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TRFスキル・ステップ❶〜なぜランナーにとって胴体回旋&落下スキルが必要か?〜

今月は改めて「胴体回旋&落下(Trunk Rotation & Fall:TRF)スキル」について整理していきます。

これまでにもこのスキルは取り上げてきましたが、日々このスキルと向き合い続けることによってみなさんへの伝え方もアップデートされてきてるので、一旦ここで僕の頭の中を整理しつつ、誰が、いつ読んでもスムースにスキル習得ができ、かつ、このスキルに迷った際にいつでも基礎を確認できる、そんな「伝家の巻物」的コンテンツとして、1ヶ月程度かけてまとめていきたいなーと。

そこで今回はまず、そもそもなんで胴体回旋&落下スキルを身につける必要があるんでしたっけ?ということについて整理していきます。

腱の弾性エネルギーを活用してランニングエコノミーを高める

なぜ、胴体回旋&落下(TRF)スキルを身につける必要があるのか?

一言でいえば「ランニングエコノミーを高めるため」です。

では、なぜTRFスキルを身につけるとランニングエコノミーが高まるのか?それは…

腱の弾性エネルギーを活用することができるから、です。つまり「バネ」ですね。

ランニング時にアキレス腱は弾性エネルギーを蓄え、それを活用することによって筋の仕事を35%減少させるという報告(*1)があったり、腸脛靱帯もアキレス腱と同様に弾性エネルギーを蓄え、筋の仕事を減少(*2)させることができるということがわかっています。

では、なぜ筋の仕事を減らす必要があるんでしょうか?それは、筋肉の収縮には、代謝エネルギーが必要だからです。代謝エネルギーとは、脂質や糖質を元に作るATPのことですね。

このATPが枯渇するってことは、僕たちが枯れることを意味します。マラソンの30km以降に枯れ果てた経験がある方、いらっしゃいますよね?
#はい僕です

ですから、できるだけATPが枯渇しないようにマネジメントしなきゃいけないわけで、そのためには「いかにATPを作り続けるか?」という視点と、「いかにATPを無駄遣いしないようにできるか?」という視点が重要。

腱の弾性ネルギーの活用は、この後者の視点において役立つ、ということですね。

では…

なぜ腱の弾性エネルギーを活用するためにTRFスキルが必要なのか?それは…

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員