ゲーマーになりたいと入学した生徒が卒業時に決めた進路とは。
ゼロ高 コミュニティデザイナーのみもりです。
将来の夢なんかなくてもいい。
「将来の夢なんか、いま叶えろ。」という本を出版してから、ゼロ高は「やりたいことがある生徒がいくところ」と思っている人が多いのですが、実はやりたいことが決まって入ってくる生徒は一握りです。
もちろんやりたいことが決まっていることも素晴らしいです。本は是非皆さんにも読んでもらいたい一冊です。
ただ、そうではない生徒がどのように進路を決めていくのかというお話をしたいと思います。
地方に在住する一人の生徒の物語
この三月に卒業したA君の例をご紹介します。
A君はゼロ高に入ってきた当初は「何がやりたいの?」という内藤代表の問いに対して「ゲーマーですかね。」と言っていました。
彼は歴史も好きで、入学してしばらくして、城郭考古学者の先生に会いに行ったりしていました。大学も歴史を学びたいと思い、大学受験に向けて勉強していました。
受験間近になり、彼の中でふと疑問が浮かんだそうです。
「ボクが歴史を学んで、社会の役に立てる人になれるのだろうか。」
そう疑問を感じたとき、彼は、家族に目を向けました。
自閉症の兄弟、社会福祉士の方と話す母親。もしかしたら、この環境は自分の強みではないか。家族としてサポートしてほしいことが、ボクにはわかる。福祉の勉強をすることが、ボクが社会貢献できる道ではないか。
そう気付いた時は、歴史学が学べる大学の受験目前でした。彼は受験を辞め、進路変更を決めました。一年浪人して、福祉の勉強ができる大学に行くとのこと。将来は公務員になり、公の立場で人を支えたいと語ってくれました。
それを聞いた内藤代表がA君にこう言いました。「入学の時何がしたいって言ってたか覚えてる?」
「はい。ゲーマーになりたいと。。。でも、あれって人間関係に疲れていたので、人と関わらなくていいって理由でゲーマーって言ってました。(笑)」
「そうだったんだ。(笑)」
ゼロ高に入って有り余る時間を使って、実はいろんなところに旅行に行ったりしていたそうです。印象的だったのは、酪農家の方のところに行き、牛の腸を検査するという貴重な体験をした時、活動報告で送ってくれた写真が忘れられません。外に目を向けていろんなものを見たり聞いたりしたからこそ、目の前の大切なことに気付いたのかもしれません。
今の高校生の問題点
考える時間はたっぷりあるという環境で、レールのない世界で、自分で自分の道を決めるということができたA君
けれど、今の高校生にはこのような時間は、なかなかありません。
自分の偏差値で大学を決める高校生が多いのが現状です。
A君のように自分で一度決めた道も、もう一度考え直してリスタートできたのは、考える余白があったからだと思います。
「ボーっとする時間を与えてあげたい。」現役の高校の先生からも、このようなお話を聞いたことがあります。自分の時間の余白を自分自身で作ることを、意識して作ってほしいです。
目立たなくていい。
福祉の道を目指すという話を聞いた内藤代表は「A君が福祉の現場を大きく変える人になるかもね。」というと、彼はこう言いました。
「いや。表に出て目立つのは政治家の方の仕事だと思うので。僕は現場で貢献できる人になりたいです。」
かっこいいですね。
このような進路にたどり着けたのは、A君の担当のコミュニティデザイナー淺水さんの寄り添う姿勢も大きいと彼は言ってくれました。
ゼロ高内で大きく目立つ活躍があったわけではないけれど、このような進路を決めることができた彼を誇りに思います。
ゼロ高の中には目立つ存在の生徒がいて、その生徒をみて焦る生徒たちもいます。でも、目立つ必要なんてないんです。もともと、住む場所も、環境も違う仲間たちです。A君のように、心の赴くままに行動した結果、それぞれがたどり着ける場所があるのです。
伸びる時期も、人それぞれです。目立つ人は、枝葉を伸ばす時期だから目立つのです。目立たない時期は、「自分は根を張っている時期なのだな。」と思えばいいのです。自分の道を進む生徒たちを私たちは見つめ、そのストーリーをこのように記録していくことをしていきたいと思います。
これからのA君を応援してます!
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