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今にチューニングしましょう 「考える幸せ」と「体験する幸せ」は違う

食堂のオープンから2ヶ月が経ちました。

先日、ご飯が途中で終わってしまいました。食堂でご飯がなくなるのは致命的ですね。スタッフみんなで落ち込みました。

食材をいかに無駄なく使えるか。日々来店数が変動する中で、どれだけ仕込みをするかは本当に難しいです。

試行錯誤の日々ですが、少しずつお馴染みさんが増えてきました。いつも朝一番に来店される男性は、杖を使いながらなんと30分かけて歩いてきてくれていました。

スタッフの女性陣も男性を待っているようで、来店されたらすかさず駆け寄って、代わりにお盆を持って、席まで付き添っています。

そんな姿を見ると、心が温かくなります。ひとりひとりの方がご来店くださる奇跡を本当にありがたく感じています。

三幸食堂は平台がショーウィンドウです。お客さんが目を輝かせて、食べたいものを探している姿を見ると嬉しくなりますね。



一方で、日々身体はクタクタです。

食堂をはじめた当初、心も身体も違和感でいっぱいでした。恥ずかしながら、昔から朝起きるのが苦手でした。夜はダラダラと遅くまで起きていて、ギリギリまで寝ていたいのです。我ながら情けないのですが、眠りに関しては、ずっと貪欲で甘えて生きてきました。

それが食堂をはじめてから、朝5時に起きるようになりました。前の日から、朝早く起きなければならないと思うと、心が暗くなりました。そして、何度も夜中に目が覚めるのです。そして、起床の時間になるとなかなか目が覚めません。

それが今では、パッと起きられるようになりました。身体が朝5時の起床に合ってきたのです。その分、夜は午後10時になると眠気が襲ってきます。早く床につくようになり、あっという間に眠りに落ちます。

不思議なことに、日々クタクタなのですが、身体は快調です。慣れない立ち仕事で、腰は痛いですが、それにも慣れてきました。便秘も直り、毎朝、快便です。

身体が少しずつ食堂のある生活に合ってきたのかもしれません。

格好の悪い話ですみません。ただ、これが私にとって大事なことなのです。




先日、自分が求めていた幸せと、幸せを感じられている瞬間は違うことに気づきました。

頭で考えていた幸せと日々の体験から生まれる幸せにはかなりズレがあるのです。

食堂のトイレや床の掃除、ゴミ捨てなどは私の担当です。これまでの人生で、掃除は面倒くさいと思ってきました。恥ずかしながら、家では風呂掃除くらいしかやっていませんでしたが、全身を使って一心不乱に掃除をしていると、考えることが減って、シンプルになっていきます。

ちなみに、現代の生活は、頭で考えることが圧倒的に多いです。ただ、頭を使っているときは、地面と切れています。地面とつながっていないと、身体も心も安定しないので、問題に振り回されます。




禅にとって、地面は、かなり重要なファクターです。坐禅は、まさに地面という根っこにしっかりとつながることからはじまります。

運動もそうですが、掃除は全身を使うので地面としっかりとつながっています。これは頭では分からない、身体から生まれる体験の幸せといえます。

また、私はトラブルが苦手です。できる限りトラブルにならないように生きてきました。しかし、食堂では毎日なにかしらトラブルが発生します。

トラブルを体験しているとき、頭を下げて声が出ています。自分の無力さを痛感し、人のサポートのありがたさが身に染みます。自然に謙虚になれるのです。

トラブルを避けようとして生きるのが、頭で考える安全です。しかし実は、トラブルに巻き込まれながら必死に生きているときも幸せなのです。これも体験でしか分からない幸せです。



「また明日お客様が来てくれるのだろうか」と考えはじめると、いろいろな問題点ばかりが見えてきます。もちろん、改善していくことは大事ですが、地面と切れている状態でどれだけ問題を解決しようとしても、焦りばかりが強くなります。地に足がついていないと、今ココにある幸せが見えなくなるのです。

一方で、来てくださった1人1人のお客様に「ありがとうございます」と笑顔で声が出ているときは、幸せを体験しています。

頭は、考えた通りに進むことを期待するので、違和感を排除しようともします。自分で作った枠から出たくないのです。

ただ、頭で考えた幸せを生きていると、レールの上を走っているような感覚になります。人から見るとすごいことをしていても、新しい自分でないと新鮮さはありません。さらに刺激や新鮮さを求めて、もっとすごいことを成し遂げようとします。しかし、どこまでいっても満たされることはありません。お金も地位もあるのに飢餓感を覚えているというのは、新しい体験をしていないからです。




最近の私のテーマは、今へのチューニングです。

まだ、ときどき過去のノンビリした生活に戻りたいと思います。もっと考えたり書いたりする時間が欲しいとも思います。過去とのズレに違和感を感じるのです。

そんな違和感を感じながら、少しずつ今の生活にチューニングしています。

仕事もスポーツも、いかに今にチューニングしていけるかが大事なのではないでしょうか。

今この瞬間と心と身体がズレているとき、苦しみというアラームが鳴ります。

日々の生活の中で、新しい発見や気づきがあるとき、気づかないうちに幸せなエネルギーが出ています。

最近、少しずつですが、食堂に身心が合ってきたように感じます。そして、不思議なことにコーチングのセッションが変化しています。それについては、またの機会にお伝えしたいと思います。


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