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全部君だけ 4

君(愛犬)と吾(私)の短歌
愛犬亡くし病みました


なんとなく『五七五七七』
連作短歌 その四

シャンプーは
断固拒否の
君だから
吾のバスタイム
やたら部屋の隅にいる

  吾は風呂
  君コソコソと
  来て逃げる
  バスマットが温いぞよ
  見張られ気分もまた嬉し

君のこと
思い出しても
耐えてみた
涙我慢で
鼻血が出たよ

     お別れは
     人並みにある
     大人だし
     ただ吾を
     こんなに泣かせた
     オトコは君だけ

生きモノの
最後は言うほど
美ではなく
泣く暇もなく
逝ってしまった

     吾だけが
     君の世界の
     全てだと
     信じ待つから
     帰宅は早足

プリプリの
「M」がとっても
泣けるのよ
全部君だけ
失犬ソング

    未知扉(うたよみん)
    気を晴らすため
    歌を詠む
    全てが君で
    埋まらぬように

新しい
窓を開けたら
別世界
大きく息吸い
前に進める

     一年も
     君の姿を
     探してた
     なんとかなるよ
     いろいろ始めた

犬臭い
犬飼わぬ人
言うけれど
君から言わせりゃ
この部屋人クサ

     雪中に
     駆け足ダイブ
     はしゃぐ君
     毛に氷玉
     不知の顔なり

嬉しがる
君いないから
積もりたる
真新の雪に
寂し吾跡

     黒髪の
     うねる癖っ毛
     見つければ
     お手!と言いたい
     ナデナデしたい

流星群
捕まえるふり
ベンチ掛け
探すシリウス
君になぞらえ

     バカだなぁ
     封印してた
     犬動画
     見ちゃったから
     君が恋しい

横道や
抜け道細道
隠し道
君と知ったよ
この町の道

    どなたかが
    大切な人
    亡くしたと
    聞けば吾すぐ
    君を思い返して

思い出の
沼に溺れて
しまわずに
岸で見渡し
景色も眺めて

     お菓子はね
     いつも二人で
     はんぶんこ
     どんどん頬を
     寄せ並ぶ君

座布団を
二つに折って
カバー掛け
君のベットは
吾のお下がり

     君いない
     吾の朝は
     平らかで
     諦めいるのに
     視線が探す

君のもの
全部処分で
残りしは
首輪とリード
カランと鳴らした
お茶碗だけに

    巡り日を(3.11)
    思い出すよな
    大揺れに
    守る君なく
    恐れ動けず

躾けられ
離れられない
吾が心
君が居るから
泊まりはNG

      君居なく
      連泊三昧
      旅の宿
      それでも吾の
      後ろ髪ひく


    動物病院
    優しさ溢れる
    お知らせハガキ
    お断りする
    電話を入れる


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