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冬から春にかけては柑橘パラダイス 多種多様の柑橘を追いかけよ!

こんにちは。JA全農広報部note編集部員Nです。日本を代表するフルーツといえば「ミカン」。秋ごろからスーパーの店頭には「愛媛みかん」や「有田みかん」「三ケ日みかん」など、いろいろな産地のミカンが並びます。ミカンは柑橘(かんきつ)の仲間で、一般的に「ミカン」というと「温州みかん」のことをさします。冬から春にかけてはミカンのほかにもさまざまな柑橘が登場。今の時期のミカン売り場は大にぎわいとなっています。

柑橘とは
ミカン科のカンキツ属・キンカン属・カラタチ属に属する植物の総称で、カンキツ属とキンカン属の一部を食用としています。産地や市場などでは、温州みかん以外で1〜5月ごろまで収穫される柑橘のことを「中晩柑(ちゅうばんかん)」、ユズやレモン、スダチ、カボスなどを「香酸柑橘(こうさんかんきつ)」と呼ぶこともあります。

ちなみに柑橘の仲間たちといいますと…、

〇カンキツ属
・みかん類…温州みかん、ぽんかん、アンコール など
・オレンジ類…バレンシア、ネーブル、だいだい など
・タンゴール類(みかん×オレンジ)…いよかん、マーコット、清見 など
・ぶんたん類…文旦、晩白柚 など
・グレープフルーツ類
・タンゼロ類(みかん×グレープフルーツ、たんかん)…セミノール、ミネオラ など
・雑柑類…夏みかん、はっさく、日向夏 など
・香酸柑橘類…ユズ、カボス、レモン、ライム など
〇キンカン属

と、こんなにたくさん!各地からいろいろな柑橘が出回るので、柑橘好きな私はこの時期の柑橘リレーに乗り遅れないよう、ついていく日々でございます。

というわけで、さっそく青果売り場に行ってみますと、「デコポン」「せとか」「甘平」がどどーんと並んでいました。デコポンは商品名で、品種は「不知火(しらぬい)」。頭部のでっぱりが特徴で、清見とポンカンの交雑種です。不知火の中でも糖度や酸度などの条件を満たしたものが「デコポン」として販売されています。「大将季(だいまさき)」は不知火の枝がわりで、鹿児島県で発見されたそう。肌がつるんとしてお上品な印象のせとかは甘くてジューシー。ちょっと扁平な形の甘平はつぶつぶとした果肉が魅力で、愛媛県のオリジナル品種です。

もちろん、長年愛されている「イヨカン」や「ハッサク」をはじめ、「はるみ」に「ポンカン」「はるか」「清見」「たんかん」など、多種多様な柑橘が勢ぞろい。そのラインアップはお店によって異なります。
清見は温州みかんとトロビタオレンジの交雑種で、清見×ポンカンからはるみや不知火、せとかは「清見×アンコール」とマーコットから、甘平は西之香(清美×トロビタオレンジ)×ポンカンからと、清見はいろいろな柑橘の誕生にも関わっています。
「はるか」は日向夏の自然交雑種から育成されたもの。見た目は酸っぱそうな印象ですが、食べるとさわやかな甘みでおいしいです。

ポンカンやはるみ、せとかなどは皮がうすく、温州みかんのように手でむくことができます。また、袋(じょうのう膜)も薄いので、そのまま食べられます。甘平はつぶつぶとした実が魅力。私は10年ほど前に初めて食べた甘平が、柑橘ワールドに足を踏み入れるきっかけになりました。

皮は手でむきにくいけど、じょうのう膜が薄くそのまま食べられるオレンジや清見などは、オレンジカップやスマイルカットにすると楽チンです。「日向夏」は白いワタの部分(アルベドといいます)にほんのり甘みがあっておいしいので、リンゴのように皮をむいてアルベドを残してカットするのがおすすめ。果肉の爽やかな甘さと、アルベドの優しい甘さが楽しめます。

ハッサクや文旦のように皮が手でむきにくく、じょうのう膜もかたいものは、ムッキーちゃんやオレンジカッターなどで皮をむくと便利です。黙々と一心不乱に実をとりだし、一気に食べる…、幸せ。包丁で皮をむいて、実をはずすこともできます。

皮むくの、面倒だな…というときは、皮ごと食べられるキンカンはいかがでしょう。キンカンの生産量1位の宮崎県には糖度16度以上の「たまたま」という完熟キンカンがあります。「たまたまエクセレント」は糖度18度以上で大きいサイズを厳選したもの。鹿児島県には「いりき」や「春姫」などのブランドキンカンがあります。
キンカンは皮ごと食べられますが、中に種が入っていることもあるので、気をつけてくださいね。ちなみに種無しの品種もあります。

今年、ミカン売り場をパトロールしていて出合った柑橘たち

興津46号(スイートスプリング×トロビタオレンジ)とはるみから生まれた「あすみ」、清見×興津早生にアンコールを交配して育成された「津之輝」、「はまさき」はせとかの姉妹品種「麗紅」の中で糖度・酸度・外観が特に優れたものをJAからつ(佐賀)がブランド化して販売しているものです。

気になっている柑橘は“にじゅうまる”
今年2月10日に佐賀県から「にじゅうまる」という柑橘がデビュー。佐賀県が約20年かけて開発した新品種で、3月から出荷が始まりました。甘平のようにつぶつぶとした食感が特長で、貯蔵性があって4~5月ごろまで楽しめるとか。まだ店頭で出合えていませんが、食べるのが楽しみです。

柑橘は産地や栽培方法(ハウス栽培や露地栽培など)、時期によって、味わいが違ったりするので、気になるものを見つけたら、ぜひ食べてみてください。今の時期は、樹上で完熟してから収穫し、3月まで貯蔵して熟成させたイヨカン「弥生紅」などが登場します。次のシーズンのお話になりますが、中晩柑のトップバッターとして12月ごろに登場する「紅まどんな」(品種名は愛媛果試第28号)も、ゼリーのようにぷるんとした食感でおいしいので、チェックしてくださいね(贈答用でちょっとおぜいたく品ですけど…)。

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