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秋なので…キノコについて聞いてみた!

こんにちは。広報部note編集部員Nです。

10月ですね。秋ですね。スーパーに行くと…おぉ!!キノコたちが売り場を広げている…。秋の味覚、マツタケも並び始めました。飲食店ではキノコを使ったメニューが登場するなど、秋はキノコの出番が増える時期。そこで、キノコの主要産地・JA全農長野の広報&キノコ担当にキノコについて聞きました。11月11日を「長野県きのこの日」に制定するほどのキノコ王国です。

キノコ一大産地を支える、全農長野に聞く!

「キノコ」について教えてください。

部員N:ところでキノコはスーパーでは野菜コーナーに並んでいますが…

全農長野チーム:園児向けの食育「きのこクイズ」第1問で、「キノコは野菜でしょうか?それとも果物でしょうか?」と出題すると、「野菜」とお答えしてくれるお友達が多いのですが…
「実はどちらもハズレです!!」(←大ブーイング)
生き物は大きく3種類に分かれます。私たち人間のような「動物」、野菜や果物は「植物」、そしてキノコは「菌類」です。キノコを含む菌類は、私たちの体や自然界の中でさまざまな役割を果たしていると言われています。普段の食生活では野菜の仲間として「食物繊維」「ビタミン」「ミネラル」などに注目して取り入れてもらえるとよいのではないでしょうか。

おなじみのキノコたち

部員N:動物でも植物でもなく、菌類の仲間だったんですね。さて、長野県はキノコの栽培が盛んですが、主にどんなものがありますか?

長野キノコ集合写真(左下から株ナメコ、ヤマブシタケ、黒アワビ茸、ブナシメジ、左上からエリンギ、エノキタケ、茶系エノキタケ、バイリング)

全農長野チーム:わたしたちが推すキノコは、おなじみの4種類。

①エノキタケ
全国の6割が長野県産。もちろん長野県産が日本一の生産量です。
エノキタケは鍋や味噌汁の具材には欠かせません。定番の汁物以外にも炒め物や和え物にもよく合います。味付けした加工品は「なめたけ」として親しまれています。
 
②ブナシメジ
全国の4割強が長野県産。こちらも生産量日本一。
ブナシメジの人工栽培は長野県が発祥。肉質は弾力性に富み、歯ごたえがよく、食感にすぐれています。 味にクセがないため、和・洋・中問わず、炒め物、汁物、和え物、揚げ物など、幅広い料理で楽しめます。
 
③ナメコ
全国の20%弱が長野県産。生産量は3位(1位新潟、2位山形)
長野県では古くから栽培され、ツルンとした口あたりの良さとぬめりが特長です。ぬめりはペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維などが主な成分で、汁物や和え物によく合います。
 
④エリンギ
全国の40%が長野県産。こちらも生産量日本一。
もともと日本には自生しておらず、地中海沿岸から中央アジアの山地や草原地帯に分布し、ヨーロッパでは古くから食用として親しまれています。味にクセがなく、肉質が緻密でアワビのような食感が特長。

今、注目のキノコたち

部員N:では、出合ったらぜひ食べてほしい注目のキノコ&特徴は?

全農長野チーム:こちらも4種類、ご紹介します。

①機能性表示食品「長野県JA産えのきたけ」(GABA)
血圧が高めの方もそうでない方も!!いつもの食事に取り入れて。GABAには血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されています。一日当たり摂取目安量は、本品可食部30g(GABA12.3㎎)です。
 
※長野県や信州大学と共同で研究し、機能性表示食品として消費者庁に届出しています。

②大粒ナメコ

収穫後に石づきがついたまま出荷されるタイプで、ナメコの歯ごたえとヌルヌルが存分に楽しめる、キノコ好きには大注目のアイテムです。

③ヤマブシタケ

白いサンゴのような見た目。柔らかい食感で、滋味深い優しい味わいのダシがでます。スープに入れると、ジュワッとしみます。

④バイリング(白霊茸)

手のひらサイズでぶ厚い肉感。お肉に負けない食べ応えがあります。1枚まるごとステーキにぜひ!中華料理のアワビの煮込みに似せたバイリングの煮込みも、ほぼアワビの食感になります。

おすすめのキノコ料理

部員N:キノコといえば鍋料理に入れるとか、おみそ汁の具というイメージですが、地元で定番のキノコ料理や食べ方など、長野県民のキノコ事情を教えてください!

全農長野チーム:長野県民が食べるキノコの量は普通じゃない…ということを、県外のイベントでキノコを販売して気づきました。ご家庭によるかもしれませんが、冷蔵庫にはキノコが常備されているイメージで炒め物、汁物、煮物、何にでも入っています。カサ増しかと思うくらい(笑)。

部員N:な、なんと…!!!何にでも入れていい…。

全農長野チーム:おすすめの食べ方としては…

①キノコの浅漬け

この仕事を始めてから知った、まさかの「浅漬け」。キノコ(何でもよい)をレンチンして、キャベツやキュウリなどお好みの野菜と浅漬けの素で漬けるだけ。夏にキノコをおいしく食べる技です。

*レシピはこちら

部員N:キノコは漬物もいけるんですね。しかも簡単!

②きのこMIXなめたけ。食べやすい大きさに切ったキノコを煮るだけで、簡単に作れます。

*レシピはこちら

部員N:エノキタケ以外のキノコも入れちゃうんですね。そしてこれもまた簡単!(ズボラ族にはうれしい)

③全農広報部note読者だけに、特別に「全農長野特製きのこ汁」のレシピをご紹介します。キノコ汁を食べ慣れている長野県民から「おいしい!」と評判のレシピ。ただし、200杯分です。

部員N:えっ…!!!?に、200杯!??

全農長野チーム:不思議と大鍋で作るとうま味が増すように感じます。キノコ汁の振る舞いは鉄板の販促企画なんですよ。ご家庭では1/50量くらいでお試しくださいね!

全農長野直伝レシピ
(直径40cm、高さ40cmの寸胴鍋の量)
キノコ(数種類あわせて)10~12kg
顆粒だし 60g
みそ 3.5kg
水 20~24リットル
(1)ブナシメジ、エノキタケは水から入れて沸騰させます。
(2)その他のキノコを入れて、再沸騰したらみそと顆粒だしを加えます。
(3)最後にナメコをいれます。お好みで、油揚げ、長ネギなどを加えます。

全農長野チーム:キノコは「水からいれて沸騰させる」「できるだけ多くの量と種類を入れる」、これがキノコのおいしいだしが出るポイントです。

キノコにまつわるQ&A

部員N:せっかくなので前から疑問に思っていたことも、聞いちゃいます。

Q.エノキタケなどの根元についているボロボロとした茶色いものは何?

A.おが粉(おがくず)など「培地」に使用する資材です。キノコは菌類のため、土ではなく栽培用の瓶におが粉や粉砕したコーンコブ(とうもろこしの芯を砕いたもの)で作った培地を詰めて栽培します。
※全農長野のHPで栽培の様子を詳しく紹介!おが粉や培地のこともわかります。

エノキタケができるまで

ブナシメジができるまで

Q.キノコは洗う?洗わない?

A.衛生管理された屋内施設で栽培されるキノコには虫や枯れ葉などはつきません 。また、必ず加熱して調理するため、洗わなくても大丈夫です。栽培に使用するおが粉などが付着している場合がありますので、石づきを切り落とした後、よく取り除いてください。気になる場合は、軽く水洗いしてください。洗いすぎると、うま味成分や水に溶けやすい栄養成分が流れ出たり、キノコが水を含んで料理の仕上がりが水っぽくなったりすることがあります。

Q.パックに入ったナメコと株ナメコの違いは?パック入りのナメコは洗いますか?

A.パックに入ったナメコは水洗い不要です。パック入りのナメコは出荷前に洗浄していますので、オガ粉などがついていなければそのまま調理できます。株ナメコは軽く洗ってください。ナメコは、洗うほどぬめりが出ます。

Q.「このキノコならこの料理!」というように、キノコの種類によっておすすめ料理はありますか?

A.和・洋・中、煮る・炒める・炊く・揚げる・蒸す、とさまざまなメニューに合わせやすいのがキノコの最大の特徴です。キノコのうま味や栄養は水に溶けだしやすいので、汁ごと食べられる・汁が出ないメニューがオススメです。必ず火を通してお召しあがりください。キノコはすぐに火が通りますが、100gあたり加熱1分程度が目安です。

Q.以前、地元で定番のご飯のお供を聞いたら「なめたけ」と教えてもらいました。なめたけ、よく食べるのですか??

A.職業柄かもしれませんが、すっごくよく食べます。ご飯にかけるのはもちろん、炊き込みご飯、卵焼き、納豆、豆腐、野菜と和える、などバリエーションを利かせた食べ方ができる、心強いご飯のお供です。瓶入りのものを購入することが多いかもしれませんが、キノコを切っておしょうゆやみりん、砂糖などをお好みの加減で煮るだけと簡単に手作りできるので、試してみてください。

部員N:ご飯にのっけるくらいしかやったことがありませんでした。そんなにバリエーションがあるなんて…おそるべし、長野県民のみなさま!

全農長野チーム:県外のお客さまと話していると「ナメコ」と「なめたけ」を混同している方が意外に多いです。「ナメコ」はナメコ汁に入れるナメコ、「なめたけ」はエノキタケで作る加工品です。なめたけといえば、瓶の形が特徴的ですが、瓶の肩がなで肩なので、箸で出しやすいと思いませんか?

部員N:た、たしかに!そういう理由があったんですね!(やさしい〜)

Q.キノコを上手に食生活に取り入れるポイントやコツがあれば教えてください。

A.食べ方がわからない、ワンパターンになってしまう、などの声を聞きますが、何に入れても邪魔をしないのがキノコです。例えば、野菜のゴマ和えを作るときにキノコ、ハンバーグにみじん切りのキノコ、カレーやシチューにキノコ、とりあえず加えてみてください。味の幅が広がると思います。もちろん、エネルギーを抑えて満足感を得る「カサ増し」にもなります。

部員N:それは…ダイエッターの身であるわたしにぴったりの食材ですね!カロリーを抑えつつ食べ応えがあって、キノコの栄養もとれちゃう。

全農長野チーム:スーパーに並ぶキノコの大半は施設栽培で、価格が安定しています。年間をとおしてご愛顧ください。あっ!キノコが余ったら、使いやすいサイズにカットしてチャック袋に入れて冷凍してくださいね。解凍しないでそのまま使えます。

部員N:キノコ…何に入れても邪魔しない。価格もお手頃で、栄養がある。なんて懐の深いヤツなんでしょう。ぜひ、毎日の食事に取り入れてみます!ありがとうございました。

というわけで、キノコのある食生活に挑戦! 

いつもの料理にキノコをプラスしてみました。

全農広報部【公式】Twitter「日本の食を味わう」の好評レシピより。
ズッキーニの姿焼きにエリンギ(ジャンボ&ミニ)を添えてみた。エリンギのうま味がじゅわっと。シンプルに焼いて塩こしょうでもおいしい。じゃこピーマンにブナシメジを投入。エノキタケやマイタケでもいいな。

なめたけの炊き込みご飯…うま。おみそ汁に入れたヤマブシタケは不思議な食感

N家で定番の料理にもキノコをプラスしてみました。小松菜の煮びたしにホンシメジ。まず姿がかわいい。里芋とベーコンの炒め物にえのきたけ。里芋のねっとり食感とエノキタケのシャキシャキ感が楽しい。富山県民おなじみの塩昆布あえ(富山県民は「さ◯◯み」と言う…それは商品名。ですが、塩昆布をさします)。浅漬けがいけるなら塩昆布あえも…あり!

*レシピメモ

・里芋とベーコンの炒め物
里芋は棒状、ベーコンは細切り、エノキタケは石づきを落として2~3等分する。オリーブオイルでベーコン、里芋、えのきたけの順に炒め、里芋が透明になったら塩こしょうで味付けして完成

・キノコの塩昆布あえ
エリンギやブナシメジなど、お好みのキノコを食べやすい大きさに切ってさっとゆでる(もしくはレンジで加熱する)。袋にエリンギと塩昆布を入れて、しばし置く

食と農のマガジン「Apron」の「なるほど全農」で、キノコ博士でもある東京農業大学の江口文陽学長にキノコの力や魅力についてお話を聞きました。その際、食べ方も教えてもらったのですが、Apronで紹介しきれなかったので…。

・エノキタケのベーコン巻きと酢の物
食物繊維が豊富なエノキタケはカリッカリッとした食感で、肉類と相性抜群。ベーコンや薄切りの牛・豚肉で巻いて焼くととてもおいしい。ワカメとキュウリの酢の物に入れても、コリコリ食感がアクセントになっておすすめです。エノキタケはゆですぎると弾力性が強くなるので、食感を生かすのであればさっとゆでましょう。

・マイタケはお肉といっしょに
マイタケはタンパク質分解酵素を含んでいるので、一緒に漬け込むと硬いお肉をやわらかくしてくれます。そこでパサつきがちな鶏むね肉と一緒に調味料に漬け込んで、照り焼きにしてみました。豚もも肉もOK。ちなみに、マイタケを茶わん蒸しに入れると固まらないので、マイタケを20秒ほど電子レンジで加熱してから加えるとOKです。

食と農のwebマガジン「なるほど全農」キノコのある食生活【菌食のススメ】

※「ふるさと探訪」でJA秋田ふるさとの菌床生シイタケを紹介しています。キノコレシピも参考にしてくださいね。

キノコがたくさんに手に入ったときは…

全農長野チームやキノコ博士の江口学長も話していましたが、キノコがお手頃価格だったときや食べきれないときは、使いやすい大きさに切って冷凍したり、天日に干したりして保存することができます。

①冷凍する
冷凍するとキノコの硬い細胞壁が壊れ、うま味成分が出やすくなります。使いやすい大きさに切ったりさいたりして袋に入れたら、なるべく平らにして冷凍。料理には解凍せずにそのまま使えます。いろいろな種類を混ぜて、キノコミックスにしても便利です。

②天日で干す
シイタケは天日で干すとビタミンDが増え、うま味も凝縮。軸からもだしが出ます。カビないようにしっかり乾燥させて、使うときは水戻しします。
 
天然のキノコも並び、一年で最もキノコ売り場がにぎわうこの季節。どんな料理にもあう万能選手で、栄養はあるけどカロリーは低い。そんなキノコたち、みなさんもぜひ食卓に取り入れてみてください!
 
キノコについてもっと知りたい!という方は…
信州の『キノコ』をおすすめ!信州力ドットコムをご覧ください。

*お知らせ
10月22日に銀座三越で開催する「みのりみのるマルシェ『秋の大収穫祭』」に、長野県産エノキタケ、ブナシメジ、エリンギ、ヤマブシタケ、黒アワビ茸が登場します。ほかにもキャベツやズッキーニなどの野菜セットや、ブドウ、柿、ミカンの果物セットをはじめ、全国各地から旬の野菜や果物がそろいます。
 
みのりみのるマルシェ「秋の大収穫祭」
令和4年10月22日(土)銀座三越9階テラス
10:00~18:00

(おまけ)部員N、キノコの思い出…

子どものころ。お母さんが作ってくれるキノコの炊き込みご飯といえば、灰色の傘の「シメジ」が定番でした。大人になり、自分で作ろうと思ってスーパーにいくと、「シメジ」の名で並ぶのは「ブナシメジ」(写真中左上のキノコ)…。あれ?わたしの記憶の中の「シメジ」と違う…そして記憶にある「シメジ」はあまり見られない…なぜだ。あれは幻だったのか…???

と思っていましたら、かつて「シメジ」の名で売られていた灰色の傘のキノコは「ヒラタケ」だったそうな。えー!

シメジといえば、ブナシメジ、ハタケシメジ(丹波しめじ:写真左下)、ホンシメジ(大黒本しめじ:写真右下)と店頭に並びますが、ブナシメジはシロタモギタケ属、ホンシメジ・ハタケシメジはシメジ属と違う仲間です。

それにしても、ヒラタケの炊き込みご飯。しみじみうまい…。

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「スーパーで出合ったキノコたち」

Model:ブナシメジ、トキイロヒラタケ、ナメコ、マッシュルーム(ホワイト、ブラウン)、ヒラタケ、ホワイトブナシメジ、菌床シイタケ、ヤマブシタケ、大黒本しめじ、ハナビラタケ、エリンギ、マイタケ、丹波しめじ、白マイタケ、かきのき茸、タモギタケ、ヤナギマツタケ、黒アワビ茸、エノキタケ、茶系エノキタケ
※バイリング、生キクラゲ(いつもはあるのに売り切れなんて!)、コプリーヌ(ササクレヒトヨタケ)は店頭で出合えず…残念。