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余談

"政治家は法律を作るのが仕事。でも実際は政治家が「法」を作って、省庁が「規則や省令」を作って場合によっては自治体が細則を決める。"    "この省庁や自治体が細かくやりすぎるから実態に合わずみんなの不満が溜まる"   "政治家の責任というのは、法を作りっ放しではなく、省庁・自治体の細則に至るまで最後にチェックして法の趣旨に沿った受け入れやすい細則なのかを見極めるところまでが「政治家の責任」ですよ。"

昔こんな話を消滅してしまった政党の党首に言ったことがあります。そこの顧問をしていたので。ZENJIROは前職は経済分野が専門で、通産省や厚生省などには何度か意見を請われて足を運んでいました。医療の国際化についても審議官さんに意見を求められたこともありました。

日本はドイツなどの大陸法を見習って明治時代に法整備しました。今では多くの国が採用している英米法とは異なって、事細かに限定列挙していくような法律です(形式基準的ですね)。その結果どうなったかというと160年経った今では、法律だらけ、政省令だらけで使えない死蔵品のような規則が山のようにあります。英米法は原理原則だけ決めて実情に応じて合理的に判断していくというような柔軟性があります(もっとも必ずしもそうではない事例も多くありますが)。

キッチンカーの施設基準で書いたような顛末は自治体の問題というよりもこの法体系にも原因があります。HACCPというルールは食品などの汚染要因をリスク要因ごとに分解して適切な施策を打って、それを計画・実行・結果評価というサイクルで回していくことが前提で、極めて英米法的な実質基準です。一方で日本の食品施設の施設基準は従来の大陸法のやり方そのものの形式基準を踏襲しています。「HACCPは国際的な流れで採用するけど、施設基準も形式基準で残すからね。」という中途半端さがあるので現場は混乱する訳です。

政治家は「細則に至るまで立法責任を負う」のが筋ですよ。

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