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『悪人伝』

原題「韓 악인전 / 英THE GANGSTER, THE COP, THE DEVIL」

◆あらすじ◆
ある夜、ヤクザの組長チャン・ドンスが何者かにメッタ刺しにされる。奇跡的に一命をとりとめたドンスは復讐を誓い、すぐさま犯人探しに乗り出す。そこへ暴力的な一匹狼の刑事チョン・テソクが現れ、犯人は彼が単独で追っている連続無差別殺人鬼に違いないと明かす。情報提供を求めるチョン刑事に対し、最初は拒否していたドンスも相手が狡猾な殺人鬼と悟り、渋々ながらも互いに情報を共有して殺人鬼に迫っていくのだったが…。




ギャングと刑事、この映画のプロットはセオリーに反してこの2者が手を組み同じ敵を的にするっつーなかなかに斬新なんだがそこに緻密に各組織の内部的しがらみが次から次へと絡んで来て、その上殺人鬼本人が自信満々な態度で余計なちょっかい出してくるからまぁどんどん複雑になってっちゃうのが楽しくて堪らんかったわ。

冒頭からラストまで疾走感が衰えないしあれだけ色々エピソード重ねても演出的に余計な台詞とか無駄なシーンが入らずに整理出来てるからコチラが見失う事も無い。
本筋と登場人物の役割、考え方が太くしっかり作られてるから非常に解り易いのもこの作品の評価ポイント。


メッチャ漢祭りでそこも楽し過ぎるんだけどもうね、スタート時点でドンソク兄貴が墨の入ったぶっとい腕でサンドバッグを乱打してるわけ。
「いつ見てもド迫力だわなぁ・・・」なんて感心して観てたら先ずそのサンドバッグの中身でドッキリ&苦笑よ。さすが韓国映画・・・やってくれるよねってね。

  これの中身は何じゃろな?→→→→↑↑↑
怖〜❣️


その後、テソク刑事のハチャメチャシーンに移動するんだけど・・・いやいやこのキム・ムヨル(김무열)っつー俳優は記憶に無くてこの手のタイプを見逃すわけない!って思って調べたらアタシが観た作品には一個も出てなかった・・・そんなのある?(笑)
でも今回の役柄はめちゃ好みだったのは間違いない!真面目で向こう見ず、正義感が強くて目的に対して一筋。絵に描いた様な熱血馬鹿(笑) 

でもねこの映画の面白い所はこの二つの組織が実は似て非なるモノで案外関わってみると"人間的"に意気投合する部分もあるとか無いとか・・・?みたいな描き方な部分なの。

手を組んで殺人鬼を炙りだす途上で奴等が一堂に会して酒を酌み交わすシーンがあるんだけどこの完全にホモソーシャルな世界感がもう飯何杯でも食えるっつーくらいに良いシーンでね。

役者のケミストリーも多分に要素としてあるんだけど組織やグループを束ねて率いて行くリーダーの資質はどんな世界も同じって言うの物凄く解り易く描いてくれてる。
テソク刑事がヤクザの連中を束ねて行く姿をドンソク兄貴演じるチャン・ドンスが優しい眼差しで「お前こっちの世界でもやってけるぞ」ってココロの中で思ってる姿がまぁ素晴らしいのよ。

方や【正義】で繋がった組織ともう片方は【義理・人情】に命を賭けた組織。
どちらも【正しい義理】だもんね。そりゃあ気が合うよ(笑)
ただ、違法か合法かの違い。

で、この映画はこの似て非なる二つの世界をホントに上手く見せてると思うんだよね。
互いに互いの事を理解したうえで「面子が全て!」のヤクザの落とし前を合法を貫かなければならない刑事がどう付けさせるか?っての・・・・まぁシビレルのよ!!
( ✧Д✧) カッ!!

はい、相合い傘ぁぁ💞


最終的にはドンソク兄貴の箔が見せ場になるんだけどこのラストう~~~~んマンダム(解る人だけ解ればイイ)


そして付け加えなければならない要素として【殺人鬼役のキム・ソンギュも不気味さMAX!】
って事!
この役者何?って思うくらいに気持ち悪かった。
ちょっと『ダークナイト』のJOKERを彷彿とさせる「意味無き殺人」。

刺されちゃったドンソク兄貴の台詞に「アイツからは理由や熱が感じられない」的なのあったり「同業者なら絶対に殺してる」って言うその世界のお約束みたいなの沢山出て来て楽しかったな。


オマケ💪🏼


とにかく、この三つ巴演出最高!

相変わらずの激痛アクション含め大満足の一品。


2020/07/30


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