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『未来に先回りする思考法』を読んでみた‼

 この本の著者、佐藤航陽(サトウ カツアキ)氏は、人工知能、仮想通貨、ロボット、宇宙関連事業を手掛ける経営者です。テクノロジーの最先端分野で、次に何が来るのか?を大胆に予測しながら事業展開している若き経営者でもあります。彼を知ったのは、YouTubeの「ナオキマン・ショー」にゲスト出演している時でした。とてもクレバーな考え方に興味をもったのです。そして、たぶん本を出しているだろう?と思いアマゾンで検索したら、この本がヒットして購入した次第です。2015年に出版された本で、既に9年も経っていますが、示唆に富んだ内容になっています。
 私は、よくYouTubeを見るので、出ている人に興味を持った時は、必ず本を出していないか?アマゾンで検索をしています。そのおかげで本の購入が増えてしまい、積読の本が増える一方です。(笑)

未来予測の全技法

時代は「PDCA」から「DCAP」へ⁉

 よく仕事をするうえで大切なのは「PDCA」をマスターして回す事だと、多くのビジネスマンは、教わっていると思います。
PLAN=計画
DO=実行・実績
CHECK=評価・気付き
ACTION=改善策
 しかし、現実はPlan(計画)の段階で躓き、実行に移せないまま時間だけが過ぎていく。そんな経験をしている人も多いかと思います。けっこう、計画を立てるのが苦手な人も多く、仕事で与えられた目標やノルマをどのように達成するか?の計画を逆算して立てられなくて、甘い計画をアバウトに立てて、その通りに行かず、結果を反省させられるが、改善はしない!という日々で年数だけが過ぎていく。これを書いている自分も経験者です。(笑)
 そして、現在はDCAP(ディー・カップ)という話しですが、変な想像はしないでください。(笑)つまり、計画を立てている間に、ビジネス・チャンスを失うので、「行ける!」と思ったら、まずDo(行動)をして、Check(評価)して、Action(改善策)を練り、次の一手をPlan(計画)するのが、今のやり方になっています。


「リーンスタートアップ」でも勝てない時代へ⁉

 この「リーンスタートアップ」という聞き慣れない言葉の概念は、「未来予測」を捨て、それは、変化のスピードが早すぎて計画が立てられないケースが多い為、変化が起きた瞬間、即座に対応し、修正を重ね、変化に対応する。という考え方なのですが、TVニュースを見ていると、対応が遅いと感じる事がしばしばあります。たまに、国会中継をYouTnbeで見る事がありますが、眠たくなるような答弁で内容もないので、倍速で見る始末です。
 今の時代は、変化に対応できた者が生き残る。そんな時代になっているという認識が必要です。過去の成功者のやり方をなぞっていては、「成功はおぼつかない!」という現実です。つまり、変化の波に乗り、波の行きつく先を見通す先見力が必要になります。難しい言い回しになりましたが、今まで点で捉えていた事象を線で捉えて、先手を打つ手法です。それを実践してきたのが「GAFA」と言われるビッグテック企業なのです。変化に『先回り』した企業が、利益を上げていく時代になったのです。
 最近の例を見てみると、まさに「EV車」が当て嵌まると思います。実は「SDGs」を取り込んだコンセプトで、イーロン・マスクの立ち上げた「テスラ」が成功し、その後は右ならヘと大手自動車メーカーが参入した結果、EV車の欠点も露わになり、すっかり人気の陰りと共に、売り上げも急降下という現実に晒されています。しかし、このEV車の波に乗り遅れたイメージのトヨタが、次世代カーを提示して「面目躍如」という事が起きていました。豊田章男社長は、EV車は一過性と見抜いていたのです。

「必要性」から始まるイノベーション!

 最近は、イノベーションという言葉をよく耳にする機会がありますが、日本語では「技術革新」と訳されています。このイノベーションの恩恵を多くの人が受けています。それは、どんな恩恵なのか?歴史を振り返ってみると、電気通信が分かり易いと思います。あらゆるモノが電気で動き、通信も電話が携帯になりスマホになりました。また、インターネット網によって、情報にアクセスするのが容易になりました。逆にスマホやインターネットを敬遠する人は、「情報弱者」と呼ばれ、情報量の少なさが社会的な弱者になるという現実に直面しています。
 最先端のモノが一般化された時は、世の中のスタンダードになってしまうので、「機械が苦手」とか「流行り物は好かない!」といった個人的な考え方や嗜好は、周りに迷惑を掛けてしまう時代になってしまったのです。時代遅れとか言って、笑って済まされる時代は去っていきました。
 今、トレンドになっている「ChatGPT」などの生成AIは、すぐにスタンダードになる勢いです。もはや「食わず嫌い」をしている暇がないほど、変化のスピードが早いのです。企業や学校で禁止にしている所もあるようですが、禁止にするよりも「使いこなす!」事に注力した方が、次のイノベーションを早く出来る事に気が付くべきです。

次のトレンドは「分散型」になる⁉

 今までの発展を俯瞰して見てみると、物事の一点集中や一極集中によって、成功例が生み出されてきましたが、ここ最近は、その弊害が顕著に表れてきました。日本で言わば東京に集中したり、ビジネスにしても二匹目を狙って、すぐに寡占状態になってしまうなど、集まると弊害の方が多くなるという事象が起きています。実はコロナ禍以降は、分散や拡散が重要である事が分かってきました。
 特に通信網が充実している昨今は、田舎にいても情報は取れる時代になりました。その為、必ずしも都会にいる必要もなく、またZOOM等で打ち合わせるのが当たり前になった昨今は、会う必要性もなくなり、移動時間を考えたり、交通手段や交通費、または飲食費もカット出来るようになり、コスト削減にも繋がりました。まさに、「災い転じて福となす!」と言った側面もありました。
 実は、この分散型は金融業界でも始まっています。今では、PCやスマホで決済できるのが当たり前になり、銀行などの店舗が不要になってきました。さらに暗号通貨が出た事により、「ブロックチェーン」という分散型のデータ管理システムにより、中心が無くても管理できるという事になったのです。これが、金融業界が暗号通貨を嫌う理由なのです。自分たちで自由に管理できないシステムが、不都合になっているのです。
 これからは、「ブロックチェーン」がデータ管理の主流になってくると思います。不正アクセスや改ざんが出来ない仕組みは、今後ますます重要になってきます。

SNSは、人物評価の対象になっている‼

 また、人物評価も、その人のfacebookやX(旧Twitter)などが、どのような使い方や投稿が為されているかで、評価対象になってきています。普段、SNSで人を平気で攻撃するような人は、「就活」や「婚活」などで、真面目な仮面を被っていても、アカウントを調べられたら、一発でアウトです。
企業が人を雇う時に、本人のSNSを参考にするのが一般的になる日も近いです。
 既に、インターネットを通じて、本人の嗜好が丸裸にされています。アマゾンやYouTubeでも、本人の嗜好に合ったモノが提供されています。ある面、プライバシーのない状況が有名人でなくても一般人にも起きているのです。それに、気が付いてない人ばかりなので、仕掛けられて便利さを喜んでいるのです。実は、ビッグテックはデータ・コントロールの時代に入っており、クラウド上の個人情報を分析して、その人が好む情報をカスタマイズして提供しているのです。
 今、世界は個人データをいかに効率よく手に入れるか?を競っています。これからも、「データ流出事件」は、後を絶たないでしょう。もはや「インシデント」と言って済まされない状況にあるのです。そして、あらゆるデータが紐づけされ、一元管理する社会が「早くて便利!」という正論を装って、我々を誘惑してきます。私たちに必要なのは「情報リテラシー」を個人が持ち、安易に利用されない事だと思います。

今の自分の能力で、未来の「意思決定」をしてはいけない⁉

 よく人は、「出来るか?出来ないか?」で悩みます。しかし、どんなに悩んでも結論はでません。しかし、やると決めた時点で、出来るという未来が生まれている事に気が付くと、後は、どのように取り組んで「最適解」を導き出すか?だけなのです。つまり、多くの人は、スキルアップした自分の姿を考慮に入れないで、判断してしまう傾向にあります。「自分なんて!」とか「どうせダメに決まっている!」とか、自分を過小評価する癖を無くした人から、『自分の得たい未来』に向かって一歩を踏み出していきます。

 この混沌とした社会だからこそ、自分の意思を明確にして、「マインド・リセット」した人が、自分らしい人生を歩む事ができます。

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