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「ウクライナ侵攻は領土の奪還作戦??」 日本人の、北方領土や竹島に対する心情と似ている.......かも?

  まず、これだけは記しておく。私は、ロシアによるウクライナ侵攻に対し、戦争反対の立場だ。筆者に、ロシアを擁護する気はないことも、日本人を煽る気もないことも、理解いただけると幸いである。
 
  では、本題に入ろう。ロシア人から.......と言うよりも、「ソ連の遺児」と認識しているロシア人からすれば、「ウクライナが自分達の領土だった事実」は確かにあるのだから、「本来、あそこは我々の領土だ」と考えて当たり前だろう(プーチン大統領が代表例)。「西側に奪われた」とさえ思っている。

  その場合に、「歴史的・文化的にロシアとウクライナは違う国だ」「ウクライナ人は、ロシア人と自分たちを、同じとは考えていない」等々の反発は関係ない。大多数の人間にとって、論理的な判断ではなく、心情的な欲求.......「奪われた物を取り返したい。取り返さなければならない」という、当然な意思であるからだ。

  多くの日本人も、韓国人に「独島(竹島)は韓国の領土だ」と言われたら、「いや、日本のだろ」と口に出さずとも、反射的に思うだろう。これは、どこの国の人間でも、その後の行動に違いはあるにせよ、心情的に働く本能である。

  上記から「実は、ロシアの心情を、世界の多数派が、本来共感できる」と筆者は思う。

  しかし、現実は違った反応を見せている。その理由は、「心情に任せた根拠のない行動を、軍事力で無理やり押し通す」やり口だ。

  ウクライナの人々は、長く歴史的に考えれば、ロシアとは全く別の文化を持つ民族だ。その上に、ロシアと同化する程の年月も経っていなかった。従って、「ロシアはウクライナの一部だ」という主張に、論理的な根拠を求めるのは難しい。そんな時、世界各国に却下されて、一旦押し下がるのが.......現代の先進国の対応である。

  その点、竹島は、歴史的にも明らかに日本の領土であって(米国(第三者)からも根拠が示されている)、「竹島人」という日本人とは別の民族が存在しない。ここに、大きな違いがある。

  ただし、今、「竹島が日本領である根拠を述べよ」と突然迫られ、自分の知識だけで示せる者がいるだろうか?調べずにとなれば、専門家以外なかなか難しいだろう。

  少なくとも筆者は、「あなたは、歴史的・国際法の根拠を理由に、領土問題において日本(自国)の領有権を支持しているか?」という質問に対し、100%のYESを返す自信はない。「自国の一部であった領土を、奪われた事実」が存在する故に主張している部分は、否めないからである。

  我々は、「根拠のある、竹島の日本領有権の主張」に「『自国のもののはずだ』という心情」を混ぜて、信じて語っているのだ。だからこそ、たまたま許されているとも考えられる。

  ロシアのウクライナ侵攻という行動自体に、賛成できる部分は全くない。しかし、ロシアがウクライナに侵攻する心情の中には、日本人が北方領土や竹島などに持つ心情と、同質のものが含まれている事は確かだ。

  近頃、ロシアの言動に対して、「異質だ」と感じる機会が多くなってきた。しかし、内面的に包まれている感情は、案外、日本人と似ているのかもしれない。行動で示す品格に、気をつけたいものである。

  最後に。

侵攻による犠牲者が、できるだけ少なく住むことを、祈っています。どうか明日も首都が無事でありますように。




  

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