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そこのアナタ、カモられてませんかーー?『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』 考え方まとめ

 ※一部ネタバレを含みますので、本編を読んでからにしたいという方は、ここで読むのをやめてください。


 『カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義』という漫画を読みましたので、その感想について語ってみます。この本は、一言で言うと、世の中でいかにお金を搾取されているか、その仕組みについて、行動経済学の観点から読み解いた本です。

作画は、『LIAR GAME』や『ONE OUTS』を生み出した「甲斐谷 忍」先生です。原作は、『正直不動産』『任侠転生ー異世界ヤクザ姫一』の「夏原武」先生です。

 わたしは、大の行動経済学好きなので、見た瞬間に「これ、絶対面白いやん!」と思いました。

自分は甲斐谷忍先生の作品は特に好きで、ONE OUTSは、何回読んでも飽きません。それくらい大好きです。

あらすじ

 この話は、実家の旅館がコロナ禍で経営が立ちいかなくなり、大学を辞めないといけなくなったという大学2年生が通りがかりのホームレスに相談するところから始まります。

 そこでそのホームレスは、こう言います。

大学辞めるんなら、最後に俺の知り合いの教授の講義受けるといい。経済学部の加茂ってヤツなんだけど。

カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義1巻 集英社

 加茂教授は、講義はほぼ休講する先生でしかもかなりの変人という噂を聞いていた主人公。

そして無理だと思っても、ダメ元で教授室に行ってみることにした。そこでその加茂教授と出会うことになるが、加茂教授は、実は昨日河原であったホームレスと同一人物だった。

 そして、行動経済学について色々とフィールドワーク(実際に騙され、騙し返し)をして学んでいくというストーリーである。

加茂教授の考え方

 加茂教授は、普通の大学教授と違って、独特な考え方を持っています。その特徴として以下の3つがあります。

1.経済学者なんてほぼクソ

カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義1巻 集英社

  「経済」の語源は、「経世済民」。そして「経世」は「世を治めること」、「済民」は「民を救う」という意味です。「経済学」とは、つまり「民が救われる世を作る学問」ということになります。

 ただ現在の経済学会では、景気や株価など経済学者は、カネのことばかりに目が向いています。そこで加茂教授は、こういう持論を持っています。 

経済学は、カネを考える学問じゃない
人を考える学問だ

カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義1巻 集英社

 自分も経済学部だったので、この気持ちが少しは分かります。経済学が、民を救うということであれば、貧しい人がもっと豊かな社会になってもいいんじゃないかということを疑問に思ってきました。

 加茂教授は、「経済学者たる者 まずは経済弱者を知らなければ」という言葉のとおり、徹底的にフィールドワークを行い、ホームレスになっていました笑

2.経済学は、経済学者に学ぶものじゃない。社会と庶民から学ぶもの

カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義1巻 集英社

 経済学では、需要と供給の曲線やゼロ金利政策などについても勉強します。実際経済学部であった時には、問題で色々とやりました。ただ、やっていてこれが面白くないんです!

 なぜかというと、経済学の問題には「人の感情が入っていないから」。そういう意味で、加茂教授としても「経済学は、経済学者に学ぶものじゃない。社会と庶民から学ぶもの」と言っているのだと思います。

 社会と庶民では、常にお金を儲けたい、もっといい暮らしがしたい、だから誰かをカモりたいなど色々と欲望が渦巻いています。

つまりそこには生の人間の感情があります。誰かが騙され、家も競売にかけられ、無一文になる。その傍らで、悪徳業者はお金儲けをしている。そこに今の世の中の縮図をわたしは感じました。

3.「カモリズム 行動経済論」は「カモる人」「カモられる人」から学ぶもの

カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義1巻 集英社

 世の中では多くのカモる仕組みがたくさんあります。本書では、例えば「仮想通貨」が紹介されていました。仮想通貨の問題点として、「その理論や裏付けを完璧に説明できる人間が極めて少ない」ということです。

 仮想通貨では、誰がカモる人で、誰がカモられる人なのでしょうか。

 ここでは『仮想通貨を考えた人』がカモる人で、『中途半端に知的レベルが高くて、なまじ頭がいいせいで「仮想通貨の理論」が理解できないことを認めたがらない人たち』がカモられる人になります。

 中途半端なインテルは他人から馬鹿だと思われることをひどく嫌うと知っていたカモる人は、「仮想通貨マーケットで多くの人間をカモれる」と見抜いていたのだと思います。そして、わかったつもりでわかってないから、誰かが「今なら儲かる」と言って、大金をツッコミ、適正相場もわからないから、相場が暴落しても損切りなどもできなくなってしまいます。

そうするうちに、どんどんと大金を失うことになっていくのです。

そして、実際にカモる人とカモられる人を生で見ることで、生きた知識となり、忘れないものになるのです。

まとめ

 世の中は、すっかりカモる者とカモられる者の経済 「カモリズム社会」になってしまいました。そこから抜け出るには、人間の行動心理や脳科学、カモる人がどのようにカモるのかを知らなければなりません。

 本書では、本当に細かく行動経済学について、騙される事例をテーマに紹介していたので、「勉強できて面白い」おすすめの漫画です。

 今回は、加茂教授の考え方をメインで紹介したので、また今度は、この本を読んで、どんなことに活かせそうか?自分の経験と照らし合わせて、記事を書いてみようと思います。

今後も面白くて役に立つ記事を書いていきますので、良ければフォロー、スキお願いします。サポートもお待ちしています。 

最後までご覧いただきありがとうございました!

【紹介した漫画はこちらから読めます↓】



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