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映画感想2023

78
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#邦画

映画感想『PERFECT DAYS』

最高に素敵だった! 登場人物同様、市井を生きる者としてこんな風に日々を描けるヴェンダース監督の才能を改めて感じて嬉しかったなぁ。 同じ様に繰り返されるだけに見える毎日はどの日も必ず過去とは違う。 人生は振り返る事も多いけど新しい今日を見つめる大事さが誰にもきっとある。 この作品を観て来たラスト、平山の車内に流れるニーナ・シモンの 『Feeling Good』にやはり感動はあった。 全編通して選曲は個人的にドンズバ! パティ・スミス、ルー・リード、ヴェルヴェット・アンダー

映画感想『ゴジラ-1.0』

英題「GODZILLA MINUS ONE」 【THE山崎貴版ゴジラ】だった。 ドラマ性重視の王道ストーリー。 ド直球で捻りなどは一切皆無だ。 ゴジラ70周年だから戦後と言うシチュエイションも納得。 直球王道過ぎて特別書きたいと思う事もほぼ無い。 ゴジラの咆哮と放射能と人間のネバーギブアップが余す事無く描かれてる。 恐らく涙する場面も用意されてた(と思う)。 ある程度の年齢だとグッとくる演出は割と含まれてるんじゃないかな? 深読みすれば唯一の被爆国で在りながら方向を

映画感想『ゆとりですがなにか インターナショナル』

3人寄れば男子の下ネタ止まらず! 『童貞、セックス、やったやらない』…30過ぎてそれ続けてる?ww 人間なんてそうそう中身が変わるものではない!って事よね。 アタシなんてもう還暦だっつーのに中身なんて20歳の頃となんも変わってないもんねww まぁ、とにかく他愛も無いどーでもイイ身近なドタバタ劇だがそうだからこそ微笑ましく観ちゃえるのがやっぱこのドラマの魅力よねー。 30代半ばにもなればそれなりに社会に揉まれるしね、その社会自体が変化するスピードを速めてるからそこに対応す

映画感想『沈黙の艦隊』

原作未読。 見応えしかなかった! こう言うの大好きだ! 潜水艦内の状況、始終情報量に溢れ全感覚が研ぎ澄まされた環境。 自分には無理だが堪らなく夢中にさせる。 冒頭の一コマ目から瞬きすら忘れてしまうような緊迫感と緊張感の連続。 大沢たかお演じる海江田の打つ一手一手に息を呑み、目が釘付け!! (◎_◎) 海江田と深町(玉木宏)・・・お互いを知り過ぎるくらいに理解し信頼し、そして推する。 2人の過去に何があったのか?エピソードの挿し込みバランスやタイミングもGOOD! ま

映画感想『BAD LANDS バッド・ランズ』

観終わった後の残念さが否めない。 面白く無いわけじゃないけど、かと言って凄くイイわけでもない。 笑っちゃうのが台詞の聞きづらさが『ヘルドッグス』以上。 そしてやっぱり安藤サクラとは相性が合わない。 いつもあとひとメモリな域に感じる。(あくまでも個人的にだがどの作品も同様) ラストの台詞に「アンタ、男前やな」とかあったけどネリって女そんなに男前かなぁ? 彼女にあまりカッコ良さは感じなかった。 題材は面白いけど全体的にやや平坦さと回りくどさを感じて途中少し萎えたかな。 描きた

映画感想『ミステリと言う勿れ』

原作未読。 よく出来てたなぁ。 ロケ地のスケールも雰囲気も映画然としていてTVシリーズも面白かったけど映画もまた凄く楽しめた。 相変わらず整君の口から吐き出される言葉たちは心にズシンと来るし今回も立って拍手したくなる場面があったなぁ。 名台詞「おじさん達が作った言葉」・・・これな! 女性の地位がめちゃくちゃ低かった時代に男が作り出した女性蔑視の慣用句が未だに横行してる世代がある。地方なら尚更なのかもしれない。 家事を仕事と思わない男が多過ぎるって事にも整君は言及してる。

映画感想『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』

いつも通り楽しかった。 もっこりも大炸裂!ww まぁ個人的にだが、さすがの神谷氏も喜寿でいらっしゃるからか冴羽獠の声と言うか喋り方に若干の違和感を感じながら鑑賞。 なんて言うのか経年に因る活舌の低下を補う【はっきり発音のわざとらしさ】みたいなの? ちょっと感じちゃったんだよね。 ファルコンの玄田さんには感じなかったんだけど神谷氏の方が7歳年上だからね・・・寄る年波ってやつか・・・。 が、ラストは愛を知らないアンジーにちょいホロり( இωஇ )  でもさ、自分が愛されな

映画感想『リボルバー・リリー』

同監督の作品は『窮鼠はチーズの夢を見る』以来だ。 『窮鼠~』はとても好きな作品だったがその後、長編2作品を経ての今作『リボルバー・リリー』は【映画】と言うカテゴリー作品として非常に作り込まれていた感触。 もう入口から日本映画とは思えない構成で、行定監督の力量を感じた。 おそらく時代背景、カメラワーク、役者達のセリフ回し、色調、美術、衣装etc…が映画たる物として巧みに融合し、それぞれが程良く主張を持ち成り立っているからだろう。 個人的に懸念していた綾瀬はるかのアクション

映画感想『キングダム 運命の炎』

原作コミックは未読。 一時期コミック原作モノを一手に引き受けてたww或る俳優のサプライズ的登場に「えっ?ここで来る?!」ってなったり、色々多方面でも楽しませてくれる。 『2』のラストで描かれてたわらべ・信の王騎の下での修行の成果を踏まえての成長が見事に描かれてる。 もちろん今まで信の“有り余るやる気と自信”に多くの人たちが惹かれた訳だが、それでも単に【伍】の一員だった信が修行を積んで百人将となり百人を束ねる長としての箔を身に着け寄せ集めの歩兵『飛信隊』を導く姿が素

映画感想『1秒先の彼』

オリジナル台湾版は未鑑賞。 楽しかったわ! とにかく全キャラ設定が絶妙に良い! 人生のちょっとした行き違いをクドカンの脚本がドラマチックなラブコメ的に描いてる。言葉も含め京都と言う土地の趣も合ってたと思う。 オリジナルとは違い男女逆転と言う設定らしいが脚本でかなりいじってるんだろうね違和感は全く無かった。 【消えた昨日】と言う謎解きを2方向視点で要点を炙り出す展開&テンポの小気味良さにどんどん引き込まれて何が起こるか読めない楽しさがあった。 とにかく岡田将

映画感想『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』

原作未読。 1作目も今シリーズ前編もこの『東卍vs芭流覇羅の決戦』の為だったと納得できる大迫力の群闘。 その他大勢ではなくオーディションで選ばれた不良共の見せ場として惜しみなく縦横無尽に動くカメラが多角的にシーンを捉え全殴り合いにワクワクが止まらなかった。 最終的に”ただのやんちゃ少年”の或る決断を踏まえた成長譚と言う締め括りはちょっと胸が熱くなったぜ! 元々ロマンス部分は要らない派なので別の道に走るタケミッチにGJマークをあげよう。        (๑•ㅂ•)و ク

映画感想『怪物』

英題「MONSTER」 是枝監督の新作『怪物』がカンヌ映画祭のクィア・パルムを受賞した時点でめちゃくちゃ楽しみだったけどこれは間違い無く【傑作】だと思う。 カンヌ脚本賞も納得の坂元裕二の描写構成! 或る時点から何故か涙が溢れて1人で鼻グスグスしてた(笑) * 大人と子供の住む世界の次元が違い過ぎた。 どんなにニュートラルで在るつもりでも大人には“経験”と言う価値観が備わる。 そこから来る先入観や偏見は少なからず言

映画感想『最後まで行く』

これコメディなの?ww 狂気とコミカルの交錯がめちゃ面白かった! 確かに韓国映画にはよく見られるそのバランスを日本映画でもちゃんと表現出来るんだって思ったよ。 2014年公開オリジナル韓国版は観てないので比べようは無いのだが人間の内臓を抉る様なサスペンス劇に引き込まれる。 主演二人のキャスティングもドンズバじゃないかな。 ひらパー兄さんこと岡田准一ならではのコミカルさが活きてるし綾野剛の“隠し切れないサイコ”ぶりが板につき過ぎてた。 とにかく始終工藤のダメダメさが

映画感想『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』

「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に__」と第3期TVシリーズ「PSYCHO-PASS サイコパス 3」をつなぐエピソードが描かれる。 常守朱がなぜ囚われの身となっているのか?と言う疑問を投げ掛けた3期。 その連続性の欠如を幾つものエピソード層を重ね複雑に入り組ませながら、それでも『PSYCHO-PASS』たらん出来栄えで繋いだ手腕には敬服する。 とにかく10年間のピース達が今作でカチリと嵌りこの