自宅マンションを買うときに気を付けること【後編】

では前回の前編に引き続き後編をお送りします。

残債割れをしないマンション

トータルで考えた時にフルローンを組んで残債割れをしないマンションを購入すればほとんどの問題が解決します。
例えば家を購入したけど転勤が決まった。夫婦二人に子供が産まれた。両親が病気になり実家に戻らなければならない。離婚をした。
例え一生住むつもりで購入した自宅も、どんなきっかけで手放すことになるかわかりません。
そんな時にすぐ買い手がつく、価格が維持できて残債割れが防げるマンションにしていればすぐに手放す事ができるのです。

例えば、現在の変動金利の水準で考えて

・5,000万円
・35年
・金利0.5%

のフルローンで購入したとしましょう。
月々の返済額は約13万円
10年払い切ったところで残債は約3,660万円です。初期費用や維持費、売買にかかる手数料等も考える必要はありますが、4,000万円(1,000万円=20%の下落)くらいの値段で売れれば手元に現金が残る可能性さえあるということです。
家賃で15万円(ローンと維持費)払って10年後に大家さんから数百万円の引っ越し祝金をもらう、そんな事がありますか?
分譲マンションではそう言うことも可能性があるわけです(低金利の恩恵を受けていることは頭に入れておきましょう)

マンションを買う際に必ず頭に入れておきたいのが上記「リセールバリュー」です。
モデルルームを見たりすると気分は高揚し、買いたい気持ちが高まります。間取りや設備にばかり目が行くでしょう。しかしそこにリセールバリューと言う項目を是非入れましょう。
出口を見据えて購入したいものです。

与信

マンションを購入するのに普通の人が利用するのが住宅ローン。
住宅ローンについては詳しくはこちらを。


加えて話すならば与信です。借りる人の属性によって住宅ローンは借りれる金額、借りれる利率が変わってきます。
大きな企業であればあるほど、堅い業種であればあるほど、勤続年数が長ければ長いほど、借りれる金額は大きくなります。
また、健康でなくなると住宅ローンを組めなくなる可能性もあります。借りる事ができても有利な金利は望めません。

新築がいいのか中古がいいのか

あなたは新築のマンションと築浅の中古、どちらに住みたいですか?
日本人は圧倒的新築支持派です。
その為中古の選択肢が「全く」ないことが多数です。
私も初めの自宅購入時には「新築」しか選択肢がありませんでした。
しかしトレンド、状況はその時代によって違います。
現在は新築のマンションの価格が「暴騰」と言えるくらいの高値になってきています。
(この「暴騰」は一般の会社員の所得に比べて、です)

新築のマンションの値段を決めるのは

・土地の価格
・建築費(材料費、人件費)
・販売管理費
・利益

の積算です。

現在の新築マンションは土地の価格の高騰と建築費の高騰によって「暴騰」しているのです。
給料の額がなかなか上がらない中、見えないところでの可処分所得の減少もあり、デベロッパーとしては上記の理由での価格転嫁がなかなか難しくなってきています。
とは言え価格の決まり方がこのような方式であり、それほど暴利を貪っているわけではない中どうするのか。取る手段は
・一つの住戸の面積を狭くする
・設備仕様を落とす

です。

そう考えるとまだ原価に余裕のある時に建てられたマンションはこの辺が「改悪」になっていない事があるわけです。
低金利がマンション価格を押し上げている、とも言われますが、低金利は上記の積算法で出てきた高価なマンションを買える可能性を広げているだけです。
低金利、共働きの増加が、「狭くない」「設備仕様の落ちてない」「駅近の」一部の高価なマンションを買う事が可能になっているだけなのです。
ですから売れるマンションと売れないマンションの二極化が進んでいます。

中古マンションの価格

新築マンションは「原価の積算」方式で価格が決まってきます。
それに対して中古マンションは「需要と供給」で値が決まってきます。人気投票で価格が決まってくるわけです。
いくら新築時に値段が高くてもその後買いたい人がいなければ値段は下がってしまうのです。もちろん逆もまた然り。

新築が値上がりするとどんな事が起こるか。中古マンションもそれに釣られて値上がりしてきます。
「高くて新築買えないや〜」と言う人が中古に流れていくからです。需要と供給で決まる中古は新築価格の高騰に引っ張られるのです。
が、ここでは人気物件(エリア)とそうでない物件とで大きく差がついてくるので注意が必要です。

となると最適解は

価値のなるべく下がらないマンション(新築なのか、中古なのかはその時の市場や好みによる)をなるべく早いうちに買う


になるでしょう。ローンを組んで家を買うのは怖いでしょう。いつ買ったら良いかも悩むでしょう。
買うのは今、なのです。とりあえず買って、ライフプランに合わせて買い換える。人生史上一番若いのが今なのは間違いないのですから。
そのためには物件をきちんと選んで、家計をコントロールする必要があるのは言うまでもありません。

そしてその目利きができない人は労力を使って調べ、お金を払って専門家に相談すべきだと私は思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?