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#35 「災害時の通信手段」

5月26日の19時頃にも千葉県東方沖を震源とする震度5弱の地震が発生しました。5月頭の石川県での地震以降、首都圏、新島近海、トカラ列島近海と比較的大きな地震が相次いでおります。
地震国日本で生活をしている限り、地震は必ず起こるもの、という前提とそれに備えた平時の準備が大切です。地震が続くことで、お近くのホームセンターでも「防災関連グッズ」を扱うコーナーを設置したりしているかもしれません。備えあれば憂いなしです、平時に出来ることを粛々と進めて参りましょう。

■携帯電話や衛星電話だけで大丈夫?

更新が途絶えてしまいましたが、善光会のスターリンク導入に関する事例について今回は書きたいと思います。
東日本大震災でも経験していますが、携帯電話も固定電話も回線の大部分が、警察、消防、自衛隊等の公共機関が使用することからパケット通信を含め、情報の入手や発信に、大きな制限を受けることになります。衛星電話は、かなり以前から災害時の有効な通信手段として重宝されておりました。

私は、前職の大手自動車会社の危機管理対応として、世界各地、日本国内各地の危機管理拠点や事業所と衛星電話回線を設定する訓練を実施してまいりました。衛星電話は、衛星電話間だけでなく、衛星電話から携帯電話、固定電話にも通話回線をつなぐことも可能です。そのため、衛星電話の有効な使用法が確立していると心強い装備になります。また、機種によっては、データ通信や写真伝送なども可能になっています。
しかしながら、衛星電話本体の購入、毎月の維持費、通話料金の負担など、予算的に大きな支出を覚悟しなければなりません。それでも生産や物流、従業員の安全確保等の観点から情報共有に必要だと判断できる大企業だと、衛星電話の装備は可能なのでしょう。

■IP無線機やMCA無線機の普及


災害時の通信手段として、衛星電話の他にIP無線機やMCA無線機が普及しています。IP無線機とは、携帯電話のデータ回線を用いて通信を行う無線機です。IPとはインターネットプロトコール(Internet Protocol)の略称で、携帯電話のパケット通信網やWi-Fi無線機のパケット通信機能で音声を伝送する仕組みです。IP無線機は通信範囲が飛躍的に向上し、日本全国どこでも通話が可能で、障害物で電波が途切れることも回避します。
また、MCA無線は、日本各地にある制御局より電波を発信させて、それを受信できるエリアにいる無線機同士が通信可能なシステムで災害に強く官公庁でも広く導入されているシステムです。本体の購入や通信費用の捻出を考えると予算上の考慮が必要な装備になるかもしれません。災害時に通信インフラが破壊されない程度の災害であれば有効な通信手段となるでしょう。

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