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『リベリオン ー反逆者ー』 ガンカタと呼ばれる銃アクションは本当にカッコいいのか?

評価 ☆



あらすじ
第三次世界大戦後、都市国家リブリアは党首ファーザーによって独裁的に統治されていた。リブリアでは感情は戦争の引き金とされて、すべてがファーザーの支配下に置かれていた。また、感情を揺り動かすとされる絵本や聖書などの書物、映画は個人所持することが一切禁止されていた。



昔はインターネットなんてなかったので、映画の情報はいろんな噂を聞いて「どうなんだろうなぁ」と思い、その真相を突き止めるべく実際にその映画を観るというのが多かった。周囲にも「これ、面白いよ」と言ってくれる友人が数多くいた。最近、みんなおじさんになってしまって(当たり前か)、そういう話をしなくなったし、友人も少なくなった。



インターネットにも口コミがある。そういう意見を読みながらチョイスしたのが『リベリオン ー反逆者ー』だった。意外と面白いと言う噂が多かった。ところがですね。実際に観てみると「こいつはちょっと難儀な映画」だった。



ひとつ学んだことがある。掲示板では書き込みをした人のテイスト、性格がわからないということである。映画に関する造詣の深さとか、観た本数とか好きな趣向がわからない。そういうことがわからない限り、その人の意見を信じちゃいけないし、信じられない。知らない人がいくら「面白いよ」と言っても信じてはいけない。



例えばA君という友達と1年くらい付き合って、彼の考え方とか、性格とか、あるいは好きな女の子のタイプとかがなんとなくわかっていると仮定しよう。その人が「『リベリオン ー反逆者ー』って映画を観たけどさ、つまんなかったなぁ」と言う意見を言ったら、自分はぜひ観に行こうという判断が下せる、とかね。そういう意味だ。



『リベリオン ー反逆者ー』は2002年に公開された映画。カート・ウィマー監督、出演はクリスチャン・ベールなど。ガン=カタと言われるアクションは『ロミオ&ジュリエット』のラーマン監督の殺陣をモチーフにしている印象を受けた。



ただし、形はいいんだけど、あんなふうに銃を撃ってもカッコイイと思わないし、理論的に無理。刀とはやっぱり違う。多分、刀には精神性が反映されやすいんだろう。銃はあくまで合理的な機械である。



話全体は、ジョージ・オーウェル原作の映画『1984』に似ている。彼の原作となる「1984」をそのままCMにしたのがアップルコンピュータの1984年のCMだった。簡単に言えば、全体主義とそれに反抗するひとたちの葛藤である。『リベリオン ー反逆者ー』を観ていると、まるで売れないSFを読んでいるような感じがした。



「あまり面白くない」というのが結論。時間の無駄とまでは思わないが、いくらスタイルが良くても内容が深くないとダメでしょう。ただし、僕という人間を理解しているという前提で、観る、観ないを判断して下さいね。鵜呑みは怖いよ。



追記



『リベリオン ー反逆者ー』というタイトルの意味は反逆者。しかしこれは邦題。原題は『Equilibrium』これは「均衡・落ち着き」という意味である。どうも落ち着き、ということに全体主義を収めようという考え方は、共感できないというか、そんなんでいいの?



初出 「西参道シネマブログ」 2005-02-06



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