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『名も無き世界のエンドロール』

◆あらすじ◆
複雑な家庭環境で育った幼なじみのキダとマコト。ある日、同じ自動車修理工場で働いていた2人の前に、リサという令嬢が現れ高級スポーツカーの修理を依頼する。するとマコトは彼女に入れあげ、政治家の娘で、モデルとしても活躍する彼女にふさわしい男になると決意する。その後、マコトからある計画を打ち明けられたキダも協力することを誓い、キダは裏社会での交渉屋として、一方のマコトは輸入ワイン会社の社長として、それぞれの世界でのし上がっていくのだったが…。




年齢的なものかな?彼等の【恋心】の深さを感じるにはちょっと恋愛に至る経緯が浅い気がしたが全体的な作りとしては非常に好みではあった。

現在と過去を行き来しながら彼等が何を感じお互いをどう意識して生きてきたか、彼等が今そこに至る裏付けを小出しに、まるで立証する様に展開させる演出はこのサスペンスを成立させるうえでかなり効果的だったと思う。

車の通らない交差点。
雨の雫を纏った寄り添うビニール傘。
Cokeの缶・・・

多くのメタファーをやや俯瞰で見せるカメラワークがどこか【さみしげ】でもあり天(国)と地(獄)の狭間を思わせる演出なのか?と深読みが止まらない。

そしてそれらのアイテムが全編に散りばめられる伏線の一部としても際立ってる。

車の通らない交差点に意味の無い押しボタン式。
ココロを通わせた親友と食べるファミレスのナポリタン。
イタズラと実験。
遅かった愛の告白。
常に先を行く相棒と自分が置かれた立場・・・
   それは直感と戸惑いの違いなのか?

事を成就させるには【行動あるのみ】と突き進むマコトを常に見守りフォローするキダと言う図式が彼等の人生の基点でもあり岐路でもある。

物語の構成は非常に巧く出来てると思う。
コチラの感情も恋愛サスペンスと言うカテゴリーに収まらない何かに突き動かされるし宣伝通りラスト20分は【その瞬間】を導く為の全編であったと完全に納得させられるから侮れない。

正直、岩田剛典の高校生にはちょっと退いたがまぁ全体の作りが良かったのでそこは多めに見よう。


個人的には二人の整備工姿にキュン❤でしたな。


2021/02/08


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