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『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』

原題「AMAZING GRACE」

◆解説◆
"ソウルの女王"アレサ・フランクリンが1972年1月にロサンジェルスにあるニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で2日間にわたって行ったライブは、アルバム『Amazing Grace』として発表され、ゴスペル・アルバムの不朽の名盤として今なお多くの人々に愛されている。この伝説のライブはシドニー・ポラック監督によって撮影も行われ、ドキュメンタリー映画としても世に出るはずだった。しかし音と映像のシンクロに関する編集上の問題が発生し、未完のままお蔵入りとなってしまう。本作は、その後21世紀に入って技術的な問題がクリアされ、プロデューサーのアラン・エリオットがついに映画として完成させた音楽ドキュメンタリー。


『リスペクト』を観てからこのライブを観るとラストシーンから繋がっているのが分る。
ゴスペルに興味があってアレサを知らない人はセットで観ると良い。

スクリーンに映像が映し出された途端、そこはコンサート会場じゃ無いなと了得させられる。
アレサが登場し「ホーリーホーリー」を唄い出した途端一気にその場にワープ!


もちろんアレサの歌唱の迫力や会場の熱気にも圧倒されるが・・・


先ずはゴスペルシンガーとしても活躍し、アレサが幼い頃から彼女を支え一緒に歌って来たジェームス・クリーブランド師の軽妙な口上とピアノがこのコンサートをスタートさせる。もう、ここから掴まれてしまうのは必至だ。

そしてチャック・レイニー(BASS)バーナード・パーディ(DRUMS)、コーネル・デュプリー(GUITAR)と言うバックバンドとして彼女を支える名うてのセッションプレイヤー達も見もの。 そこに加えケニー・ルーパー(ORGAN)、パンチョ・モラレス(PERCUSSION) がゴスペルに欠かせない貴重な役割を担ってる。
そして彼女のバックコーラスとして迎えられた聖歌隊【サザン・カリフォルニア・コミュニティ・クワイア】とその指揮者アレキサンダー・ハミルトンのパフォーマンスも見事としか言いようが無かった。

彼等の一喜一憂がアレサの歌唱とリンクしてこちらも心も体も揺さぶられっ放しだ。

彼女の紆余曲折からのこのライブがどんな思いだったか?
教会で歌う事がどれ程価値のあるモノだったか?
ゴスペルが聴く者に齎す感情を目の当たりにする90分。

神を信じる信じないは関係ない、ただただ彼女の肉体とその空間から発せられる怒涛を感じ取ればイイ。

このライブ映像も世に出る事無く49年間眠っていたとはどれだけお宝を放置すれば気が済むんだ?

若きミック・ジャガーが最初は一番後ろで観てたのに最後は最前に居たなぁ・・・
ノリノリでww


ただ一つだけ、牧師でありながら結構な俗っぽさが感じられるアレサの父親だけは正直好きになれない。
あの場での登場も演説もちょっと納得が行かなかった。

まっ、肉親の関係性は他人がどうこう言う事じゃないしその真理は分らないからな。

2021/11/22

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