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一人暮らしの管理栄養士が家で作る、野菜を食べる常備菜

初めまして。全農で働く管理栄養士のSです。
といっても普段の業務では栄養士の資格を活かすことはなく、もっぱら一人暮らしの台所で、詰め込んだ知識をぐるぐるとかき混ぜる程度で完結しているのですが
おかげで、自分のための常備菜レシピのストックができました。
 
その中からぜひおすすめしたいメニューをいくつかお伝えできればと思います。

なぜ常備菜なのか

私は料理好きを名乗る割に平日は出来るだけ台所に立ちたくありません。
洗い物が億劫だし一刻も早くダラダラしたい。YouTubeとか映画とか見たい。
 
というわけで週末、もしくはやる気のある時に一気に作ったものをお弁当に詰めたり家で食べたりして生きています。

野菜の持つポテンシャルを活かしたい

イタリアンバルのキッチンでバイトしていた時に教わったことが、野菜にもうまみ、甘みがしっかりあるということでした。
それまでは、野菜は何かいろいろ味付けしないと物足りないと思い込んでいた私にとってそれは大発見で、今も家で料理をするときはできるだけシンプルに味付けすることを心がけています。

野菜を意地でも毎日食べたい

「野菜は1日350g」とかそんな意識の高い次元ではなくても積極的に摂りたい野菜。
 
買ってきたお弁当も手軽でおいしいし、外食も楽しい。別にわざわざ自分で作らなくてもどうにかなるけど、野菜をしっかり食べるなら自分で作っておくのが一番安くつきますし、
毎日食べるものはシンプルな味のものが自分には一番心地いいなと、なんとなく思うのです。
そんなことを考えつつ普段作っている常備菜たちです。
 
すべて簡単にできるメニューなのでよければ試してみてください。

野菜を食べる常備菜レシピ6

レシピ① キャロットピーラーラペ

材料
にんじん 2本
塩 小さじ1
レモン汁 大さじ1(生レモン果汁なら1/2個分)
オリーブオイル ひとまわし
あれば温州みかん1/2個、オレンジジュース大さじ1でもOK

1 洗った人参の皮をむきます(どっちでもいいけど後でちょっと皮の部分が黒ずむので)
2 その流れで人参の本体を薄くピーラーでそぎます。
3 最後の方の余った部分はそのまま食べます。甘くてうまい。
4 塩を振りかけてさっと和えます。5分くらい置きます。洗い物でもしよ。
5 軽く絞って水分を捨てます。
6 レモン汁とオリーブオイル、オレンジの果汁を加えます。和えます。完成
★ キャロットラペの千切りが面倒でピーラーで済ませたらうまくいったので。
皮膚の新陳代謝を高めるといわれるビタミンEを積極的にとるようにしています。
脂溶性ビタミンなので油と摂ると吸収率がアップ。

レシピ② アーリーレッドのマリネ

材料
アーリーレッド 1個
塩 3つまみ
お酢 100cc
好みで砂糖

1 アーリーレッドは皮をむいて薄切りに。芯はどっちでもいいけどなんか気になるので、私は除きます。
2 塩をもみこみます。5分置きます。洗い物でもしますかね。
3 水分をよく絞ってお酢を加えます。お好みで砂糖をいれても。冷蔵庫で1晩おいて完成。
★ 箸休めにもサラダのドレッシング変わりにも、お肉料理の味変にも。
酸性下でアーリーレッドの色素アントシアニンが安定してきれいなピンクに。
普通の玉ねぎより硫化アリルという辛味成分が少ないのでぜひ生で食べたいアーリーレッド。なにより色がほんとにきれい。

レシピ③ 小松菜のクミンソテー

材料
小松菜 1束
クミンオイル 小さじ1
塩 お好みで

1 小松菜を洗います。根っこのところに土がたまるのでそのあたりをメインにざぶざぶ。
(あくが気になる人は鍋にあく抜き用のお湯を沸かします。塩を多めに。お湯1.5ℓに軽くひとつかみ。湯が沸いたら根もとを漬けて10秒。そのあと全身を沈めます。30~40秒たったら小松菜を取り出してまな板の上に寝かせといてやります。)
2 根本は捨ててざくざくと切ります。4センチぐらい。
3 フライパンにクミンオイル(後述します。オリーブオイルでもバターでもOK)を温めて
 強火でさっと小松菜を炒めます。塩味が足りなければ味見しつつ足してくだい。完成
★ 小松菜のあく抜きはしない方がビタミン類の損失量を抑えられるのであくまでお好みで。あく抜きの時に塩をいれるのはお湯をアルカリ性にすることで青菜の緑をきれいに出すためです。
小松菜のあくは少ないからしなくてもいい工程ですが私はあく抜きした方が好みなので毎度やっています。

★クミンオイル 鍋で温めたオリーブオイルとクミンシードをフライパンで温め香りを移したもの。私は作り置きしています。スパイス屋さんに教えてもらいました。

レシピ④ パプリカのレモンだしびたし

材料
パプリカ 2個
レモン スライス3切れほど
だし汁 200cc(だしの素を溶かした水でもOK) 
塩 2つまみ

1 パプリカをトースターで焼きます。軽く焦げ目がつくぐらい。
2 だし汁に塩を加えます。
3 アツアツのパプリカをだし汁に入れてあげます。レモンを添えて[f1] 完成
★ レモンの酸味で味がしまるので塩は少な目でもOKな減塩メニュー。
味見の目安はうどんのだしより薄いぐらいの塩加減。
 
パプリカは焼くと甘くなります。かわいい野菜ですよね。

レシピ⑤ ブロペペ(ブロッコリーのペペロンチーノ)

材料
ブロッコリー 1株
にんにく 1かけ
鷹の爪 お好みで
オリーブオイル 大さじ1
塩 2つまみ

1  ブロッコリーを子房に分けて塩を多め(お湯1.5ℓに軽くひとつかみ)に入れたお湯でさっとゆでる。
2 にんにくは薄切りに。
3 フライパンにオリーブオイルと2のにんにく、鷹の爪を加えて弱火で熱する。にんにくの香りが立ってきたら1のブロッコリーを加え強火で焼く。焦げ目がつくぐらい。
4 塩で味をととのえて完成。

★ ブロッコリーは下茹でした方がクセがないように思います。
気にならない方は洗ったブロッコリーをそのままダイレクトに焼いてもOK。
茹でてもおいしいブロッコリーですが焼くと焼き海苔みたいな香ばしさがあります。

レシピ⑥ 厚揚げのフレッシュトマト煮

材料
凍らせたトマト 中サイズ2~3個
凍らせた厚揚げ 1パック
玉ねぎ 1/2個
塩 3つまみ
砂糖 1つまみ
オリーブオイル 小さじ1
好みでローリエ 

1 凍らせたトマトを水で洗うと皮が簡単に気持ちよく剥けます。この瞬間がこの料理のハイライトです。
2 厚揚げは好きな厚さに切ります。玉ねぎは薄切りに。先ほどのズル剥けトマトは角切りに。
3 鍋かフライパンにオリーブオイルを加え中火で玉ねぎを炒めます。
4 玉ねぎが半透明になったらトマトを入れます。弱火にします。
5 塩を加えます。砂糖をひとつまみ加えます。
6 厚揚げを加え煮ます。ローリエを入れるならここで。
7 弱火のままで5分。私はお弁当に入れるとき汁気がない方がいいのでもう少し火にかけて水分を飛ばします。完成

★トマト缶よりフレッシュな凍らせトマト。厚揚げは凍らせてから使うと食感が変わり食べ応えが増すように思います。
砂糖は甘くするためではなくトマトの酸味を抑えるために入れます。
厚揚げのコクでメインも張れる一品に。
トマトのリコピンは日焼け止め効果があるといわれています。

番外編

ついでに主菜メニューもひとつ。

コンフィ風ハーブチキン

材料
鶏むね肉 1枚
にんにく 1かけ
バジルなど好みのハーブ 少々
オリーブオイル 適量
塩  3~4つまみ
白ワイン 適量

1 にんにくは薄切りに。すりおろすとより香りが強烈に。これからの予定次第で決めてください。
2 鶏むね肉を耐熱皿に。塩、ニンニク、ハーブ類、オリーブオイル、白ワインをもみこみます(オリーブオイルは肉全体がテカテカするぐらい。白ワインはひとまわし程)。
3 常温で10分ほど置きます。
4 2の皿にラップをかけてレンジ600wで5分ほど
5 アツアツなので触れるくらいの温度になるまで放置
6 完成。好きな厚さに切ります。保存は3の残った液に漬けたままで。

★ 私はたいてい乾燥バジルを使っています。
★ フランス料理の、油で食材を煮るコンフィを簡単にしました。オイルの膜でしっとり仕上がるので鶏ハムより失敗は少ないです。肉を常温に置いておくのは冷蔵庫で冷えた中心部と外側の温度のムラをできるだけ少なくしたくて。その方が外側はパサパサなのに中は生なんてことになりにくいです。私のお腹では30分くらい常温に置いてから加熱でも問題ありませんでした。
出来上がりすぐに切り分けるとまだちゃんと火が通ってないことも。余熱で肉の中心まで火が通ります。
肉のタンパク質は酸性下で固くなりにくい性質を持ちます。アルコールは酸性なので漬け込むことで臭み消しの効果に加え、柔らかく仕上がります。

どのくらい持つか?

私のお腹では①~⑤は冷蔵庫保存5日で使い切って無事に過ごしています。
⑥と鶏はたんぱく質がメインになるので足が早くなるかもしれません。2~3日で食べきるようにしています。

お弁当に詰めてみました。

今週月曜のランチです。厚揚げのトマト煮がお気に入り!

平日で食べきれなかったぶんは土曜の朝ごはんに。

何か一つでも作ってみようかなと思ってもらえるものがあればうれしいです。

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