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はじめての声優学入門*7時限目「喉仏の位置で声の年齢、性別感が変わるのだっの巻」

はい!7時限目やってきましたー。7週連続ちゃんと書いている偉いぞ俺。ところでこのnoteってどれくらいの人が読んでくれてるかyoutubeの再生数みたいなツールがないので「スキ」でしか判断できないのですよね。。連載初っ端の入学式は「スキ」を15ほどつけてもらったのですが、そこから下がり、下がり、ここ数回は2とか(苦笑)こりゃこの声優学の連載はあまり求められていない、役立っていないのではないか。。内容微妙か、つまらないか?と思っている今日この頃です(苦笑)、こりゃ連載打ち切りか、、とも考えたりしますが、しかし!声優学は1日にして成らず、地道に書いていきたいと思います(ポジテぶ)。内容で書いて欲しい事とか、この部分どうなの?とかご意見ご感想ありましたら、コメントでも書いてくれたら参考にさせて頂きたいので宜しくお願いします!

と言う訳で今週の講義は前回の続きで声色に関わる発声器官の2つめ「喉頭」についてです、レッツラゴー!


●声色に関わる発声器官の種類の復習

声色に関わる発声器官は基本下記になります。
①声帯の厚み
②喉頭の位置
③仮声帯の開閉
④口蓋帆の位置
⑤舌の位置
⑥唇の開閉

前回もお話ししたようにこれら以外にもありますが、まずは入門としてこの6箇所押さえていきます。

今日は②の喉頭の位置です。


●喉頭とは
喉頭とはいわゆる喉仏です。
僕の喉仏は結構大きくてはっきり見えるのです。

ここです。女性はアゴのすぐ下あたり。男性より少し上についていることが多いのと、男性ほど大きく鋭角に尖っていないので外から見えにくい。

喉頭の形をもう少しはっきり見せるとこんな感じ。
コップのような形していますね。

紙製の模型で見てみましょう。

喉頭は2つの軟骨でできています。いわゆるみなさんが喉仏と思っているであろう、男性で僕みたいに大きく尖ってよく見えるのが上部の甲状軟骨です。カブトみたいな形なので名前を甲状軟骨(こうじょうなんこつ)と言います。カブトみたいな形してる、と言っても日本の鎧カブトではなく海外の騎士とかがかぶってそうなカブトです。そして甲状軟骨の下にちくわを笹がけに切ったような輪っか状の軟骨があります。これは輪状軟骨(りんじょうなんこつ)と言います。喉頭はこの2つの軟骨からなります。別の模型で見るとこんな感じ。

この模型を前から切った断面がこんな

左右に見える水色のかりんとうのようなものが、上が甲状軟骨の断面で、舌の小さなかりんとうのようなものが輪状軟骨の断面。その間にいるタラコの端っこのような二つが左右にあるのが声帯です。前回の講義で「声帯の厚み」の話をしたと思いますが見ると声帯って厚みがありますよね。

喉頭を上から見るとこのようになっています。

中心にVサインの形でいるのが声帯です。いわば喉頭は声帯のケースと言って良いでしょう。

実際の声帯を見るとこんな感じです。

声帯の前後長は男性で24mm~25mm 、女性で16mm~17mmと言われています。声優コレクションで緒方恵美さんがご自身の声帯は女性にしては長いと言っておられました。

もう一つ顔の横側からの断面でも喉頭の位置関係を見てみましょう。


首の中に水色の棒が見えると思いますが、これが甲状軟骨になります。

さて、この声帯のケースである喉頭がどのように声色に関わるかを見ていきます。


●喉頭の上下位置による声質の違い
それではこちらの動画を見て観てください。

このように喉頭は上下に動きます。もっと細かく言えば輪状甲状筋と言う筋肉や外喉頭筋群などにより斜めに傾いたり後ろ側に入ったりもしますが、まずは上下の動きからで大丈夫です。

喉頭が下がれば声質は低くなり、喉頭が上がれば声質は高くなります。
喉頭の中には声帯が入っています、それがエレベーターのように上下します。喉頭に入っている音源を鳴らす声帯から音が最終的に放射される唇までが楽器でいう「管」の役割をします。

音と管の関係は、この管が長い方が音質は低くなり、管が長い方が音質は高くなります。よって喉頭が下がる事で声帯から唇までの距離が長くなり声質は低くなり、喉頭が上がる事で声帯から唇までの距離が短くなり声質は高くなります。

生物学的に男性と女性を比較すると、女性の喉頭の位置は男性より比較的高い位置にありますのでそもそも声質が高くなります。前回お話ししたように声帯の大きさも女性の方が小さく薄い傾向があるので声帯の大きさも声の高さに影響します。更に女性よりも子供の方がまだ首の長さや口のサイズも大きく成長していませんし、声帯から唇までの距離も短いので子供の声質は男女ともに高い訳です。逆に年齢を重ねていくと年々喉頭を吊り下げている筋肉は衰えてきて喉頭が下がってきますので、男女とも声質が低くなる傾向があります。しかしおじいちゃんおばあちゃんまで来ますと声帯の質量が軽くなりますので声は軽めになります。


●キャラクターにおける喉頭の位置

さてこの生理学的に喉頭の仕組みを知る事で声優技術として声を作る事に役立つ事が想像できましたでしょうか?実際に演じるキャラと喉頭の位置を簡単に記すと以下のようになります。

◯女性が行うキャラの場合
<喉頭位置低め>→大人、落ち着いたキャラ、しっかりもの、強い戦士、少年声など
※具体的な例:唐之杜志恩(PSYCHO-PASS)、セーラーウラヌス(セーラームーン)、エドワード・エルリック(鋼の錬金術師)、釘崎野薔薇(呪術廻戦)、魚谷ありさ(フルーツバスケット)、空条徐倫(ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン)などなど

<喉頭位置高め>→明るく元気な女の子、幼女、妖精系キャラ、身長小さいキャラなど
※具体的な例:鹿目まどか(魔法少女まどかマギカ)、ラフタリア(盾の勇者の成り上がり)、レム(Re:ゼロから始める異世界生活)、キュアサマー(トロピカルージュ!プリキュア)などなど

◯男性が行うキャラの場合
<喉頭位置低め>→大人、落ち着いたキャラ、強い戦士など
※具体的な例:飯田天哉(僕のヒーローアカデミア)、アインズ・ウール・ゴウン(オーバーロード)ペテルギウス・ロマネコンティ(Re:ゼロから始める異世界生活)、銭形警部(ルパン三世)などなど

<喉頭位置高め>→子供、中性的なキャラ、明るいキャラ、チャラいキャラ、妖精的キャラ
※具体的な例:青葉つむぎ(あんさんぶるスターズ)、ドルネル(天城ブリリアントパーク)、御手洗翔太(アイドルマスターsideM)、めいけんチーズ(アンパンマン)などなど


●まとめ
喉頭の位置による声質の変化とその印象をまとめます。

・喉頭位置が低い→高い
1.声質は低く→高くなる
2.性別感は
【漢→男性→アイドル系男子→女性→ボーイッシュ女子→萌え系女子→妖精系】になる
3.年齢感は【高い→低い】になる

まずは自分自身がニュートラルに発声した声がどのような声質かを知って、その位置から演じるキャラの声質を作るには喉頭を上下どちらの方向のベクトルへ動かせば良いかを考える事になります。

実際に僕がレッスンさせてもらった女性声優さんでもいらっしゃったのですが、ニュートラルの声がだいぶ高く細く、かなり「子供系」のもしくは身長の小さい「幼女系」キャラに聴こえるのですがご本人はあまり自覚なかったらしく、アニメに出てくる普通の元気な女子高生を演じようとすると元気な明るさを出そうとするあまり、だいぶ声質が高くなるので子供にしか聴こえてこない事がありました。

その声優さんの場合は本人が思うよりももっと低いトーンにして初めてアニメに出てくる普通の明るい女子高生くらいに聴こえてくるのです。本人的にはボーイッシュなキャラを演じてるくらいのつもりと言っていて、でも実際に演じた声を録音して聴くと確かに目指す声になってると驚いていました。

まず自分の声の現在地を知り、その位置から目指す声色の目的地はどの方向になるのかを考えると迷いません。

例えば新幹線で大阪に行きたいとして、自分が今どこにいるかをわかっていなければ見当違いの方向に乗ることになります。
もし福岡にいるのに自分は東京にいると思ってしまってたら本来は東に進まなくてはいけない所を西に進む事になります。真逆です。

声優さんの発声技術は身体の地図を知る事が大切です。
自身で自分の現在地の判断つかない場合は声優さんの声に強いボイストレーナーや養成所の先生などに聞いてみるといいでしょう。

音声学や発声生理学から考えた「声優学」を学ぶ事で、「自分自身の声の地図」をぜひ作ってみてください!

でわ今回の講義はこの辺で。
8時限目の講義まで各自休憩してくだされ。アディオスパンパミーヨ。






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