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『ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE-』

◆あらすじ◆
警視庁No.1の検挙率を誇る捜査一課刑事・犬養隼人と頭脳明晰な女性刑事・高千穂明日香は謎の医師ドクター・デスを追っていた。それは闇サイトを通じて依頼を受け、難病に苦しむ患者を次々と安楽死させる連続殺人犯。しかし遺族はドクター・デスに感謝しており、捜査への協力には消極的で、なかなか犯人へつながる手掛かりが得られない。それでも、ついに同行していた看護師を突き止める犬養と高千穂だったが…。




安楽死の是非は考え方の違いだろうがその行為を神格化したりそれに託けた理由で人を殺める事は明らかに犯罪だ。

そんな奥行きを持つ題材な上に役者陣が素晴らしかったからあまりに展開があっさりしてたのがどうにも釈然としない。正直心は動かなかった。

本作の意向の様なので名前は伏せるが特に"ドクター・デス"を演じた俳優の怪演は見事だった。
もちろん北川景子+綾野剛と言うコンビも昨日今日出来上がった感は皆無で息の合ったバディぶりを見せてる。

↑↑↑この焼き鳥(ぼんもち)の行方は如何に?


北川景子の美しい顔つきが高千穂と言う刑事のクールさと型破りな犬養の手綱を握ってる誠実さと公平さをより効果的に描き出してる。

一方、綾野剛演じる犬養は今テーマを肌で感じる設定の背景があり彼の気持ちの内情がどう移り変わりどうその機微が描き出されるか?と言うのが最大の根幹だったのだが彼の演技を持ってしてもこの演出、脚本には深みが無さ過ぎた。

あまりにも残念だ。
役者の演技に頼り過ぎたというよりも元々この題材を深く考えたのだろうか?テーマ性の脆弱なサスペンスと同様に作ってないか?と言う疑問が生じる。

【安楽死】なんて自分には関係ないテーマだと感じてる人には普通のサスペンスとして面白いかもしれないがね。

個人的には安楽死を否定するものではないのでラストの高千穂の台詞がとても重要に思える。
誰にも直面する可能性はあるのだ。

そもそも【死=不吉、恐怖】と言う考え方が安楽死を認めている国とは確実に違うからなぁ。


あまりに医療が発達した今考える必要のあるテーマだと言える。
管に繋がれまくって生きる意味は?一瞬の安らぎも無く苦しみ続けて生きる意味は?
それを耐えがたい思いで見つめる家族の苦悩は?


人間の寿命を延ばすだけ延ばして行かされる意味とは?



2020/11/17


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