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書籍「最高の呼吸法」をレビューしてみた

こんにちは、ゼロベースランニングラボラトリーの高岡です。

今日はですね、「最高の呼吸法」という本についてご紹介していきます。

長距離ランナーたるもの、呼吸という行為との関係は切っても切り離せないと思うんですね。

そういう意味でも、この本が教えてくれることはたくさんありますので、ぜひみなさんにも読んでいただきたということもあり、ネタバレになりすぎない程度というか、肝心なところはモザイクかけてw、お話ししていこうと思います。

というわけで、まずこの本で筆者が伝えたいことを端的に、短めのキーワードで僕的にまとめると、3つあると考えてまして。

その3つとは「ボーア効果」、「二酸化炭素耐性」、「鼻呼吸」、です。

では、それぞれのキーワードを少し掘り下げてお話ししていきますね。

まずボーア効果についてです。

これはもしかしたら多くの方が誤解していることなんですけど、たくさん酸素を吸えば、それがそっくりそのまま、筋肉などの各組織に送り届けられるって思ってらっしゃる方が多いと思うんですね。

でもこれ、めっちゃ誤解なんです。

僕たちの体が活用できる酸素の量は、実は血液中の二酸化炭素の量で決まってるんですね。

これ、結構知られてないことだと思うんです。

でも、大抵の人は、二酸化炭素は酸素を使った後、つまりエネルギー代謝の後に出るゴミのようなものだとしか考えてない方がいらっしゃるんですけど、そうじゃないんです。

で、ボーア効果というのはざっくりいうと、二酸化炭素分圧がヘモグロビンの酸素結合能に影響を与え、筋肉などの末端組織に酸素を届けやすくなる、ということです。

つまりこの本で筆者が何を言いたいのかを僕的にまとめると、「息を吸うことにフォーカスしすぎちゃダメよ」「息を吸いすぎても筋肉には届きませんよ」ということなのかなと。

はい、それでは次、2つ目のキーワードにいきましょう。2つ目のキーワードは「二酸化炭素耐性」です。

あなたは普段の「呼吸の回数」に注意を払ったことがありますか?

実は、慢性的な呼吸過多になっていると、二酸化炭素に体が敏感に反応するようになってしまう、ということがこの本に書いてあります。

延髄にある化学受容器が二酸化炭素分圧の上昇により、呼吸中枢を刺激して呼吸つまり吸気を促進するわけなんですけど、呼吸過多によって、この化学受容器の働きが過敏になってしまう、ということですね。

そうなると、本来維持しておく必要がある二酸化炭素分圧にアンバランスが生じてしまう、ということが考えらるわけです。

ちなみに。

二酸化炭素の役割についてもまとめられてて、特に先ほど取り上げた①ボーア効果、そして②気道と血管の平滑筋を拡張したり、③血液のpHの最適化、ちょっと難しい言葉で言うと「酸塩基平衡」、などについて書かれてます。

つまり、二酸化炭素耐性が低下すると、本来得られるはずの二酸化炭素がもたらすメリットを取りこぼすことになるっていうことですね。

そこでこの本では、まずは呼吸をゆっくり、回数を減らしてみませんか?それによって二酸化炭素耐性が最適化されるんじゃない?ということで、二酸化炭素耐性を高めるためのトレーニングが紹介されてます。

ここはモザイク、ということでw。ぜひ実際に本を読んでみてくださいね!

そして最後に3つ目のキーワードにいきましょう。

3つ目のキーワードは「鼻呼吸」です。

鼻呼吸に関してのメリットについては、前回のポッドキャストで、西原克成先生の「これだけ病気にならない」という本でご紹介しましたけども、この本ではまた違った鼻呼吸のメリットを取り上げてくれています。

どういうメリットかというと・・・

「一酸化窒素」の分泌を促す、ということです。

一酸化窒素ですよ。一酸化炭素じゃないですからねw

まず、この一酸化窒素は鼻腔や血管の内壁から分泌されると言われてて、体にどんな影響があるかというと・・・

①血管拡張による血圧の調整
②ホメオスターシスの維持(体の恒常性の維持)
③神経系の情報伝達物質としての役割
④免疫機能の最適化
⑤気管の平滑筋が拡張することによる呼吸機能改善

つまり、この本で筆者は何が言いたいかと考えると・・・

「鼻呼吸することで一酸化窒素の分泌を促すことができて、それによるメリットって結構あるよー」ってことなのかなーと。

ちなみに。

一酸化窒素の分泌を促すために、この本では「ハミング」を勧めてます。

では、なぜハミングが一酸化窒素の分泌を促すのか・・・?

はい、これもモザイクですw。

これ以外にも、ドーピングでよく取り沙汰されるEPO(エリスロポイエチン)の分泌を合法的に促進する方法だったり、ウォーミングアップは鼻呼吸で行ったほうがいい理由だったり、ランナーであれば一度は読んでおきたい情報が盛りだくさんですよ。

ぜひチェックしてみてくださいね。

というわけで、今日は「最高の呼吸法」という本をレビューしてみました。

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員