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メンタルトレーニングをはじめたいアスリートの方へ

メンタルトレーニングというと、まずは心の働きなどについての知識学習というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

もちろん、アスリートによっては心理学や脳科学などの知識を知ることで、納得して取り組める場合もあります。ただ、頭で自分の課題をどれだけ納得できても、それは思考での理解。課題を分析して解決しようとして、さらに思考を強化してしまうことで、さらに症状が悪化するアスリートも少なくないのです。これはメンタルトレーニングで効果が出ないケースに多い罠です。

大事なことは心の変化をプレーで体感できること。

実は、メンタルトレーニングは頭から入らない方がいいのです。

むしろ知識や概念は、やっていることの後付けでいいのです。なぜなら選手が苦しんでいる本当の課題というのは、頭で納得して解決出来るものではないからです。いかに体験からの気づきを得ていくか。

知識や過去の経験でいっぱいになっているのは、身心が凝り固まっている状態です。体験からの気づきが生まれる状態というのは、身心が柔らかい状態です。まずは、固まった身心を少しずつほぐしていくことが最初に取り組むことです。

アスリート達とのメンタルトレーニングで最初によく取り組むのは、「プレーの気持ちよさ」の点数化です。

ゴルフでいえば、ラウンドをしながらスコアの横に、一打ごとに気持ちよさの点数を書き込んでいきます。気持ちよければ5点、気持ち悪ければ1点です。結果が上手くいったかどうかは関係ありません。

結果はよくても気持ちよくない場合もあるでしょうし、逆に結果は悪くても気持ちいい場合もあります。結果は考慮せず、あくまでプレーした心と身体の感覚で記入してください。

プロゴルファーとのやりとりの一部をご紹介しますので、参考にしてください。

【選手からの報告メール】
今日のラウンドで点数つけるのやってみました。やってみるといつもまわるコースだけど景色が違うように見えて、特に今日は風が強かったので、ティーグラウンドの立つ位置やボールの高さも変えて打つことが出来ました。ボールが思ったところに行くという事への執着がなくなったので、私には珍しく穏やかな気持ちでラウンドができました。いつもは一球に対しての執着が凄いので体力も使うし気持ちも疲れてました。
たまに1点が出ましたけど、コーチに言われたようにそれを責めるのではなく、何が起こっているか観察するようにしました。ちなみに今日のラウンドでは、入れたい!とか寄せたい!とか池怖い!とかっていう思考に頭を支配されていると気持ちよさの点数が下がることに気づきました。

【赤野の返信】
ありがとうございます。お伝えしたことを、しっかりとトライしていただいています。身体や気持ちに何が起こっているかもよく感じられていると思います。ゴルファーの多くが、執着を集中と勘違いしています。執着とはスコアやプレーの結果への期待などです。執着した心は余計な力みを生みます。逆に執着を手放していけると、心も身体も静かになっていきます。これが自然体であり、リラックスしていてかつ集中できている状態といえます。今のやり方でOKですので続けてみてください。


気持ちよさの点数化する上で大事にしてほしいのは、打った球は「どこにいってもいい」ということ。

つい、アスリートはプロセスと結果を同時に考えます。残念ながら、身体は2つを同時に処理しきれません。プレーするときは、いかにプロセスに集中出来るか。

気持ちよさを点数化するというトレーニングは、つい結果を考えてしまうプレーヤーに有効です。気持ちよさに焦点を向けることで、結果を考えたときに点数が下がることに気づけます。

この気づきがメンタルトレーニングの肝になります。無理に気持ちよくやろうとする必要はありません。人は「気づく」だけで、自然に自分らしい状態に調整する力を持っています。

ちなみに結果とは未来の出来事です。身体は未来を表現できません。
プロセスとは今この瞬間です。今この瞬間に意識がいるときに、身体はイキイキと動けるのです。

気持ちよさの点数化のトレーニングを続ける中で、自然に今のこの瞬間へと意識の転換を図ることが出来ます。

ぜひ、トライしてみてください。

メンタルトレーニングの相談はこちらから
https://www.zen-mental.com/contact/

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