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手塚治虫パンデミックを予言!世界の闇を暴露?

今回は「サンダーマスク」お届けいたします。

本作はあんまり好きじゃないので
本当は取り上げるつもりがなかったんですけど…

今、巷で話題になっているので取り上げてみました。

決してお世辞にも面白いとは言えないこの「サンダーマスク」が
今頃、なぜ巷で話題になっているかといいますと…

ほれ…みてください。

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モロですよね。
どうやらこのページが手塚治虫が「令和の厄災を予言」したと話題になったわけであります。

今回は手塚治虫が本当に予言していたのか
これは何かの暗示なのか本編を通してご紹介していきますので
ぜひ最後までお付き合いください。

それでは本編行ってみましょう・

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さて今回のこの話題ヤフーニュースにも取り上げられております。
なぜ今更?
しかも「サンダーマスク」って聞いたことないんだけど?
それが何でヤフーニュースに?
って方が大半だと思います。

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これはですね、復刊ドットコムにて「サンダーマスク 《オリジナル版》」が
なんと2022年の3月23日に復刻発売されるので
おそらくこれの関連のこのご時世に再発見されたのだと思います。

復刊ドットコムと言えばこれまで『鉄腕アトム』『火の鳥』『奇子』
『三つ目がとおる』など名作のオリジナル版を復刻してきていたのですが
なぜここへ来て「サンダーマスク」をチョイスしたのかさっぱり分かりません。

これ売れるんかな? …ってこっちが心配するくらいのチョイスです(笑)

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ここでちょっと「サンダーマスク」とはどんな作品なのかご紹介しますが
メインの手塚先生の予言の件についてのみ知りたい方は後半でお話しますので作品詳細なんてどうでもいい方は飛ばしてお進みください。


さて本作は
19972年から1973年まで
「週刊少年サンデー」にて連載された作品であります。
ストーリーは
宇宙から落ちてきた隕石にはガスが入っていて
そのガスは生きているガスだったんです。
そしてそのガスに動物や人間のように肉体をあてがうと「サンダー」という鳥人間のような姿に変身します。

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そしてこのサンダーにも宿敵がおりましてこいつを「デカンダー」って
呼ぶんですけど、こいつも同じガス状の宇宙生物で
地球にやってきて活動するための肉体を探していたんです。

この「サンダー」と「デカンダー」の存在の秘密は「バイブル」と呼ばれる歴史の文字盤に書いてありそれを探すのですが、
さぁ一体この謎のガス生命体はなぜ地球に来たのか
その秘密とは一体何か?

というあらすじとなっております。


この作品は色々と曰くつきの作品でありまして
まず特撮テレビヒーロー番組の企画が最初に立ち上がり、
手塚先生はそのヒーロー番組と同じキャラクターを主人公としたオリジナルマンガを雑誌に連載するという、
非常に珍しいコンセプトで連載が決まった作品だったんですね。

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…ですがテレビで放送された特撮ドラマとマンガの共通点
基本設定とサンダーマスクのデザインと名前が同じというだけで、
それ以外はまったく別の物語でスタートします

なので特撮の方の「サンダーマスク」しか知らない方は
マンガ版の内容を聞いてなんだそれ?…ってなると思います。
そりゃあそうですよね、だって内容全然違うんですもん(笑)
まぁそもそもテレビ放送とマンガ連載を並行してやっているわけですから同じもの作れるわけないんですけどね(笑)

これ結構知らない方も多いと思いますので
特撮の原作でしょ、と勘違いされてる方多いのではないでしょうか。


特撮の内容はウルトラマン、仮面ライダーのような王道特撮です。
特撮ブーム、怪獣ブームの影響もあって平均で15%くらいの視聴率があったそうで人気はありましたが予算の関係上止む無く半年で終了しちゃいます。

実はこの後が大変で権利関係を巡るゴタゴタが勃発
事実、制作に携わった関連会社がたくさんあったようで権利関係はかなり細かく複雑だったようです。

一方の手塚先生自身も虫プロが倒産してゴタゴタの極みで
漫画家生活において最大のスランプ時期でありました。


『週刊少年サンデー』とは1968年に「どろろ」の連載が終わってからは、
ほとんど掲載なし。
「サンダーマスク」の前に久しぶりに連載した「ダスト18」(1972年)も
人気がなく18のエピソードを書くつもりが8エピソードで終了したため
タイトルが「ダスト8」になっちゃったり
明らかに落ち目、まさにどん底の時期だったんですね。


そんな大変な環境の中で描かれたのが本作「サンダーマスク」なんですね。
なので面白いわけがありません(笑)
まぁ設定は面白いんですけど内容は賛否ありますけれども
やっぱり「面白くはありません」
ここら辺は好みあるんでしょうけどうーん、、イマイチですよね。

事実、手塚先生自身も本作を駄作認定しており
ほぼ同時期に描かれた「アラバスター」とこの「サンダーマスク」だけは
再販もしないとまで言わしめたほど嫌っています。


「アラバスター」については嫌いと言いながら全集版発売の際に200ページも改編、修正しているのでボクは絶対嫌いじゃないと思っているんですが
本作についてはマジで嫌いだったと思います。

なぜなら…

この全集には先生直々の「あとがき」がつくんですが
これが、死ぬほど短い(笑)

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何コレ?見た事ないレベルで短いです。
思わず笑っちゃうレベルです。
恐らく語ることなんて微塵もなかったんでしょう。


そして残されているカラー原稿なのですが
これが表紙のコレ一枚しかないんです。

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連載第1回の扉絵の1枚のみです

だからすべてこの絵の使いまわしです。
こんな手塚作品今まで見た事ありません

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これは手塚作品においては極めて珍しいことです。
一枚って、、、もうやる気完全にないですね、
しかも改編修正大好きな手塚先生が一切、手をつけていないというのも珍しい。これはもうマジで嫌いだったんでしょうね。


設定が悪くはなかったんで勿体ない気もしますけどね
「バイブル」というアカシックレコード的な発想の
ワンピースのポーネグリフの元ネタになったようなモチーフや
ガスが生きていて形あるものに乗り移って変身する件や
お得意の溶けて無くなる描写など見張るべきところはあるんですけど

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同時期に「ブッダ」「奇子」「鳥人大系」描いてますから
それらと比べちゃうと総合的にはやはり格段に劣る作品になっちゃいます。



さて…やっとここから
「手塚治虫が予言」したんじゃないかという件に触れていきますが

この「オミクロン」ですがモロですね。

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そして「人類が増えすぎたのでこのままでは滅びる」
だから新たなる楽園を築き上げさせたまえ」
って
これグレートリセットの事言ってるように見えますよね。
これはなかなかに刺激的な内容です。

ちなみに本編におけるこのシーンですけど、こいつら
後半にいきなり出てくる秘密組織なのでありますが
本当にここだけに出てくる意味不明の秘密組織なんです。

「サンダー」の敵の「デカンダー」をかくまっている悪の組織なんですけど
なんでかくまっているかも良く分からないかなり不自然な組織です(笑)
ちょっと強引なので意図的な怪しさも感じなくもないと言える気もしますが…。

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名前のオミクロンについてはギリシャ文字から引っぱってきているので偶然だと思いますが、むしろ現実社会の967の方が途中からなぜギリシャ文字の呼称を始めたのかって方が個人的に不自然を感じてますけどね。

変異株ってこれまでイギリス株、インド株など、最初に見つかった国の名前を使って呼ばれていましたが、WHOは差別や偏見になるとして、
途中から意味を持たないギリシャ文字で表すことになったんですね。
見つかった順にアルファ株、ベータ株、ガンマ株といった具合です。
これまでミュー株までの12種類の変異株が見つかっていましたが、
今回はミューの次のニューとクサイを飛ばしてオミクロン株になったんです 「ニュー」と「クサイ」どこ行ったん?

これは
「クサイ」は英語では「xi」と表記するから中国の習近平国家主席の「習」と同じつづりになることから、WHOが中国に配慮して「クサイ」を
除外したそうですけど、まぁ言い分は何とでも言えますよね
隠しても両者のズブズブの関係が見えちゃってますよ。
WHOなんて中国の…(おっとこれ以上は止めておきましょう)
この辺りの偶然と絡んでくるとなんだかキナ臭さ感じますけどね。

そしてこのオミちゃんの秘密組織の身なりなんてもうアレじゃないですか。
クークラックスクラン(KKK)ね。

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この人たちもね、
ある意味これだけ顔隠れてたら万全の967対策ですね。

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…とまぁこれら含めても恐らく色んな偶然が重なって手塚先生の
「予言」めいたものに見えちゃったのだと思いますけど
恐らく今回の件は何の関係性もないと思います。


しかし、今回…
ちょっと改めて読み返してみてびっくりした事がひとつあったんですね。

それがコレです。

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オミクロンという組織の事を聞かれた手塚先生(キャラの中で)は

「なんだいそいつは?石屋の団体かい?」

…と答えているんです。
普通オミちゃんからこんな返し出てきます?
石屋って石工職人ってことですよね。

これ以上は言いませんが
手塚先生もしかしたら知っていたかも知れませんね。
…というわけで都市伝説ですよ、あくまでもファンタジーです。

エンタメのひとつとして楽しんで頂ければ幸いです。


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