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全部君だけ 2

君(愛犬)と吾(私)の短歌
愛犬亡くし病みました


なんとなく『五七五七七』
連作短歌 そのニ

藁を焚き
炎と煙の
道標
君犬だから
炭で肉焼く

     肉焼いて
     煙の向こう
     君想う
     はしゃいでいたな
     牛の脂に

僕パウチ
私カリカリ
君BBQ?
煙臭いね
クンクン談議

     病みし吾
     多き薬剤
     飲みたれば
     君の知らない
     匂いを纏う

庭先の
ベンチの上が
指定席
花世話終える
吾を待つ君

     二年越し
     やっと咲いたよ
     愛でようと
     覗き込む花
     パクリと喰む君

タンタンが
ドスドスになり
トボトボで
ヨタヨタなりても
君は吾追う

     寝てないよ
     ドアロックオン
     吾を待つ
     家人羨む
     君は忠臣

忠犬は
名ばかり契り
破り捨て
駆けて逝ったよ
虹の架け橋

     身丈より
     顔の大きさ
     気にかかる
     モジャ毛短足
     されど愛おしい

湖を
シート手前に
オシッコで
トリミング抗議
やさぐれの君

     雨上がり
     輝ける道
     突き進む
     帰り難儀だ
     抱っこに背登り

階段と
濡れた道路は
苦手なの
ミヨョ〜ン抱っこで
ぶら下がりの君

     なぜバレた
     背中が痛い
     突き刺さる
     視線でせがむ
     吾の手アイス

しょうがない
そんなに好きなら
こっそりと
もひとつアイス
二人で食べよう

     吾手から
     最後のアイス
     貰いたる
     幸せ懐き
     君は逝くなり

君好きな
バニラアイスを
食べさせた
それが救いの
残されし吾

     こんなにも
     食べていたのか
     お裾分け
     君いなくなり
     残る食事よ

お毒味と
尽きぬおかわり
吾と君
残りし鍋は
肉なしカレー

   君亡くし
   電気回路が
   ショートした
   エンジン暴走完治せず
   歌を詠んで修復試す

東窓
自分のために
星を見る
西見えぬから
半分だけ泣く

     脚で押し
     口に咥えて
     ズイズイと
     どこに置いても
     寝床は吾向く

仰向けで
腹に丸めて
眠りたし
君ボス踏めと
降りて横付く

     もうダメと
     投げ出す手の先
     オデコあて
     ここにいるよと
     押し上げる君

愛犬が
夢中になると
触れ込みを
信じあげれば
君無関心

    そのオモチャ
    高かったのよ
    遊んでよ
    君は嗅ぐだけ
    吾膝が折れ

犬のため
犬の健康
犬喜ぶ
見ると手が出る
貢がせる君

     出会いたる
     君に注いだ
     物と金
     君にもらった
     品はないけど

屋根付きの
フワフワハウス
一晩で
スポンジの山
破壊神降臨


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