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『ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー』を読んで。きよきよしい気持ちになる。

きっと日本人と白人のハーフの少年が人種差別でいじめられる暗いブルーなそっち系のコンセプトだと思って敬遠していました。
が、ぜんぜん違った。
そんなコンセプトはもう古いぜ!とゆうパンクな作品でした。

世界って新陳代謝していて進化しているんだな。

「 無知が減るから、多様性は良いことだと思う」

著者の息子さんへの答えのひとつなんですが、ここよかったです!

セックスピストルズが廊下にかざってある元底辺中学校の日常で、
社会のさまざまな差別と格差を目の当たりにする。
ハラハラして心配しながら読んでいましたが、著者の息子「ぼく」の対応はが清々しくてたまんなかったです。
著者も肝っ玉母ちゃんで素敵な人。こんな親子が特別なようにも思えなかった。こんな親子がたくさんいる気がする。それはとても明るいことだと思った。

さまざまな社会の差別。格差。
人種差別、階級差別、貧富の問題、ナショナリズム、アイデンティティ
LGBTQ、里親、教育放棄などなど。

人種差別をするダニエルがいじめにあっている。
ダニエルの親父もバリバリの差別主義者。親の影響。
私の持っていた先入観だと、人種差別をする人間はいじめる側でした。
ポリティカル コレクトネスにより、差別主義者が「正しくない人認定」されて、処刑の対象者だとされてダニエルがいじめにあう。
「人間はいじめ好きじゃなくて、罰するのが好き」とゆうぼくの名言。

階級差別。
水泳大会が、私立と公立でレースがわかれている。
それは、実力の差が歴然としているからざぁます。
しかし、公立の少年が、私立に勝つ快挙を!
愛階級心でスタンドの貧困チームが大盛りあがり。

貧富の格差
ティムは貧乏だから学食で万引きしてる。
制服もボロボロだといじめられちゃるから、
母ちゃんがボランティアで集めた制服をこっそりプレゼント。泣くとこ。

ナショナリズムで激怒する人がいるのも知らなかった。
愛国心は良きことかと。しかし、そのコンセプトも賛否両論。
若者はEU離脱反対が多いらしい。

FGM
アフリカ系のお母さんに「休みはどこにいくの?」とゆうなにげない質問が、「休みにアフリカに帰って娘にFGMさせるんじゃねーの?」に変換されて激ギレされる。この地雷は私でも踏むだろう。

タンタンタンゴはパパふたり
いまどきのベビーはこんな絵本を読んで育つのか!知らなかった!
友達がLGBTQに悩んでいても、
体外受精で生まれたと聞かされても、「いろいろあってあたりまえ」

血の繋がりのないイングランド代表も普通に応援する。
血の繋がっている日本代表も応援している。
日本が勝利したら、日本と血の繋がってない友達も大喜び。
アイデンティティってなんだと軽く悩む。その気持ちはわかる。

アイデンティティがないといけないのか?
ぼくが、イエローのヴェストを着た中国人の生徒会長といたところを、「ヴェリーイエロー」とからかわれる。生徒会長は怒って、暴力で脅した。
生徒会長が同じ東洋人としてぼくをかばったのでは?
生徒会長に同じ差別をうける仲間として見られていた。
その仲間意識をヘヴィに感じた。
ぼくはどこにも属している気持ちになれないでいて悩んでいた。
人種差別はレッテルを貼られた人たちの仲間意識を強め、社会を分断する。

マージナライズド
環境問題のデモに、優秀な学校の生徒は参加してもOKだった。
デモに生徒と同行してグルーミングするためだ、とぼくは言う。
ぼくの洞察が芯を食っててやばい。
そして、ぼくのバンドのラップが最高。

子どものころから多様性の中でそだち、いろいろあるなかで育った人間が、

きっと問題を解決してくれる。

こんな子どもたちがきっと世界を明るくしてくれるんだ。
そんな清々しい気持ちになれる本です。


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