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3行短文(詩?)を提唱します

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4文字または4音 4節 3行 定型短文(詩?)を提唱します この方法による作例を 提示していきます
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2020年6月の記事一覧

軽蔑 五篇

窓枠 のうえの カーテン にかくれ ひとすじ 亀裂が はいって いたなら サンテン イチイチ がつけた きずあと 黄色い 国会 海のな かにある 魚の 出入りの 激しい 海底 温泉 冷泉 いずれも 不機嫌 でたらめ ばかりの そのペン つかって ひらいた 扉を 描こうと するのを なにかと 邪魔する がたつく テーブル 舌をお しつけて いるよな たにしの 吸いつく 水槽 むこうに 見えてる かたちを ぼかして ゆれるひ ざこぞう 軽蔑 しない

テーブル 五篇

あわてて テーブル 買いにい きました 偶然 みんなも 買いにい きました テーブル 取り合う 光景 みました 話が 外れて 思わぬ ところへ はしって 行くのは すわりが 悪いが きらいで はないと ひとりた ちすくむ 薪を火 にくべた いいにお いがした ひらいた 窓から かぜにの ってきた 先生 の家は 昼から お風呂か 後場がお わるまで 気はぬけ ないから 祈りを 続ける 日々をす ごしてる 姿勢は どうあれ 祈って 生きてる ひとつ

場違い 五篇

ついには ここまで どうにか ここまで ようやく ここまで ここから どうにか どうする ここから どうどう どどどう いつでも 場違い ここでも 場違い ながれて ながれて ここでも 場違い そのまま 抱えて 場違い のままで 告げたい 言葉が 口から あふれて すべての 話は あるいみ 告げ口 相手を 選ばす 咲いたほ うせんか ほろびる 日本を 見るかも しれない 私の 世代の ふたつほ どしたの 世代に 属する 私の 子供ら 壁のす き

いまさら 五篇

結局 残った 我々 二人で いまから ピザをさ んとうぶ んするよ それがい みふめい というも のだろう 動機が 淡くて ひとには 言えない 旅へと 出てから 帰った 間に ずいぶん 茂った オリーブ の林 別れの 時間が 来るまで わずかに 間があい てるから 自己紹 介した 初めて 知ること いまさら いくつか 覚悟を 問われる 筋合い もなしに 問われた 覚悟を 無視して いたとき 双子の 丘には 虹がわ たされた ひらくオ リーヴの 性器た る花は ひ

デニール 五篇

焼売 つくった ことない といって 白衣と マスクは 似合って いたけど ぼんやり してたね 豚肉 拡げて 海風 は割と 遠くに 届いた 湿気に 磯のに おいをま ぎらせて あるきつ かれたひ とにもた れている ひととき 過ごした ひととま たひとと き過ごし たまたひ とときす ごすせば 暮らしに かさなり ざくろが はぜだす たいした 怪我でも ないのに さわいだ こどもが 背負われ ているの をみると 無くした カメラの 行方が 気になる ブ

暴れる 五篇

ひたすら 暴れる ばかりの 生き物 一家に 二匹ず つ割り当 てられて 課税は 二倍と 閣議で 決まった 流れる プールに 流れる 浮き輪の 蛍光 ミドリを 目でおい ながらの ルシファー 召喚 日焼けに ご注意 どうして わたしは こんなに なったと 言われて 二の句を つげずに いる父 のように 遅れた バスをま っている 角をま がる数 数える 事から 開放 されたが ついつい 指折り 数える のがいや で散歩 できない 投石 されてる

レモン 五篇

お金も サラダも すききら いなしに どうにか かたちに しておい たからね ママとの 約束 果たして ないけど その日に 起こった 出来事 すべてが 記憶の 対象 となるわ けないが 何の 検閲が はたらく のだろう あなたの ひみつを にぎって おります 墓まで かかえて もらさぬ つもりで まつげに むすんで まばたき しません 全身 タイツに レモンを 貼り付け レモンの 輪切りを 着ている ひとたち あせみず くになり あの丘 集合

ひいきめ

私も すこしは みなおさ れたくて 金属 パイプを 井桁に 組んでる 危なく てもいい 認めて くれれば 粗末に 仕上げた いくつも の箱を デッサン していた 絵描きは いきなり はこをば らしだし ギターを 倒した 南武線 よりの 国立 の町を あるいて いたとき やおらに 笑いが こみあげ てきてあ せだくで よじれた 私の 娘を 見ません でしたか ショート カットの にあうむ すめです 私の ひいきめ にすぎま せんけど ショート ヴァース

清潔 五篇

ひとをな くしあう 光景 を見た とこども になかれ たことが あるなら 嘘でも 言えない セリフを 言ったね 八十 年間 いきてき たひとが ミラーを 目にして たちどま っている ミラーが 割れてて 蛇がか っていた 清潔 なことが なにより 尊い 教えて もらえる 家では 無かった わけでは ないのに 汚した 服着て こころの やみにひ かりをあ てるから こっちへ おいでと くちをあ けられて 奥まで 見られる 浄化が はじまる 見方で

忘れる

原油の 価格が マイナス のときに 新たな 油田が 発見 されるが ごとくに あなたの 帰着は 気まずい 過去など 思いの 通りに できない とはいえ 生きては 行かなきゃ いかない まばらな 摘み花 枯らさぬ ぐらいに 県庁 近くに 流れる 川には 海から の水が 押されて 来ていた 毎秋 海水 魚たちが 浮き出す 誰もが 私を 忘れた としても 私は 私を 忘れは しないし 忘れる 以前に 意識が なくなる 定位置 に立って そのまま 座って それをく りかえす

アリバイ

膝から 崩れた 理由を たずねる 理由に 答えず そのまま 倒れる 上から 見たなら エルの字 のかたち 余人 を持って かえがた しなどと 恣意的 運用 のための 方便 目くじら 立ててる 樹間の さざめき 江戸川 の土手に 散歩者 集結 そのまま 海まで 無言で 行列 足音 ひびかせ いつしか 行軍 チケット 売り場に 並んで いました それでは アリバイ 証明 出来ぬと 握った チケット ハサミで 切られる ウナギが 釣れたが きもちわ るいか

定型短文(詩?)を提唱します その26 海の毛

親父の  病室  そこから  見えてた 相撲べ やに干す  大きな  浴衣が はたはた  乾いて  親父は  笑った オインゴ  ボインゴ  押韻後  母音後 当て字を してみた  知らない  バンドの ジャケット  たまたま  ユーチュー ブで見て ギリシャを  旅する  ことなど  これから 生涯  無いかと  思われ ますので あなたの  メールに  返信 しません カヌーで  下った  思い出 の川は 足掛け 5年の  工事に  抗い 流れを

定型短文(詩?)を提唱します その25 ひくひく

メロンが  ひくひく  している  所を いつでも  夢では  普通に  見ている そのたび  恐怖で  目覚めは  するけど 株価が  上がれば  機嫌は  よくなる 下がれば  気分が  落ち込む  あなたと びくびく  しながら  わたしは  暮らした アラート メールで  届いた  知らせは 不明の  児童が  見つかり  ましたと 極力 「あ」の字の 使用の 自粛と 迷惑  かけたと  この場を  去るなら もいちど  たのむよ  などとは

定型短文(詩?)を提唱します その24 バロック

つたにお おわれた  空き家の  窓から リュートの  奏でる  バロック 音楽 聞こえた  気がして  たちどま ってみた ゆどうふ  さかなに  のんでる  隣で 似顔絵  描いてる  酒場の  幽霊 軍靴に  きっちり  ゲートル 巻き上げ こわいよ  本気で  言ってる んですか あなたの  ほんとの  ねらいは  そこなの はずかし  過ぎるし  一生  残るし うれしい  知らせに  素直に  喜び 悲しい  知らせは  素直に  悲しむ ですから