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映画感想『1秒先の彼』

◆あらすじ◆
京都に暮らす郵便局員のハジメは、いつも人よりワンテンポ早いせいで失敗ばかりの人生を送っていた。そんなある日、路上ミュージシャンの桜子に心惹かれ、早速、日曜日のデートを約束するハジメ。ところがデート当日に目覚めたはずが、なぜか月曜日になっていた。ハジメは知らぬ間に“大切な1日”が消えてしまったことに気づきパニックに。どうやら毎日郵便局にやってくる、いつも人よりワンテンポ遅い大学生7回生のレイカという女性が秘密の鍵を握っているらしいのだが…。



オリジナル台湾版は未鑑賞。

楽しかったわ!
とにかく全キャラ設定が絶妙に良い!


人生のちょっとした行き違いをクドカンの脚本がドラマチックなラブコメ的に描いてる。言葉も含め京都と言う土地の趣も合ってたと思う。

オリジナルとは違い男女逆転と言う設定らしいが脚本でかなりいじってるんだろうね違和感は全く無かった。

【消えた昨日】と言う謎解きを2方向視点で要点を炙り出す展開&テンポの小気味良さにどんどん引き込まれて何が起こるか読めない楽しさがあった。

とにかく岡田将生のハイテンションで極限せっかちな見た目100%キャラとおっとり奥手なもじもじキャラを満点演技で見せる清原果耶の対比ケミストリーは楽しい。

何気に彼ら二人を盛り立てるハジメの妹バカップルが面白いww。
この2人が案外ハジメを理解してて、放つアドバイスのストレートさがバカってぽいけど何だか頷いちゃう(笑)

ベテラン勢の個性もGOOD。



そして『怪物』で名演を見せた柊木陽太君のアップは心が浄化される~(ღ˘⌣˘ღ)





⚠️この辺からややネタバレあり。


先ず、冒頭から突っ走るハジメと言う人間の“解説部分”が面白い。
特に勤務先の郵便局での他スタッフとの掛け合いはほぼコント!

台詞を差し込むタイミングとかなかなか指導あったんじゃないかなぁ?
すんごく気持ち良く会話が進んで行く。

それに加え郵便局スタッフ達のキャラ設定が絶対一緒に働きたく無い意地の悪さ醸し出してるんだけど、でもハジメにとっては必要不可欠感が満載で“嫌な感じ”を全く受けない言動描写が素晴らしい!!ww
岡田君自体がいじられキャラだからこの感じ凄くあってて違和感無しだった。


そして劇中には日常ハプニングをハジメと言う人物を通して見つめ直す要素が沢山描かれてる。 

真面目で正直、人に媚びず、案外面倒と思う事も見過ごさない、でも善きタイミングで引き継ぎ去る・・・みたいなね。

バス急停車の一件は結構好きだったな。

結局誰かが対処してたら周りはぼーっと見てるだけで支持されないと何も行動を起こそうとしないという経験は自分も体験してるから大抵の人は指示待ちか他人任せよね。
日本人の安定多数だ。

さすがにチャリがバスにぶつかって痛がってんだから救急車は呼んでいいんじゃないかな?

父親が消息不明になってからの家族の描き方も好き。
“ミョウガ”の小道具アイテム化はやっぱり関西と言う設定ありきだと思う。
「ミョウガ、要らんかったで~」からのあの最高のオチに繋げる人情感?好きだわぁ。
もちろんパピコもね。


長曾我部麗華ターンは彼女の一途さが炸裂しててホントに純粋にひたむきに生きてる女の子として愛しい。


【失った一日】を描いたシークエンスはその時間が何故彼らの身に降りかかったのか?と言う理由に結構納得しちゃったんだよね。
テストの時に名前が長いとか漢字の画数が多いとかで不公平みたいな話って子供の頃みんなしてたよねってさ。
それを見事に王道にして世の不平等に繋げちゃう辺りがマジ巧い。

でも、あの止まった人間を動かす描写はちょっとだけ『スイス・アーミーマン』思い出しちゃったよ。
ヘンテコな映画って意味では一緒だねwww。

ギター女子の郵便局で麗華を助けようとする一件もそうだけど人間て誰しも表裏まではいかなくても二面性の顔を持ってるわけでどの登場人物も多かれ少なかれそういう姿が描かれててホントに極日常から派生させてるのが共感に結び付くんだと思う。


総合的にこの作品の主人公達はホント正直に生きてるって思うんだよね。
人の顔色ばかり見たりせず自分道を突き進むって姿が気持ちいいわ。

みんなが止まってる中、麗華がのる自転車や時間を貰った人たちを運ぶバスだけが世間をすり抜けていくのなんか良かった。

人に流されがちになっちゃう時って多分あるんだと思うでもそうじゃない道もあるんでは?って自分の道を見直してみるのもイイかもね。


元々、若き恋愛ものは殆ど観ないけど【純愛】もこんな風にアレンジしてくれたら観る価値あるわ。



▪️追記

ハジメの1秒先エピソードで必ず写真は目を瞑ってしまう一連写真…笑うꉂꉂ(๑˃▿˂๑)アハハ

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