

1年前に訪れた時は日中のよく晴れたタイミングだったが、今回は荒天の日没後だった。

ここでとんでもないことに気づいた。そう、一番最初に通ったチェックポイント、近江神宮にチェックインできていないことに気づいたのだ。まだ彦根城とかではないだけ良かったのかもしれないが、ここで終わったと思っていただけに、ショックが大きい。

偶然にも帰るルートの近くに近江神宮があるため、タイムロスはほとんどないが、バイパスの降り口を間違えると大変だ。気をつけて走らないと。

昼間に通った気がする道の路肩で最後のチェックイン。もう完全に夜

近江神宮の参道近くに到着した。夜の神社を撮影するのはよくなさそうなので、路肩を撮影した。これでちゃんとCBTRをクリアできた。今度はちゃんとした時間に余裕を持って参加しよう。クリアした証明書は後日郵送されてくるらしい。楽しみだ。

燃料を補給して京都まで帰る。途中でぼんやり前の車について走っていたら、気がつけば間違えて路面電車の線路上を走っていたときは、かなり焦った。気をつけようね。

路面電車。あちら側から来なかったら気づかなかったかもしれない。

ということで、今回のツーリングはこれにて終了。楽しかった。これからの出張、嫌々ながらも頑張るぞ。

やっぱり電車は快適で楽ですわ〜!!

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