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【ネタバレ】ただの総集編ではない、"再生産"総集編 少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド

再生産総集編 少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド、観ました。
とりあえず5回ほどロンドしてきました。

今作の新規カットでは、ばななが各レヴューシーンの後に曲の一節をつぶやいていた。
これには、舞台少女9人それぞれが舞台に立つ決意と、何を燃やして生まれ変わるかの意味が込められていると思った。


ロンド・ロンド・ロンド -1-

確かにあの日見たんだ 弾けた星のキラめき

「星のダイアローグ」
ばななが第99回聖翔祭の戯曲スタァライトを演じて「みんなで創り上げる舞台の高揚感」を初めて体感し、「"舞台少女"大場なな」が誕生した瞬間。
※ばななの過去については長くなるので割愛(舞台#2と今作のパンフを見てほしい)
この瞬間を永遠のものにするために、第99回聖翔祭の再演(ロンド)を始める大場なな

ロンド・ロンド・ロンド -2-

灯ったの 静かに情熱が 今

「世界を灰にするまで」
ひかりと再会してふたりでスタァになるという約束を思い出し、キラめきという燃料(情熱)を燃やして舞台少女として再生産した、愛城華恋

ロンド・ロンド・ロンド -3-

未完成の覚悟なんていらない
見たいのは誇り懸け戦う その眼差し

「誇りと驕り」
夢は見るものではなく、魅せるもの。
だれよりも高く輝くトップスタァであり続けるために、すべてを捧げる天堂真矢

華恋とひかりの過去

TVシリーズでは別々に描かれた華恋とひかりの過去の回想がここで一緒に入ることで、物語全体の流れと時系列がわかりやすくなっていた。

ロンド・ロンド・ロンド -4-

あの星だけが未来を知っているのなら

「The Star Knows ~Another~」
掴んでみせます、自分星。
親の反対を押し切って決めた"舞台少女"という道で自分だけの星(スタァ)を手に入れるために戦う、星見純那
ギターとパイプオルガンのアレンジがかっこよかった。

夜が明けて真昼になるよ

「恋の魔球(7回裏)」
バトンも舞台もおばあちゃんに言われて始めただけで自分には何もない、
そう思い込むまひるは、華恋の明るさと前向きさに支えられていた。
そんな華恋に「まひるちゃんはちゃんとキラめいてるよ」と言われて、みんなの太陽みたいなあったかいスタァになりたいと決意したことを思い出した、露崎まひる
野球盤の舞台セットに8bitアレンジでレトロさが増して、世界観が深められてた。
(7回裏)なのは、これが7回目の再演だから…?

さようなら うちは旅立ちます

「宵・花咲か唄」
今までずっと一緒にいた幼馴染。
香子が輝く瞬間を見るため必死に追いかけてきた双葉も、聖翔に入って夢を見つけた。
誰かじゃない自分だけの花を咲かせるためにお互いの想いをぶつけ合う、花柳香子石動双葉
アレンジでさらに歌謡曲っぽさが際立って和のイメージが強くなってて綺麗だった。

ばななの再演 -ロンド・ロンド・ロンド-

第99回聖翔祭から、ばななが再演を始めるまでの回想。
この一連の回想シーンで、劇伴の「ロンド・ロンド・ロンド」が流れているのが、今作の物語を象徴しているようでとても印象的。

ロンド・ロンド・ロンド -5-

繋がったの星の絆 いつまでも守るよ

「星々の絆」
オーディションでひかりと華恋に敗れ、ばななの再演が途切れてしまう。
みんなが変わっていってしまうことに不安を抱くものの、変わっていくみんなも魅力的でそうしたらいいか分からなくなってしまったばなな。
そんなばななを、「舞台も舞台少女も変わっていくもの。舞台少女なら大丈夫。だから一緒に創ろう、私たちの、次のスタァライトを。」と受け止める純那。
今作では、星々の絆の「繋がったの星の絆 いつまでも守るよ」のパートが華恋からばななに変わっていたが、この純那ななのシーン後の新規カットでばなながこの歌詞をつぶやき、「ありがとう、純那ちゃん。あなたが私を救ってくれた。あなたが私を生まれ変わらせてくれた。」と言っていた。(セリフはうろ覚え)
大場ななが星見純那と"星"の絆で繋がったのである。
天才か。

ちなみに、今作ではひかりとばななのレヴュー曲である「RE:CREATE」はとくに深く触れられていなかったが、この曲がアニメレヴュー曲で一番好きです。
2人の感情と舞台セットと曲との親和性があまりにも高すぎて、何回観ても泣いちゃう。

ロンド・ロンド・ロンド -6-

生まれてきた物語は
そう私たちが紡いでいるの

「Star Diamond」
TVシリーズの「-Star Divine- フィナーレ」から曲ごと変わっていた。
「Star DiamondはStar Divineが再生産された曲」という1年前の自分の解釈と公式の解釈が見事に一致してめちゃくちゃ気持ちよかった。

新規カットでばななが「華恋ちゃん、あなたにとって"舞台"って何?」と問いかけている。
これに対して、この後のレヴューで華恋は「私にとって舞台はひかりちゃん」と言っている。
自分たち舞台少女の生き様が舞台そのものなのである。
また、「この今の私を見て」を真矢が、「ずっと私を見ていた」を華恋が歌っていて、それぞれのパートナーへの想いが込められていてとても良い。

ロンド・ロンド・ロンド -7-

望んでいた星は 二人のスタァライト

「スタァライト」
華恋とひかりの運命のレヴュー。
このレヴューシーンは、2人の役柄と展開がとにかくフローラとクレールと重なっているのがとにかくいい。
赤と青の上掛けの華恋とひかり、上掛けを落とされ塔から落ちる華恋とひとり残されるひかり。
ここまでは戯曲スタァライトのとおり。
ここから結末の続きが始まり、掴みたかった星はずっと昔からそばにいた、華恋とひかり二人のスタァライトというところでレヴュー終了。
この後、星のダイアローグにのせて第100回聖翔祭のスタァライトのシーンが始まるわけだが、この見せ方がまた天才。

第100回聖翔祭のスタァライトのシーンで星のダイアローグ2番Bメロが流れてるのが、歌詞に合わせてセリフと映像が展開していってるように表現してるのが、これをやるために最初からすべて計算されていたかのよう。
そもそも、星のダイアローグが9人の舞台少女の物語を頭から終わりまで歌っている歌詞なので、最後にこれを流して物語を締めくくる発想がすばらしすぎる。
何回観ても考察と妄想が止まらない…

エピローグ

選ばなかった過去たちへ
静かに捧ぐ讃美歌を

「再生讃美曲」
ここは、ばななではなくひかりが歌詞をつぶやいている。
再演で繰り返した過去を乗り越えて、物語の続きを始める選択をした結末。
「少女よ 少女よ ロンドはいつしか終わる だから眩しい」
星のダイアローグがTVシリーズの華恋とひかりの物語を表しているであれば、再生讃美曲は再生産総集編のばななの物語を表している。


劇中でも言っているように、同じ舞台は創れない。
物語の流れもレヴュー曲も、みんなTVシリーズと少しずつ変わっていた。
だからこそ、ただの総集編ではなく"再生産"総集編なのである。

きっと、新作劇場版では「二人のスタァライト」ではない「自分だけの舞台」を探す物語になることでしょう。
舞台少女の死→キラめきを失う→燃料がなくなる→舞台少女ではなくなる→つまり死…?
ワイルドスクリーンバロックってなんだ…
ワイドスクリーンバロックをもじった造語だろうけど絶対意味あるよね?
新作の特報で電車の走る音が後ろで鳴ってたけど、9人のカラーが線路みたいになってるロゴあるしパンフの最後にも線路の上にキリンがいる写真のページあるし…
新作への繋ぎが不穏すぎる…

あと、キャラ設定とか製作陣インタビューとか重要な情報がさらっと書かれすぎてるからみんな絶対パンフ読もうね。


続劇

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