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独立して会社と業務委託契約で働くように言われている

⇒「君もそろそろ独立したら?個人事業主になれば経費も落とせて収入が増える」などと持ち掛けられても、安易に乗らないように気をつけましょう。

会社から「安定して仕事を出すから」と安心させられた上に、事業所得で確定申告し、特別控除や関連費用の必要経費を落として…などとメリットを伝えられるかもしれませんが、労働契約に比べ、デメリットも多々あります。

まず、会社が負う使用者としての責任はなくなります。労働関係法令上の保護はなくなり、報酬に対しては、最低賃金の規制も適用されません。解雇や賃金・労働条件の引き下げは、労働関係法令で規制がありますが、事業主間の契約となると、あなたの立場がよほど強くない限り、契約解除や、契約条件の引き下げ、場合によって業務が上手く進まなかった場合の違約金、ミスがあったときの損害賠償などを求められるなど、厳しい条件を突き付けられることが多いといえます。

JILPTの推計によれば、発注者から業務・作業の委託を受け、個人で役務を提供し、対価として報酬を得る者は228万人いるようです。雇用されない働き方は、専門性の高い士(師)業や技術・研究職、講師等から、スキルをさほど必要としない職種まで多岐に広がっていて、本業で就業している人でも年収200万円未満が4割強と低収入が多いのが実態です。
そればかりか、トラブルも頻発しています。「契約書面の未交付」、「契約の一方的変更」、「報酬支払い遅延や減額、未払い」、「買いたたき」、「知的財産権の侵害」等々。でも、トラブルが起きて「弁護士等に相談」した人は23.5%、「行政への相談」は公正取引委員会、下請けかけこみ寺等いずれも1割に満たず、多くは泣き寝入りしています。取引先には強いことは言えず、結局、従属せざるをえないということです。

ただ、勤め先からスピンアウトして、委託で働く場合、労働者の頃と同じ仕事をしていることが多いことがわかっています。契約書上、「業務委託契約」や「請負契約」等という形式であったとしても、労働基準法上や労働契約法上の「労働者」であると判断される場合もあります。労働者と判断されれば、あらゆる労働法上の保護を受けられることになります。

この「労働者」と判断されるか否かは、法律的な判断となりますから、働き方の詳細を確認する必要がありますので、労働組合や弁護士にご相談ください。

全労連
http://www.zenroren.gr.jp/jp/soudan/rodosodan_form/form1.html

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